ムニューシン米財務長官は23日、主要貿易相手国を為替操作国に指定する際の基準や手順について「従来の方法を踏襲する」と述べた。米財務省は半期ごとの為替報告書で、為替操作国に該当する国があるかどうかの判断を示す。オバマ前政権下では該当国がなかったため、現在の認定方法を維持すれば、中国や日本などの指定を見送る公算が大きい。
財務省は4月と10月、議会に為替報告書を提出している。対米貿易黒字の大きさや為替介入の有無などを基準に、主要貿易相手国を為替操作国に指定するかどうかを判断しており、指定国は制裁措置の対象になる。
ムニューシン長官は「財務省には為替操作を監視するための手続きがあり、それを進めるつもりだ」と述べ、オバマ前政権下の判断方法を基本的に継承する考えを示した。ただ「手続きが終わるまでは結論を出せない」とも語り、指定の是非をなお慎重に判断する意向を表明した。
トランプ大統領は巨額の対米黒字を抱える中国の為替政策を強く批判してきた。「就任初日に為替操作国に指定する」という公約の強行は見送ったが、次の為替報告書でどんな判断を下すかが焦点になっている。
ムニューシン長官は対中関係の悪化につながる為替操作国の指定に慎重な姿勢で臨み、より現実的な方法で監視を強化する考えをにじませたとみられる。オバマ前政権下の為替報告書では、中国や日本を含む6カ国・地域を監視対象に指定しており、こうした措置の拡充を検討する可能性がある。
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