2017年2月21日火曜日

金利目標上げは時期尚早、強力な金融緩和を推進=黒田日銀総裁

黒田東彦日銀総裁は21日の衆院財務金融委員会で、世界的に金利上昇圧力が強まっているが、短期金利をマイナス0.1%、長期金利を「ゼロ%程度」としている現行の長短金利目標を引き上げることは時期尚早と語った。重徳和彦委員(民進)の質問に答えた。

総裁は、日銀が掲げる2%の物価安定目標の実現には「なお距離」があるとの認識を示し、今後の金融政策運営について「(目標の)早期実現には、現在の金融市場調節方針のもとで、強力な金融緩和を推進していくことが適当」との考えをあらためて表明した。

米国を中心に「確かに国際的に金利水準が若干、上がってきている」ものの、物価2%目標の早期実現には「適切なイールドカーブの形成を促す」ことが重要と説明。「海外の金利が上がったからといって、日本の長短金利操作目標を上げるのは時期尚早だ」と強調した。

相続税対策などを背景に、地域金融機関による個人の貸し家業向け貸出(アパートローン)が急増していることについては「現時点では貸家の需給バランスや、金融機関のリスク管理などで大きな問題が生じているとはみていない」との認識を示した。

もっとも、「貸家業向け貸し出しは長期にわたる」とし、金融機関に対して「適切なリスク管理を促しており、今後も促していきたい」と語った。

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