2017年2月24日金曜日

店員いらず?イオン、ローソン、ユニクロのAI導入が意味するもの

その実用化が急速に進む中、人件費の削減や業務の効率化を図ろうと、AIを導入する企業が増えつつあります。無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』では著者で店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんが、イオン、ローソン、ユニクロなどAIの導入を推進する企業にフォーカスしながら、「AI活用の今後」について考察しています。

イオン、AIを活用し従業員の質問に自動回答。ローソンやユニクロもAI活用を推進

従業員が業務でわからないことがあれば、AI搭載のスマホに質問することで回答が得られます。例えば、業務システムの使い方やトラブル時の対応方法などについてAIが回答します。

これまではこうした対応は社内向けコールセンターが担っていました。AIが代行することで、店頭とコールセンターの業務効率化が実現できます。

AIを導入するイオンリテールは人件費の高まりが懸念されています。近年の通期の人件費率(営業収益比)は12%台で推移しています。安定的な状態ですが、昨今は時給の上昇などにより人件費の上昇圧力が強まりつつあります。AIの活用で業務の効率化が実現できれば、人件費の抑制が期待できます。

ローソンやユニクロもAIを活用

小売企業でのAIの活用が広がりを見せています。

ローソンは、顧客が希望する商品をAIが提案するサービスを開始しています。日本マイクロソフトのAIを導入した「チャットボット」の「ローソンクルー♪あきこちゃん」がお薦め商品を紹介します。

例えば、お薦めを問えば、最近発売された注目の新商品を紹介します。カロリーを気にしていることを話せば、カロリーが低い商品を提案します。AIが投げかける6つの質問に答えると、5つのタイプに分類されたお薦め商品が提示されます。

ユニクロはAIを活用した接客サービスの開発を進めるようです。2017年2月18日付日本経済新聞は「ファーストリテイリング傘下の衣料品店ユニクロは、自社のインターネット通販サイト上で人工知能(AI)を活用した接客サービスに乗り出す」「米国で実証実験を開始」と報じました。

ネット通販でAIが顧客の要望にあった商品を提案します。ネット通販では接客ができないという弱点があります。AIを導入することでネット通販でも接客を可能にする試みです。

大手小売各社がAIの活用を推進しています。今後追随する企業が増えていくと思われます。労働者人口の減少は止まりそうにもありません。業務効率化の一環としてAIの活用が今後ますます広がっていくことでしょう。

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