2017年6月30日金曜日

AIIB、格付けは「AAA」 米ムーディーズ

 米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは29日、中国主導で設立されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)に、債券発行者として最上位格付けの「AAA(トリプルA)」を与えると発表した。同行の格付け取得は初めてで、日米主導のアジア開発銀行と並ぶ。

 同行はこれまで拠出金を頼りに投融資をしてきた。トリプルAを獲得したことで、低い金利で債券を発行してお金を集められるようになる。

 ムーディーズは理由として、豊富な資金力と運営態勢の強みを挙げた。国際金融界では信用力の高い日米が加盟しないと、トリプルAの獲得は難しいと見られていた。だが、ムーディーズは今回、80カ国・地域が加盟する同行への拠出金が約929億ドル(約10兆円)に達しており、「伝統的な多国籍金融機関よりすでに多い」などと評価した。

5月完全失業率、3.1%に悪化 有効求人倍率は43年3カ月ぶり高水準

総務省が30日発表した5月の完全失業率(季節調整値)は3.1%で4月(2.8%)から悪化した。厚生労働省が発表した同月の有効求人倍率(季節調整値)は1.49倍と前月から上昇。1974年2月(1.53倍)以来、43年3カ月ぶりの高水準となった。

完全失業率は、ロイターの事前予測調査で2.8%が予想されていた。

有効求人倍率は、ロイターの事前予測調査で1.48倍が見込まれていたが、結果はこれを上回った。

新規求人倍率は2.31倍と前月から上昇。有効求人数は前月比0.1%減、有効求職者数は同0.9%減だった。

段ボール、今秋から値上げ 大手が相次ぎ発表

 今秋から段ボールが値上がりする。大手メーカー・王子ホールディングス(HD)の傘下2社は29日、10月出荷分から15%以上値上げすると発表。最大手のレンゴーも10月からの値上げをすでに表明している。段ボールを多く使う通販業者など幅広い業種に影響が広がる可能性がある。

 王子やレンゴーによる段ボールの値上げは約3年半〜4年ぶり。レンゴーは具体的な値上げ幅を明らかにしていないが、燃料や物流経費などの上昇分を踏まえて顧客と交渉するという。

 値上げの理由の一つは、原料となる古紙の国内価格の急騰だ。ネット通販が伸びている中国向け輸出が増えたためで、段ボール製品を輸送するトラックの運賃も上昇しており、「コスト削減で価格維持に努めてきたが、自助努力での吸収は限界」(王子)という。

 一方、日本製紙グループも中堅段ボールメーカーなどに販売する原紙の価格を5月21日出荷分から、20%以上引き上げている。大手3グループの値上げによって、通販業者などもコストの見直しを迫られるとみられる。

2017年6月26日月曜日

ドコモ、外国人旅行者向けプリペイドSIMサービスを7月から--広告閲覧で無料に

 NTTドコモは626日、外国人旅行者が日本に滞在中に使えるデータ通信専用のプリペイドSIMサービス「Japan Welcome SIM」を71日から提供することを発表した。広告を閲覧することで無料で利用できることが特徴だ。対象は20歳以上の外国人旅行者で、言語は英語、中国語、韓国語、タイ語に対応している。

 同サービスで外国人旅行者は、訪日前に専用サイトで申し込み(「dアカウント」を取得)、その際に動画広告をみたり、アンケートに答えたりすることで、無料でデータ通信量をチャージすることができる。あとは訪日後に空港内の施設などでSIMカードを受け取り、SIMフリースマートフォンに差し込むことで、ドコモの通信ネットワークを15日間利用できる。ドコモが開発した同社のAPNに接続させる機能によって、煩わしいAPN設定が不要なことも強みだという。

サービスの利用イメージ 
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 料金プランは、訪日前に自国で対象の広告を閲覧することで無料でデータ通信(128Kbps)を利用できる「プラン0」、128Kbpsのデータ通信を無制限に利用できる1000円の「プラン1000」、受信時最大682Mbpsの高速通信を500Mバイト分利用できる1700円の「プラン1700」の3種類。また、100Mバイトを200円、500Mバイトを700円で追加チャージすることも可能。

 無料のプラン0は、10月ごろの提供を予定しているという。チャージされる通信量は、広告動画視聴が10Mバイト、アンケート回答が10Mバイト、アプリインストールが50Mバイト、広告記事の閲覧が10Mバイト。今後は、クーポンや食事・アクティビティ予約、交通・配車、観光スポット送客などによる無料データチャージを検討しているという。当初SIMカードを受け取れるのは、成田空港、羽田空港、関西国際空港、ドコモショップ博多バスターミナル店。

 ドコモではパートナーとの協創によって新たな価値を提供する「+d」を推進しており、同SIMサービスにおいても複数のパートナーと事業を展開する。まず、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)とともに広告商品などのメディアを共同開発。DACのアドサーバ「FlexOne」や進行管理ツール「ad-meister」などによって広告配信システムの基盤を構築した。

 また、全国に44ホテルを展開する東急ホテルズと組み、宿泊プランのオプションで同SIMサービスを割引価格で予約できるようにする。外国人旅行者は、ホテルの宿泊予約とともにSIMサービスを申し込むことで、空港でSIMカードを受け取ってすぐにデータ通信を利用できる。SIMカードの費用は、宿泊費と合算でホテルで支払える。まずは宿泊者の約7割が外国人というザ・キャピトルホテル東急(東京・永田町)から販売を始めるという。

 宿泊予約サイト「Booking.com」とも連携し、Booking.comサイト内で同SIMサービスを案内する。Booking.com経由でSIMサービスを申し込んだユーザーは、Booking.comのサイトやアプリ使用時の高速データ通信料が無料になるほか、100Mバイトのデータ通信量が特典として得られるという。

 

2017年6月23日金曜日

中国の自動車市場、韓国系崩壊、最大の勝者は日本メーカー

中国のニュースサイト「今日頭条」が中国自動車市場2017年1〜5月の総括記事を掲載した。それは次のように始まっている。世界一の販売数を誇る中国の自動車市場はここ5年、古代の春秋戦国時代の様相だった。中国、ドイツ系、フランス系、米国系、日系、韓国系、イタリア系の7大勢力が覇を競っていた。それぞれ独自色を保ち、シェアは相対的に安定していた。しかし2017年に入り、どうやら均衡は破れつつある。

■韓国系とフランス系は敗北

中国汽車(自動車)工業協会の最新販売データ(2017年1〜5月)によると、乗用車販売数の総合計は942万1100台で、前年同期比1.48%の微増だった。伸びは鈍っているが総体としてプラスを維持している。しかし韓国系とフランス系はその趨勢から滑り落ちた。

1〜5月のデータによると、現代と起亜、両ブランドの新車販売数は37万6895台で、前年同期比43%の大幅ダウンとなっている。この結果、シェアは前年同期の7.2%から3.2%ダウンし、4.0%となった。

フランス系は、販売数16万1600台、372%のダウン。シェアは2.8%から1.1%ダウンし、1.7%となった。シトロエンの品質問題が影響した。

■中国、ドイツ系、米国系は引き分け

自主品牌(中国メーカー)は韓国系のライバルとして、彼らの失速した空白を埋めるべき立場であった。しかし1〜5月の販売量を見ると、うまくいったとは言い難い。シェアは44.1%で、たった1%上昇したにすぎない。しかも直近3カ月では下降気味である。

ドイツ系は、上汽大衆、一汽大衆の合弁2社が、常に生産量トップ3にランクされるなど、常に20%前後のシェアを占めてきた。1〜5月の販売数は189万3200台でシェアは20.1%、前年同期比0.5%のプラスだった。

米国系は、111万6700万台を販売し、0.5%のプラス。シェアは11.7%から11.9%へ0.2%アップした。米国系3大工場、上汽通用、上汽通用五菱(以上GM)長安福特(フォード)のうち、長安福特は14%ダウンしている。

■日系は最大の勝者

日系は、162万7700台を販売し、前年同期比17.6%のプラス、シェアは15.0%から17.3%へ2.3ポイントアップした。最新の5月単月の販売増加率を見ると、東風本田(ホンダ)36.1% 長安鈴木(スズキ)19.3% 東風日産(ニッサン)15.4%、広汽本田(ホンダ)15.1% 一汽豊田(トヨタ)8.3%となっている。

記事は最後に、消費者は韓国系をあきらめると、次の関心は日系へ向かっていく。中国系はこのマインドにもっと働きかけなければならない、と結んでいる。

日本を訪れた中国人観光客は、相変わらず好印象を発信し続けている。日本車はここへきて急速に売れてきた。普通ならそろそろ次の反日キャンペーンの時期なのかもしれない。

しかし今年は秋の共産党大会を控え、とにかく波風を立てないことを第一にしている。日系メーカーにはしばらく順風が続きそうだ。

JR西日本、京阪神と山陽及び山陰地方を結ぶ観光向け長距離列車を発表

JR西日本が、京阪神と山陽、京阪神と山陰地方を結ぶ、新たな長距離列車を導入すると発表した。

観光向けの車両で、2020年の夏までに運行を開始する予定だそうだ。運行エリアは未定だが、京阪神と西日本の複数の観光地を結ぶという。車内には歓談や食事等に利用できるフリースペースも用意。始発駅や途中駅で地域の特色を生かした飲食物の販売なども検討するそうだ。 列車には、既存電車である117系を改造し、6両編成とする。定員は約100人で、料金は現在の運賃と特急料金を基準にし、豪華寝台列車として話題になった「トワイライトエクスプレス瑞風」よりはかなり安くなるようだ。

新幹線を除く長距離列車や夜行列車は衰退の一途を辿ってきた中、相次ぐ豪華寝台列車の登場を受けて、こうした安く長距離や夜行の列車旅行が楽しめる可能性が再び出てきた事は良いのではないだろうか。

2017年6月20日火曜日

渇水列島から一転 西〜東日本 災害レベルの大雨に警戒

 少雨の影響が出始めている列島ですが、梅雨前線がいよいよ本領発揮。本格的な梅雨が始まります。21日にかけて西日本から東日本の太平洋側でことし一番の大雨となるおそれがあります。

 この10日間で降った雨は東海から西で平年の10%を切り、大阪や名古屋など梅雨なのに1ミリも降っていない地点もあります。

 三重県にある安濃ダムでは20日、貯水率が5%をきりました。四国の水がめの早明浦ダムでは17日、5年ぶりに6月に取水制限が開始。中国地方の尾原ダムでも19日、新たに取水制限が始まりました。

 ただ、この少雨傾向に変化が出てきています。この先は梅雨前線の雨雲が列島に毎日かかり続けます。特にあすにかけては渇水エリアで大雨となる見込みです。

 すでに九州南部では激しい雨が降り始めていますが、20日夜は大雨エリアが四国にも拡大。21日朝の通勤時間帯は東海地方を中心に非常に激しい雨が降って、一気に道路が冠水するおそれもあります。夕方関東に雨雲が移るころには若干弱まりますが、南寄りの風が強まって横殴りの降り方となりそうです。

 ダムにとっては恵みの雨となりますが、その反面災害を引き起こす危険性も高い今回の雨。土砂災害や冠水害、河川の増水など警戒が必要です

世界初…音速10倍で衝突、スペースデブリ(宇宙ごみ)対策に「光」 阪大など国際研究班、破壊現象を原子レベルで可視化

 壊れた人工衛星の破片など宇宙ゴミ(スペースデブリ)が軌道上を周回し、有人宇宙船などとの衝突が危惧され、国際的な監視や防除の取り組みが行われている。なにしろ、10センチ以上のデブリが2万5千個も確認されている。それが音速(秒速約340メートル)に近い拳銃の弾丸の初速の10倍前後の秒速数キロという超高速でぶつかってくるのだから、弾丸を撃ち込まれるより威力があり、ひとたまりもない。このため、人工衛星、宇宙船などの材料や構造について安全を確保する研究が進められているが、これだけの超高速での衝突で材料がどのように変化して破壊されるかを詳細に観察することは、非常に短時間で起きる現象だけに困難だった。

 大阪大学大学院工学研究科の尾崎典雅准教授、ブルーノ・アルベルタッツイ研究員(現・仏エコールポリテクニーク)、兒玉了祐教授と、理化学研究所など日仏英露の国際研究グループは、理化学研究所放射光科学総合研究センターのX線自由電子レーザー施設「SACLA」を使い、秒速5キロメートルもの超高速衝突の際に材料が破断的に破壊していく様子を原子レベルで観察することに世界で初めて成功した。これで、破壊されるときにかかる力などの特性を定量的に調べることもできる。航空機の安全性を高める材料や構造の設計、爆発の危険がある場所の設計にも役立ちそうだ。この成果は米国科学振興協会のオンライン科学誌「サイエンス・アドバンシズ」に掲載された。

 超高速で物体が材料に衝突した場合、衝撃波が材料の内部を伝わって、衝突した面(表面)よりも、むしろ反対側の面(裏面)に大きな損傷が見られるという特徴的な破壊の現象が生じる。

 研究グループは、高出力のパワーレーザーを金属の箔(はく)に集光して照射し、材料内部に衝撃波を起こす「パワーレーザーショック超高圧法」という手法と、物質を原子レベルの大きさで、その瞬時の動きを観察できる「X線自由電子レーザー」を使った。まず、「超高圧法」で材料内部に衝撃波を起こし、その裏面に現れる破壊現象を見るため、フェムト秒(千兆分の1秒)の「X線自由電子レーザー」を照射して観察。ピコ秒(1兆分の1秒)の間隔で時間をずらして繰り返し照射し「X線回折イメージング」という方法で作った画像を順番につなげて連続画像を得ることにより、材料が原子レベルで変化する様子がわかった。

 尾崎准教授は「超高速衝突時の動的な破壊の開始や進展のようすをミクロな視点で観察できることを実証しました。宇宙ステーションや航空機などの安全性向上や、耐久性が高い新材料の開発の促進につなげていきたい」と話している。

中国住宅市場、今の支えはゴーストタウン

 北京や上海では住宅市場の投機筋が信用収縮にあえいでいる。だが中国の鉄鋼・銅需要の大半を左右する内陸部の都市では、不動産所有者が笑みを浮かべている。19日発表された5月の住宅価格が前年同月比7%上昇し、2014年序盤以来の大幅な値上がりを記録したためだ。

 こうした動きから、中国の経済成長率が鈍化する中でも工業用鉱物資源の下値は支えられるはずで、英豪系鉱業大手のリオ・ティントやBHPビリトンの株主にとって朗報だ。両社の株価は2月に金属価格が急落し始めてからおよそ15%下落してきた。

 鍵となる要因は、中国のよく知られた住宅在庫の問題、つまり欧米が抱くイメージに深く刻み込まれた「ゴーストタウン」の数々だ。北京や上海といった沿岸部の主要都市では内陸部ほど高い在庫水準に達したことがなく、中国当局が緩和策に乗り出した2015年半ばにこれらの市場は素早く立ち直った。だがそれほど大きくない都市には住宅在庫があふれ、1年近く後の16年序盤まで値上がりが見られなかった。

 状況は今や逆転した。北京や上海などの主要都市で価格が伸び悩む半面、全国的には売れ残り住宅の床面積が2014年以降で最も少なくなっている。調査会社ガベカル・ドラゴノミクスの上級アナリスト、ロゼアリア・ヤオ氏の推計によると、住宅在庫は15年序盤に販売の30カ月分でピークに達した後、その後は20カ月分という11年初め以来の低水準まで落ち込んだ。

 今懸念されているのは、全て住宅ローンの貸し付け増加に頼り切ってきたという点だ。15年半ばに17%だった消費者ローンの伸びは17年2月に36%と大きく拡大したが、再び鈍化しつつある。

 比較的規模の小さい都市での在庫縮小と好調な販売はこれまでのところ、不動産開発会社が建設をやめない動機になっている様子だ。昨年11月以降、不動産投資がおよそ10%前後のペースで安定的に拡大していることがこの見方を裏付けている。そのため鉄鋼・銅需要はもうしばらく続きそうだ。

 それでも消費者ローンの引き締めは北京や上海の住宅価格に冷や水を浴びせている。こうした弱さが内陸部にも広がり始めたり、在庫がまた増え始めたりすれば、鉱業株を売るべきタイミングになるだろう。

イチゴ品種 韓国に流出 損失5年で220億円 農水省試算

 イチゴ品種が韓国に流出したことで、日本の輸出機会が奪われ、5年間で最大220億円の損失があったとの試算を農水省がまとめた。品種流出の影響が少なくないことが改めて浮き彫りになった格好で、同省は、海外での品種登録の必要性を訴えている。

 農水省によると、韓国のイチゴ栽培面積の9割以上が日本の品種を基に開発した品種。栃木県の「とちおとめ」や農家が開発した「レッドパール」「章姫」などが無断持ち出しなどで韓国に流出し、韓国はそれらを交配させて「雪香(ソルヒャン)」「梅香(メヒャン)」「錦香(クムヒャン)」という品種を開発した。アジア各国への輸出も盛んで、日本を上回る。

 農水省は、日本の品種が流出していなければ韓国の品種も開発されず輸出もできないと想定。日本が輸出できるはずのものが韓国産に置き換わったとして損失額を試算した。韓国の輸出額から推計して、日本の損失額は5年間で最大220億円だったとした。昨年1年間の日本産イチゴの輸出額は11億円のため、5年間に換算するとこの約4倍に当たる。

 品種登録できていれば品種開発者が得られていたロイヤリティー(許諾料)は年間16億円だったと推計した。韓国には品種登録制度はあるが2012年までイチゴは保護対象になっておらず、流出前に日本側が品種登録できなかった。品種登録していれば、栽培の差し止めや農産物の廃棄を求めることができるが、登録していないため、こうした対抗策が取れない。

 国際ルールでは、植物新品種は販売開始後4年までしか品種登録を申請できず、速やかな出願が重要になっている。だが、育成者が申請料や手続きに負担を感じていることが課題になっている。

海湾局势风起云涌 地缘政治重新布局

  最近沙特阿拉伯、阿联酋、巴林、埃及、也门等国家分别宣布与卡塔尔断绝外交关系,指责卡塔尔支持恐怖主义活动并破坏地区安全局势,使同属于阿拉伯世界的这些海湾国家出现了罕见的巨大分裂。断交风波来势凶猛,沙特同时切断了与卡塔尔之间的全部陆海空联系,并敦促所有兄弟国家与公司采取同样行动。埃及也关闭了与卡塔尔的海空联系。阿联酋宣布限定卡塔尔外交人员在48小时内离境,并禁止卡塔尔公民进入阿联酋或在阿联酋境内旅行。巴林宣布召回巴驻卡塔尔外交人员,要求卡塔尔人员离境。
  有分析指出,这些海湾国家切断与卡塔尔的外交关系,名义上的理由是卡塔尔支持极端主义、恐怖主义。但从深层次看,卡塔尔对伊朗的同情才是根本原因。前不久,卡塔尔埃米尔称赞扬伊朗在地区起稳定性作用。此后不久,沙特媒体愤怒报道说,卡塔尔外交大臣在伊拉克同伊朗革命卫队精锐部队首脑举行了会谈;此外,卡塔尔据称还对伊朗总统鲁哈尼再度当选蝉联表示了祝贺。分析人士称,作为中东地区主要的什叶派穆斯林力量,伊朗可能通过此次断交事件获得一个难得的、破坏波斯湾对岸逊尼派对手之间关系的机会,通常来说伊朗的这些对手团结非常紧密。伊朗与这些国家在也门和叙利亚等一系列地区战场上也是对立关系。为缓解卡塔尔的民生压力,伊朗伸出援手。伊朗媒体报道,3艘装载350吨水果的货船6月11日从达耶尔港口启程,驶向卡塔尔。伊朗航空公司11日向卡塔尔发出第六架满载蔬菜的货运飞机。
  卡塔尔是海湾阿拉伯国家合作委员会(简称海合会)的成员,该组织其他成员国包括沙特、阿联酋、巴林、科威特和阿曼。海合会大多数成员国都反对伊朗在这一地区的政策和立场,包括支持黎巴嫩的什叶派民兵组织真主党,以及支持叙利亚总统阿萨德打击逊尼派反叛分子。卡塔尔过去虽然长期奉行与邻为善的外交政策,尽量维持与周边国家的良好关系,但在2010年末阿拉伯之春运动爆发后,民众走上街头,要求那些长期执掌政权数的领导人下台。卡塔尔曾表态支持示威民众的立场,并且利用它的半岛台等媒体积极影响事态发展。在这次运动中兴起的埃及穆斯林兄弟会等伊斯兰主义势力与卡塔尔向来有着不错的关系,卡塔尔通过支持这些伊斯兰主义势力,希望在这些剧变国家拥有更大的影响力。埃及前总统穆巴拉克下台后,穆兄会候选人穆尔西在当选埃及总统,卡塔尔随后向埃及提供了大量经济援助,两国关系进入蜜月。但2013年7月穆尔西被埃及军方解除职务。随后上台的新政府将卡塔尔看作威胁国家安全稳定的外部势力。沙特、阿联酋等海合会国家在剧变中的立场也与卡塔尔全然相反,双方之间产生了矛盾。 沙特阿拉伯、阿联酋和巴林三国曾于2014年3月5日发表联合声明,宣布召回各自驻卡塔尔的大使,以抗议卡塔尔干涉海合会成员国内部事务。
  俄罗斯卫星网援引华盛顿近东政策研究所高级研究员西蒙・亨德森的话说,卡塔尔所面临的外交孤立局势可能会触发新的世界大战。亨德森认为,逊尼派国家打算与伊朗开战。而卡塔尔局势可能只是他们所使用的一个借口。与此同时,从表面上看来,沙特阿拉伯与阿联酋的目标是卡塔尔,而不是伊朗,但实际上卡塔尔在与德黑兰之间的关系上早已经违背了波斯湾国家约定俗成的一致态度。亨德森认为,华盛顿方面能够在缓和目前一触即发的危险局势中发挥重要作用,在这一事件上,美国国务卿蒂勒森目前处于一个有利的地位,在成为美国国务卿之前,他曾领导过埃克森美孚公司,而该公司是卡塔尔能源产业领域的主要国外伙伴。亨德森表示,"华盛顿方面需要快速行动,并阻止目前的情势发展,未雨绸缪,防止战争的爆发。"
  也有分析指出,这场冲突刚好发生在美国总统特朗普访问沙特后不久。沙特成为特朗普就任美国总统后的第一个出访国家,并给予特朗普极为隆重的欢迎。在访问期间,美国保证向沙特出售1100亿美元的军火。特朗普6日发推特称,正是自己在沙特的演讲促成阿拉伯国家联合起来,令卡塔尔放弃对伊斯兰极端主义的支持。中国国际问题研究院副院长董漫远指出,卡塔尔断交风波中,美国发挥了关键作用。上海外国语大学中东研究所副所长孙德刚也认为,造成卡塔尔断交风波的最直接原因是特朗普的中东之行。法国地缘政治专家弗雷德里克・昂塞尔表示,这场断交风波"是阿拉伯世界巴尔干化的新阶段,是阿拉伯世界地缘政治崩塌的又一证明",而且"这个新阶段是严峻的,因为海湾合作委员会正在解体"。
  在海湾国家宣布与卡塔尔断交之后,国际市场上原油价格随即攀升。当天在亚洲交易时段,原油期货价格最高上涨1.6%,与此同时,英国布伦特原油和美国WTI原油双双重返每桶50美元以及48美元关口上方。英国布伦特原油期货涨幅逾1.5%,触及每桶50.74美元日高;美国WTI原油期货亦上涨1.5%,最高触及每桶48.42美元。分析人士称,就目前而言,这场外交风波不会立即对天然气消费大国的需求产生任何影响。但如果局势恶化,油价可能上涨,进而可能影响天然气价格。此外,尽管卡塔尔不是主要产油国,但外界担心,该国与沙特之间的政治分歧日益扩大或促使前者退出欧佩克当前的减产计划。如果卡塔尔退出上述减产协议,已然开始担心会失去市场份额的其他产油国可能会纷纷效仿。
  如果沙特和卡塔尔关系继续恶化,必然会对本已错综复杂、狼烟四起的中东局势带来负面影响,这是国际社会所不愿意看到的。此外,两国都是美国的重要盟友,而且美国在这两个国家都设有军事基地,因此美国也不大可能坐视沙特和卡塔尔彻底撕破脸皮甚至兵戎相见。所以这场外交危机目前已经出现缓和迹象。孤立卡塔尔的三个海湾邻国在美国恳请他们权衡封锁卡塔尔做法的人道主义影响后,在驱逐所有卡塔尔人的问题上立场有所软化。沙特阿拉伯、阿联酋和巴林周日在协调发布的声明中表示,他们将开通电话热线,称政府官员会考虑"人道主义案例",允许部分卡塔尔人继续留在境内。科威特表示,卡塔尔愿意倾听海湾地区阿拉伯国家的关切,试图化解这场数年来最严重的地区危机。参与调停斡旋的科威特外交大臣谢赫萨巴赫・哈立德6月11日发表声明说,卡塔尔表示愿意和与其断交的海湾国家举行对话。科威特表示,希望"在团结的海湾国家内部"解决这场争端。摩洛哥也表示将保持中立,且愿促成对话。摩洛哥是海湾国家的紧密盟友。
  卡塔尔的外交政策虽然几经调整,但有一点没有改变过,那就是和美国的盟友关系。卡塔尔不仅为美国提供军事基地,还是美军中央司令部的所在地。美国总统特朗普2017年5月21日在利雅得与卡塔尔现任埃米尔塔米姆举行了双边会晤。美国总统特朗普起初表示愿意在白宫举行会议,协助解决卡塔尔与这些国家之间的危机。但他后来又称卡塔尔是恐怖主义的高级别赞助方,支持海湾国家施加压力。一位匿名的外交官对路透社表示,这是美国在海湾地区失败的最大证据,称 "这让人觉得美国不知道该如何管理与其盟国的关系,或是没有这方面的能力。

2017年6月19日月曜日

不二越---急伸、中国では産業用ロボット需要が急増と伝わる

ロッキード、F35の11カ国への売り込みで近く合意へ=関係筋ロッキード、F35巨額商談が最終段階
不二越<6474>は急伸で上げ幅広げる展開。18年までに中国で新工場を稼働し、生産能力を現在の約3倍の月1000台に増やすと報じられている。中国では、製造現場の人手不足や自動化ニーズを背景にロボット需要が急増しているもよう。中国での産業用ロボット販売台数は、16-19年に平均で年率20%成長とも予測されているようだ。同市場での積極的な増産体制構築はストレートにメリットにつながるとの期待感が先行へ。

タカタ株、売り注文殺到で値がつかず…東証

 19日の東京株式市場で、民事再生法の適用を申請する方向で調整に入ったタカタの株式に売り注文が殺到している。

 午後1時現在、値幅制限の下限(ストップ安)となる404円で売り気配のまま値がついていない。前回取引のあった15日終値比では80円安。

 タカタ株は16日の取引時間中に情報開示がなく、売買が停止されていた。

 タカタが同日夜、「(経営再建計画を策定する第三者委で)私的整理に限定することなく、あらゆる選択肢が検討されていると了解している」とのコメントを発表したことを受け、19日から売買が再開された。

乱高下するビットコインの次にブレイクする暗号通貨は?

 あまりの急騰ぶりに、投機対象として注目が集まる暗号通貨。ビットコインやリップルといった有名銘柄を筆頭に、その数は数千にも上る。今後の有望株は何か、有効なトレード法はあるのか。3人の賢者に教えを請うた。

 ビットコインの高騰が止まらない。4月初旬には1ビットコインあたり12万円ほどだったのが、5月に入って急上昇。5月25日には34万円台の最高値を更新した。現在は乱高下して25万〜27万円台で推移しているが、価格は今後も上昇傾向にある。

 新たな決済手段として利便性が高まっていることも、高騰を後押しする要因だろう。例えば現在、ビックカメラでは一部店舗でビットコイン決済が試験導入されている。また、格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションではビットコインを用いた航空券の購入が可能になるなど、「リアルで使える」利用シーンが広がっているのだ。

『ヤバイお金 ビットコインから始まる真のIT革命』の著者であり、投資商品に精通するライターの高城泰氏は言う。

「ビットコインの決済ですが、店舗側はタブレットひとつで簡単にシステム導入ができ、客層の拡大が見込めます。また日本の税制ではビットコインで得たリターン(売却益)は雑所得として総合課税されるので、最大50%の税率がかかってしまう。そのため、含み益を抱えている人は、換金せずにビットコインのまま使いたいというニーズがある。今後、決済サービスはますます浸透していくでしょうね」

 4月に施行された改正資金決済法(通称、仮想通貨法)の影響も大きい。

「投資家保護の観点から取引所は登録制となり、監査も義務付けられる。顧客資産と自己資産を分ける分別管理も求められるようになります」

 そう語るのは、取引所比較サイト「ビットコインラボ」を運営する後藤田隼人氏だ。同法の施行によりビットコインをはじめとする暗号通貨が決済通貨として正式に認められ、中長期的な相場の盛り上がりも期待される。

◆買って放置で大幅利益!? アルトコインが急騰中

 高騰が起きているのは、ビットコインだけではない。リップルに早くから注目、10倍もの売却益を得た専業FXトレーダーのSarah氏がポテンシャルに気づいたのは、今から3年前のことだった。

「当時はビットコインに比べるとリップルは知名度もなく未知数でしたが、FXトレーダー間で注目が集まっていました。発行元のリップルラボにグーグルが出資していること、銀行の送金システムに採用される可能性があるなど独自の利点に惹かれましたね」

 Sarah氏の購入時は1XRPが0.4円ほど。しかし年末には約8倍になる急騰を見せた。

 その後も買い増しを続け、一時100万円ほどのリップルを保有していたが、停滞期に資金効率を考え、利確して半分以下に削減。別の投資に資金移動した。

「その半年後にいきなり1XRP5円まで急騰し、1か月もたたないうちに、40円にまでなった。『相場でタラレバは格好悪い』と他人には厳しく言いますが、もしあの100万円をそのまま保有し続けていれば、今ごろ4000万円になっていたのに……と胸を痛めています」

 最近では5月中旬、リップルラボ社がロックアップ(発行元が保有するリップルの売却制限)を発表したことをきっかけに価格は30%も高騰。リップルの価格変動は、いまだ止まらない。

◆アルトコインのトレードはアービトラージも有効

 ビットコイン以外の暗号通貨をアルトコイン(オルトコイン)と言い、その数は今や2000を超える。今後の注目株を記事最後に上げたが、トレード法はどうか。

「今、アルトコインは買えばどれも上がる相場です。まずは買って1週間放っておくのも有効です。また暗号通貨は取引所ごとに価格が違うので、安い取引所Aで買って、高い取引所Bで売るという、取引所間の価格差を利用するアービトラージの機会も多く生じています」(高城氏)

「暗号通貨は、何がいきなり爆発するかわからない。CryptoCurrency rankingなどメジャーなランキング上位の通貨をまんべんなく買っておくのも手かもしれません」(Sarah氏)

「バブル」ともいわれる現在の暗号通貨市場、今はまさに買いどきなのか?

「長期的には上がる傾向ですが、基本的に待ったほうがいい。これだけビットコインが普及した今、セキュリティの甘い日本では大規模なハッキング事件がいつ起こってもおかしくない。その際、起こる狼狽売りによってビットコイン価格が急落するタイミングこそ今後、最大の買い場と言えるでしょう」(高城氏)

 仮想通貨は一日に20%、30%も値下がりをし、ときにはヒゲをつけることもある。ボラティリティの高さは生半可ではない。

「為替感覚でやると痛い目に遭うかもしれません。逆に言うと、じっと耐えていれば買いを入れるチャンスは、いくらでもある」(Sarah氏)

◆危機管理の甘さが手痛いトラブルを生む

 有望な投資先がないなかで、熱い注目を浴びる暗号通貨市場。だが、懸念されるのは'14年に起きたマウントゴックス社の取引所停止のような取り付け騒ぎや、盗難・詐欺の可能性だ。

 仮想通貨を購入する際には通常、取引所に口座を開設し、ウォレット(財布)に入れて管理をするが、盗難被害も多く報告されている。

「特にパスワードの使い回しなど利用者側のセキュリティ意識の低さが原因です。ネットワークに接続せず、USBなどで接続する専用端末を用いる『ハードウォレット』と呼ばれるものは、特に高額の運用をする人にオススメですね」(高城氏)

 日々、拡大していく仮想通貨市場。安全性と利便性を確保しつつ、決済と投資の両面で引き続き注目したい。

◆今後注目のアルトコイン5選

・リップル

時価総額:約1兆2480億円

現在の価格:32円

Googleが出資。三菱東京UFJ銀行など世界の大手銀行が利用を検討したことで価格が急騰

・イーサリアム

時価総額:約2兆3800億円

現在の価格:2.8万円

ビットコインの機能を進化させた「ビットコイン2.0」系の代表格。時価総額では第2位

・NEM

時価総額:約2165億円

現在の価格:24円

日本人も開発に携わる。富の再分配を重視した独自の「ハーベスト」により新規コインを発行

・Lisk

時価総額:約160億円

現在の価格:148円

マイクロソフトがパートナーシップを締結。まだ時価総額順位は低いため暴騰への期待大

・ライトコイン

時価総額:約1556億円

現在の価格:3027円

アルトコインの老舗。ビットコインの課題である「セグウィット」を先行して実施した

2017年6月16日金曜日

強毒ヒアリ、刺されたらどうする? 専門家に聞く

 強い毒を持ち、人が刺されると死に至ることもあるという南米原産の「ヒアリ」が5月26日、国内で初めて兵庫県尼崎市内で発見された。ヒアリは米国や中国、オーストラリアなどへ侵入して定着し、死者も出ている。ヒアリとはどんなアリなのか。もし刺されたら、どう対処すればいいのか。環境省や専門家に取材した。

 −どんなアリ?

 「赤茶色の小型のアリで、腹部は黒っぽい赤色。体長は2・5〜6ミリと、ばらつきがある。攻撃性が強く、漢字では『火蟻』と記し、刺されるとやけどのような激しい痛みが起きるという。体質によっては急性アレルギー反応を起こすため、環境省などは『米国ではこれまでに多くの死者が出ている』と警戒している。人体にとって危険な生物として特定外来生物に指定されている」

 −国内で発見された経緯は?

 「尼崎市南部で5月26日、中国広州市の南沙港から貨物船で運ばれたコンテナ1個(長さ約12メートル)の中から発見された。環境省外来生物対策室によると『確認できただけで数百匹以上。卵や幼虫、さなぎもいた。コロニー(集団)をつくっていた』。家電製品が入っていたコンテナだった」

 「貨物船は同15日に南沙港を出港し、同20日、コンテナは神戸・ポートアイランドに陸揚げされ、同25日まで保管されていた。神戸から車両で尼崎市南部まで運び、同26日に積み荷を取り出す際に、アリのコロニーが見つかった。通関業者が近畿地方環境事務所に報告し、アリのサンプル検査をすることに。その後、神戸市東灘区に陸送し、6月1〜5日に業者がアリを死滅させた後、9日、ヒアリと確定した」

 −ヒアリがコンテナの外に広がった可能性は?

 「環境省は『ヒアリが見つかった貨物が日本に到着してから消毒までの間に、周辺地域に侵入してしまった可能性も否定できない』とする。このため、コンテナが一時的に置かれていた神戸市内2カ所と尼崎市南部の1カ所の周辺に、アリ専用の捕獲トラップを置く緊急対応を取っている。しかし、そもそも、過去に届いたコンテナにヒアリが付着していて気付いていない可能性や、今後、同じように付着してくるリスクもある、として広く注意を呼び掛けている」

 −もし刺されたら、どんな症状が出るのか?

 「ヒアリの毒への反応は人によって大きく異なり、軽度から重度まである=表。重度の場合、刺されて数分から数十分の間に声がかれ、息苦しさや激しい動悸、めまいなどを起こすことがあり、昏睡状態になって、生命の危険も伴う。ヒアリの毒には、ハチの毒との共通成分があり、ハチ毒アレルギーを持つ人は特に注意が必要だ」

 −ヒアリに刺されたら?

 「20〜30分程度、安静にし、体調の変化がないか注意する=表。人によっては容体が急変することがあり、その場合は病院ですぐに治療が必要だ。また、ヒアリを発見したときは、素手で触らないのが大事。熱湯をかけて駆除する方法もあるが、まずは近畿地方環境事務所野生生物課や保健所、警察へ連絡をしてほしい」

 同事務所TEL06・4792・0706

   ◇  ◇

 関西福祉大(赤穂市)の勝田吉彰教授(56)=渡航医学=の話 ヒアリは、ネズミや爬虫類などの小さな動物なら集団で食い殺してしまうほど攻撃的。人が毒針で刺されれば、スズメバチに刺されたような痛みが走り、ハチの毒などにアレルギーがある人は特に注意が必要だ。既に台湾での定着が確認されており、今後も入ってくる恐れは十分にある。アリ塚を作ってすみ着くまでに早期発見、早期駆除する必要があり、決して油断はできない。

2017年6月15日木曜日

前場の日経平均は4日続落、ドル高期待後退で2週ぶり安値

前場の東京株式市場で、日経平均株価は前営業日比86円06銭安の1万9797円46銭となり、4日続落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)でインフレ率予想が引き下げられ、米金利上昇とドル高/円安の期待が後退。日本株は売り先行後、プラスに転じる場面もあったが、前場中盤に再び軟化した。

一時120円を超す下げとなり、取引時間中としては6月1日以来、2週ぶりの安値を付けた。

TOPIXも続落。前日比0.4%安で午前の取引を終えた。業種別ではその他製品が値上がり率トップ。下落率トップはゴム製品で、保険、鉄鋼がこれに続いた。外需関連や金融セクターが弱含んだ一方、内需・ディフェンシブ関連は底堅く推移した。午前の東証1部売買代金は1兆2635億円に膨らんだ。

米連邦準備理事会(FRB)は14日まで開催したFOMCで追加利上げを決定。年内にバランスシートの縮小に着手する方針を明らかにした。同時に公表された経済見通しでは17年末時点のインフレ率予想が1.7%と、前回の1.9%から引き下げられた。

円高に振れた為替が日本株が重しとなる中、指数は先物主導で買われ一時プラスに転じた。日経平均は1万9900円台後半まで上昇したが「明確な理由がなく需給要因で上下している印象。FOMCへの見方が交錯し方向感を試す展開が続いている」(中堅証券)という。

岡三アセットマネジメント・シニアストラテジストの前野達志氏は「インフレ率予想が引き下げられたことでドル高が見込みにくくなった」と指摘。日本株は当面はもみ合いが続くとの見方を示したうえで、さらなる上昇には「強い米経済指標や、米共和党の議会主流派側から減税策を巡るポジティブな材料が出るのを待つしかない」と話す。

東証1部騰落数は、値上がり850銘柄に対し、値下がりが1020銘柄、変わらずが144銘柄だった。

米FOMC、利上げ決定 年内にバランスシート縮小開始へ

米連邦準備理事会(FRB)は14日まで開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)で、継続的な経済成長や労働市場の堅調さを踏まえ、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を1.0─1.25%に引き上げることを決定した。また年内にバランスシートの縮小に着手する方針を明らかにした。

FOMC声明は、経済は力強さを引き続き増す一方、雇用の伸びも引き続き底堅いとし、足元のインフレ軟化をFRBがおおむね一時的とみていることが示された。

年内はあと1度の利上げを見込み、足元で強弱まちまちとなっている経済指標は重視しない考えを示唆した。

また「委員会は現時点で、経済がおおむね想定通りに進展すれば、バランスシートの正常化プログラムを今年開始すると予想している」とし、償還資金の再投資縮小を通じた明確なバランスシート縮小計画を示した。

米国債については、月当たりの再投資見送り額を当初60億ドルに設定。その後、月額300億ドルに達するまで、1年をかけて3カ月おきに60億ドル増やす。

モーゲージ担保証券(MBS)については、再投資の見送り額を40億ドルから始め、月額200億ドルに達するまで1年をかけて四半期ごとに40億ドル増やす。

イエレンFRB議長はFOMC後の会見で、「比較的早期に」バランスシート縮小を開始する可能性があるとの考えを表明。「全般的なバランスシートの規模は近年の水準を著しく下回るが、金融危機以前の水準は上回ると予想している」とした。

同時に公表された経済見通しでは、2017年の成長率予想が2.2%と、3月時点から上方修正された。一方、17年末時点のインフレ率予想は1.7%と、前回の1.9%から引き下げられた。

朝方発表された5月の消費者物価指数(CPI)統計も予想外に下落するなど、最近のインフレ指標は軟調な内容となっている。だがイエレン議長は、改善が続く労働市場の力強さに支えられ、インフレ率が中期的に目標の2%に向かって上昇すると、FRBが依然確信しているとの立場を示した。

FRB当局者による金利見通しでは、中央値で年内あと1度の利上げが見込まれており、前回から変更はなかった。

失業率は年末までに4.3%に、18年は4.2%に下がると見込まれている。

長期の中立金利見通しは3.0%で変わらずだった。

今回の決定には、ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁が唯一、金利据え置きを主張し、反対票を投じた。

TD証券の金利ストラテジスト、ゲナディ・ゴールドバーグ氏は「バランスシート縮小計画の発表で、FRBは9月開始の可能性を残した」と指摘。その上で「利上げペース見通しを引き下げなかったことは、FRBがバランスシートと利上げを同時に実施できることを示唆している」と話した。

2017年6月9日金曜日

民泊新法が成立=届け出制、全国で解禁

 住宅の空き部屋を旅行者らに有料で貸す「民泊」のルールを定める住宅宿泊事業法(民泊新法)が、9日の参院本会議で与党と民進党などの賛成多数で可決、成立した。

 民泊を届け出制として全国で本格的に解禁し、増加する訪日客の宿泊先を確保する。政府は2018年1月の施行を目指す。

 民泊は米エアビーアンドビーなど民泊仲介サイトの登場で急速に普及。現行の旅館業法の枠組みでも営業できるが、許可取得の要件が厳しく、多くは無許可状態だとみられる。宿泊者のごみ出しや騒音をめぐり、近隣住民とトラブルになるケースも相次いでいた。

 新法は、民泊を営む家主に、都道府県や政令市などへの届け出や苦情への対応、民泊物件と分かる標識の掲示などを義務付ける。年間営業日数の上限は180泊とするが、生活環境の悪化防止が目的ならば、都道府県などが条例で区域を定めて営業日数を制限できる。 

世銀が指摘する「世界経済の4つのリスク」

 世界経済は過去7年で最も速いペースで成長している可能性がある。だが、世界銀行は依然として雲行きが怪しいと懸念しているようだ。

 世銀が4日発表した報告書「世界経済見通し」の執筆責任者、アイハン・コーゼ氏は「景気回復は進行している。だがそれは脆弱で、ダウンサイドリスクが引き続き優勢だ」と述べた。

 今回の世界経済見通しで指摘された潜在的な脅威は以下の通りだ。

<新興国の影響>

 中国、ブラジル、インド、インドネシア、メキシコ、ロシア、トルコの主要新興7カ国(E7)は、世界の経済成長にとって最も大きな原動力だ。先進7カ国(G7)は、国内総生産(GDP)だけをみるとE7を上回っているが、世界の経済成長への寄与度はE7の方が大きい。

 コーゼ氏は「以前は、G7の経済が健全である限りそれなりの成長率を達成できた。だが今は、E7が極めて大きな力を持っている」と指摘した。

 これは世界経済の構造における基本的な変化で、世界にとって恩恵にも打撃にもなり得る。

 明るい面では、G7(カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国、米国)が苦境にあっても、新興諸国が世界経済の成長に寄与することができる。世銀は来年の新興国と発展途上国の成長率を4.5%と予想している。昨年の成長率は3.5%だった。

 一方、これらの国々が大きな打撃を与える可能性もある。中国では借り入れの急増が大きなリスクとなっている。ブラジル、南アフリカ共和国、トルコは、政治と財政赤字の問題で苦しんでいる。

<政治的な不確実性>

 コーゼ氏は「市場は政治に関わるリスクを過小評価しているかもしれない」と言う。

 世銀は、政治的な不確実性はすでに高まっていると指摘。また、不確実性がさらに高まれば「市場の信頼感が低下して投資が減り、金融市場に不安感をもたらす恐れがある」との見方を示した。

 つまり、米国、中国、あるいは新興国の政策に変化が生じた場合、投資家は急きょポートフォリオの再検討を迫られ、株式、債券、為替相場が大きく変動する可能性がある。

<貿易戦争>

 貿易自由化は、犠牲者が出ないわけではないが、世界経済の成長を後押ししてきた。世銀は、貿易戦争は世界経済全体に損害を与えることになると警鐘を鳴らしている。

 世銀は、貿易自由化は過去数十年にわたり世界の成長率を約1ポイント押し上げたと推計している。「貿易の規制が拡大すれば、脆弱な貿易の回復を妨げ、これまでの自由化の取り組みの成果が損なわれかねない」とした。

 特にドナルド・トランプ米政権を名指しし、ホワイトハウスが報復的な行動の引き金を引き、米国と貿易相手国の双方に打撃を与える恐れがあると指摘した。

<債務比率の上昇>

 多くの発展途上国は、歴史的に低水準の金利を活用して新規投資を拡大してきた。だが予想を下回る経済成長率と資源価格の下落により、世界で債務問題を巡るリスクが相次いで浮上した。最も注目されているのは中国だが、問題はもっと広範に及んでいる。新興国の半分以上で政府債務残高の対GDP比が10ポイント上昇し、3分の1で財政収支の対GDP比が5ポイント余り悪化した。

 世銀は、今は世界の経済成長が比較的緩やかだとした上で、困難に直面する前に、予算、税制、債務管理の総点検をすべきだと指摘した。

止まらない中国の「不都合な投機」 起こるのはバブルの再膨張

中国に関するネガティブ情報はなかなか当たらない。現時点において、中国共産党の一党独裁体制は崩壊せず、中国経済はハードランディングしていない。不動産バブルも、理財商品バブルも、負債バブルも、破裂することなく現在に至っている。数十年に渡り、こうしたネガティブ情報は外れ続けているが、それには、決定的な理由がいくつかある。

それは、日本や欧米諸国型の自由主義、資本主義体制を基礎に経済、社会をウォッチしているからである。過去のバブル崩壊の類似点ばかりを探しているが、相違点や特殊性についてほとんど触れようとしない。結果が異なるのだから、それらについてもっと詳しく分析し、客観的な立場からなぜバブルが崩壊しないのかを研究することが重要であろう。

相違点や特殊性として、最も指摘しておきたいのは、中国社会全体が、政治的な指導層から末端の一般住民に至るまで、「自己の利益を最大化するために全力を尽くそうとする」人々で溢れている点である。

それが中国経済の高成長を支える最大の原動力である。しかし一方で、どんなに規制を強化しても、どこからともなく投機が沸き起こり、いろいろな局面でバブルを発生させる。そうした弱点も、あわせもっている。

■上場会社の株主、高級幹部による投機行為が発覚

中国証券監督管理委員会は5月27日、「上場会社における株主、董事、監査役、高級幹部の自社株売却に関する若干の規定」(規定)を発布、同日、上海、深セン証券取引所は具体的な実施細則を発表した。

これまで彼らへの規制がなかったわけではない。全く同じ内容の規定が存在している。それでも、彼らは規制の網を掻い潜り、当局にとって不都合な投機的取引を行った者が目立ったために、規制を再度強化したのである。

どういった行為が横行したのか? 以下に、その一例を示しておく。

深セン証券取引所の中小企業板に第一創業(002797)という小型の総合証券会社が上場している。4月28日の終値は16.04元(修正株価、以下同様)であったが、5月に入り急落、5月11日から3日連続でストップ安となり、4月に新しくできた規則によって売買停止となった。3日間の売買停止期間を経て19日には取引が再開されたが、下落は止まらず、5月23日場中では8.02元まで下げている。その後は少し戻しているが、6月6日終値は9.25元に留まっている。

ファンダメンタルズの面では、売られる材料は全くなかった。株式需給面に大きな変化があったために、急落したのである。

同社の上場は2016年5月11日である。上場前の株数は1970百万株で、公募で2189百万株を増資した。この内、1年間の売買禁止制限のかけられた株式が1970百万株あり、これらの株は36社の株主によって保有されたが、これらの大半は、投資ファンドであった。

公募価格は10.64元。上場後、1か月で株価は急騰、その後も高値圏で推移し、11月14日場中では45.56元(その後の権利落ち修正株価では28.40元)まで上昇した。PERは業界平均と比べ桁数が一桁違っており、投機的な取引が行われたのは明らかである。

■IPO株を担保に資金を調達、投機規模を拡大

流通株が少ないので株価を上昇させるのは簡単だ。売買制限のかかった株を持つ株主(非流通株主)は、手元の同社株を担保に資金を借り入れ、市場で同社株を買い上げた。株価が4倍以上になれば、IPO時に投じた資金の倍程度の資金を調達することができる。こうしてレバレッジを拡大し、さらに別の中小型株に集中投資することでその株の株価も釣り上げ、その含み益を利用して、再投資を続ける。目いっぱいに"利益の最大化"を目指したのである。

売買制限は1年である。非流通株主たちは一部を除き、今年に入り、場中で買った株を密かに処分し、担保も解消した。

2017年5月11日、売買禁止制限が解除された。非流通株主たちは一斉に売りに出た。しかし、規制があって、そのまま市場で自由に売ることはできない。どうするかといえば、まず、証券会社などとブロック取引を行い、証券会社が日中取引を含め制限なく売り浴びせる。非流通株主たちの簿価は安いので損はない。

しかし、彼らは単に利益確定売りを出しているのではない。一斉に売りを浴びせ、自分たちが全部売り切るまで株価を異常に安い水準まで下げた後、売ってできた潤沢な資金で買いに出るつもりであろう。

今回の規定の主な趣旨は次の4点である。

(1)証券会社などとのブロック取引を通じて法の目を潜る"過橋減持"を取り締まる

(2)持ち株比率が5%に満たない株主に対しても、売買解禁後の取引に制限を加える

(3)ディスクロージャー制度を見直し、一部の大株主、取締役、監査役、高級幹部が内部情報をもとに有利な取引をしないよう徹底的に取り締まる

(4)役職を辞任することで規制を回避し、売却を行う"悪意の売り"について取り締まる

■「不都合な投機」の発生は防げず あり得るのはバブルの膨張

第一創業の件は氷山の一角に過ぎない。今回の規定は、4月以降の急落で問題点を当局が洗い出した結果、明確になった不都合な行為への対応策である。彼らは法を犯したわけではないので、罪には問われない。

今回の件で中国の証券市場は多少公平になるかもしれない。しかし、株式市場から不都合な投機を排除するのは困難である。これまでがそうだったように、今後も、しばらくすればまた不都合な投機が別の角度から発生するだろう。

株式市場に限らず、投機のチャンスは不動産市場にも、金融市場にも広く存在する。中国は様々な市場で欧米市場の尺度から見るとバブル状態(投機が横行する状態)の市場が散見される。しかし、当局は十数年かけてそうした状態を一つ一つ潰そうとしてきたが、モグラたたきのような状況で、全体としてみれば、潰れるどころか膨らんでしまっている。中国経済のハードランディングはありえない。あり得るのはバブルの再膨張だけであり、それを防げるのは共産党だけである。

2017年6月8日木曜日

三菱東京UFJ銀に何が起きた!

 メガバンク最大手の三菱東京UFJ銀行に異変が起きている。「3代先まで決まっている」といわれ、旧三菱銀行の"プリンス"が4年間務めるのが常のトップ人事で、小山田隆頭取(61)が就任からわずか1年余りで交代することが発表された。体調不良が理由だが、異例の人事だけに金融業界では「人事の前に発表された三菱UFJ銀行への行名変更をめぐる調整で疲弊した」といったものから、はたまた「次期日銀総裁への布石ではないか」といったものまで、さまざまな憶測が飛び交っている。

 小山田氏は6月14日付で退任し、後任に三毛兼承(みけ・かねつぐ)副頭取(60)が就く。2人とも旧三菱銀の出身。小山田氏は6月28日付で特別顧問に就任する予定だ。持ち株会社の三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)の平野信行社長兼最高経営責任者(CEO)は5月24日の発表会見で「(小山田氏から)体調が思わしくなく、職責を果たせないと申し出があった」と説明した。ただ、病状や病名については、「個人のプライバシー」を理由に明らかにせず、小山田氏も入院療養中として、会見に出席しなかった。平野氏も旧三菱銀の出身だ。

 ライバル行をはじめ、証券会社や保険会社といった金融機関も国内の金融業界で大きな存在感を示すメガ最大手の唐突なトップ交代劇だけに情報収集にあたっているが、三菱UFJ側の情報統制は厳しく、真相ははっきりしないというのが現状だ。こうした中で、交代理由として業界でささやかれているのが、行名変更による疲弊や次期日銀総裁説のほか、「かつて小山田氏が関わった海外融資に問題点が露呈した」「(日本国債の入札に参加する特別資格)プライマリー・ディーラーの返上で国との関係がぎくしゃくしていた」「平野氏と小山田氏がうまくいっていない」といったものだ。

 このうち、日銀総裁になるために辞めるというのであれば、対外的に体調不良といえるはずがなく、根拠に乏しい。「激務の日銀総裁の職を体調が悪い人物が務まるわけがない」と反対されるのは確実で、黒田東彦総裁の続投ですら72歳という年齢が体調面でネックといわれている。また、融資に問題があったとすれば、「小山田氏が特別顧問には就任しないはずだ」(関係者)とみられている。

 一方、行名変更による疲弊という見方については一定の根拠があるようだ。三菱東京UFJ銀は5月15日に、行名から「東京」を外し来年4月に「三菱UFJ銀行」に変えると発表した。バブル崩壊後の激しい銀行再編の名残をとどめる銀行名に対し、顧客から「長すぎる」との指摘が出ていたためだ。三菱東京UFJ銀は平成18年に、旧東京三菱銀行と旧UFJ銀行が合併して生まれた。旧東京三菱銀は、かつて国内唯一の外国為替専門銀行として高い知名度があった旧東京銀行と、旧三菱銀行の合併行だった。

 行名変更は2年ほど前から検討が始まり、「きらら銀行」「あかね銀行」といった名称が候補に上る中で、いったんは「MUFG銀行」にすることが決まっていたという。これに対して強硬に反対したのが旧三菱銀の有力OBだ。旧UFJ銀、旧東京銀出身者の反発は少なかったが、旧三菱銀OBは戦前の財閥を源流とする名門「三菱」の看板を外すことへの抵抗感が強く、小山田氏は最後まで調整に追われたと指摘される。

 頭取経験者らを中心とする「相談役」「顧問」など旧三菱銀の有力OBはトップ人事など経営への影響力が大きく、金融庁も経営陣による意思決定の阻害要因として問題視しているという。小山田氏が金融庁とOBとの板挟みになっていた可能性は十分ある。当局との関係では、プライマリー・ディーラーの返上に伴う財務省との軋轢(あつれき)が小山田氏の心理的な重圧となっていたとの見方も強い。

 プライマリー・ディーラーは一定の応札義務や落札義務を負う代わりに、有利な価格で購入できるなどの特典を受けられる資格で、国債の安定消化のために財務省が16年に導入した。メガバンクや証券会社が名を連ねていたが、三菱東京UFJ銀は日銀のマイナス金利政策の影響で国債利回りが歴史的低水準に陥る中、保有を続ければ損失が出かねないと判断し、昨年7月にこれを返上した。財務省は自由な経営判断として尊重する構えをみせつつも、不快感を示す声が強かった。

 小山田氏の退任理由をめぐっては、平野氏との確執も指摘される。平野氏は三菱UFJ信託銀行の法人融資業務を三菱東京UFJ銀へ30年4月に移管することなど、グループ改革で強力なリーダーシップを発揮しており、平野氏の急進的な改革路線への対応に小山田氏が苦慮していたとの声も聞かれる。今回のトップ交代劇はメガ最大手の行名変更にとどまらない転機を象徴しているかもしれない。

2017年6月7日水曜日

金沢市で「溶けないアイス」や「熱いアイス」が開発される

一世帯当たりのアイス・シャーベットの支出額が都道府県・政令指定都市トップだという金沢市で、「溶けないアイス」や「やけどしそうなほど熱いソフトクリーム」が登場しているそうだ。

「溶けないアイス」は金沢大の太田教授が開発したもので、イチゴから抽出したポリフェノールによってアイスの水分と油分の結びつきを強めて形を保つという。これにより気温40度の部屋に3時間置いても溶けず、ドライヤーの熱風を当てても崩れない。

一方、金沢市の食品加工開発会社「日本海藻食品研究所」は少なくとも80度まで温度を上げられる「ホットクリーム」を開発した。こちらは米粉の粘りを利用して熱くても形を保つ。

「溶けないアイスっぽいもの」というとカプリコくらいしか思いつかないけど、現物を食べたら脳が混乱しそうだ。

国民に一定の金銭を支給する制度を導入してから6年が経過したイラン、その影響は

すべての対象者に無条件で一定の金銭を支給する「ベーシックインカム」は、現在複数の国で実験的な導入が行われている。将来ロボットや人工知能技術の発達により、人間による労働が奪われる可能性があることもベーシックインカムが注目されている理由の一つだが、ベーシックインカムを導入すると働く意欲を持たない人が増える可能性があることが問題とされている。これに対し、ベーシックインカムに似た精度を導入したイランで人々の労働意欲がどう変化したかを調査した論文が発表された(GIGAZINEtheoutline.com)。

イランでは2010年、石油やガスの補助金を削減する代わりに、国民に定期的に一定の金銭を支給するという制度が可決、2011年より施行された。その結果、「現金補助制度がイランの労働需要に影響を与えたことを示す証拠はほとんどすべての世代で発見されず、かえってサービス業界のような職種では従業員の労働時間が増加し、事業拡大につながった」という結果が得られたという。

しかし、この現金支給制度は経済に負の影響を与えたという話もある。支給される金額は2011年の開始時から変わっていないが、インフレが進んでいるため支給される金額の実質的な価値は半分以下になっているという。また、施行以来イランの各世帯の経済力は25%低下、全世帯の31%が「貧困ライン以下」になっているという調査結果もあるという(東京外国語大学によるIran紙の翻訳記事)。

 

<地方銀>アパート融資の貸出残高最大 相続税対策に対応

 個人が建設する賃貸住宅への地方銀行の融資残高が、2017年3月末時点で前年比7.2%増の13.8兆円に膨らみ、日銀による09年の統計開始以降で最大となった。地方経済の縮小や超低金利で企業向け融資の収益が低迷する中、相続税対策のアパート建設などへの貸し出しを急増させているためだ。過剰融資が貸家の「建設バブル」を助長する懸念も出ている。

 日銀によると、アパートやマンションなど貸家業を営む個人への全国の地銀105行の融資残高は、10年3月末の約8.8兆円から7年間で約5兆円増加した。これに対し、大手行のこの間の融資残高は約2.4兆円減少し、総額8.6兆円と地銀より少なく、地銀の積極姿勢が際立っている。

 背景には、地方経済の衰退に歯止めがかからず、優良企業への貸し出しが難しくなっていることがある。企業向け融資は、金利の値引き競争の激化と日銀のマイナス金利導入で、預金と貸出金利の差である利ざやが一段と縮小。株式上場する地銀82社の17年3月期決算では全体の約8割が最終(当期)減益に陥った。このため、相対的に利回りの高い個人向け融資に注力しているのが実情で、貸家業向け融資の伸び率は、貸し出し全体(3.3%)を大きく上回っている。

 一方の借り手側にとっては、15年1月に相続税が増税されたことが大きな契機となった。所有する土地にアパートなどを建てると、更地のままで所有するより評価額が下がり、納税額が減る「節税効果」が見込める。さらに日銀の大規模金融緩和で、建設資金を低利で調達しやすくなっていることも追い風となっている。国土交通省によると、16年度の貸家の建設着工戸数は前年度比11.4%増の42万7275戸と2年連続で増加し、08年度以来の高水準となった。

 地方のアパート・マンション向けローンについては業界内でも「人口減少が続く中、どんどん貸家を増やして良いのか」(メガバンク幹部)との議論があり、日銀金融機構局は「家賃収入の見通しを十分審査しないまま融資を増やしている地銀もある。リスク管理の徹底が必要だ」と警鐘を鳴らす。

中国の銀行、金融引き締めで資金調達難に直面も

 中国政府が金融引き締めに動いていることで、同国の銀行は近く資金調達が難しくなるかもしれない。

 中国経済と融資の力強い伸びを長年にわたり支えてきた家計の預金が減少している。先月は銀行システムから約1兆2000億元(約19兆4000億円)が流出した。また、企業の預金の伸びも失速しており、預金全体の伸びが鈍化している。

 こうした預金流出が中国の銀行にダブルパンチを与えている。安定した資金源を失いつつあるだけでなく、金融引き締めに伴う資金調達コストの増大に見舞われている。

 流出した預金の大部分は、預金より金利が高く、急増している投資ファンドに投じられている。中国の電子商取引最大手、阿里巴巴集団(アリババグループ)傘下のマ蟻金融服務集団(アント・フィナンシャル・サービシズ・グループ)が運用するオンライン・マネー・マーケット・ファンド(MMF)「余額宝」は、世界最大規模のMMFとなっている。運用資産額は1650億ドルに上り、7日間の年換算利回りは4%を超える。

 皮肉なことに、余額宝などの投資ファンドは銀行が販売する金融商品への投資で、このような高利回りを実現している。中国政府が2015年に預金金利を自由化した時、銀行はいわゆる譲渡性預金などの投資商品を大量に組成し始めた。これらの短期金融商品の販売額は4月に1800億ドルに達し、前年同月比で60%増加した。最高4〜5%という比較的高い利回りが、余額宝のようなMMFを引き付けている。

 しかしその結果、金利が基準金利と同じわずか1.5%の安定的な預金が投資商品に移り、銀行は最高5%の利払いを余儀なくされることになった。しかもこの資金源でさえ枯渇する恐れがある。余額宝は先月、新規投資額に上限を設けた。同ファンドの規模が急拡大していることに不安を感じた規制当局の圧力があったとみられる。

 流動性の制約に拍車をかけているのは、銀行システムへの政府預金の減速だ。それでも、銀行は企業・家計向けの融資を増やそうとしている。同システムの預貸率は80%に近づいており、この10年余りで最も高くなっている。

 さまざまな資金調達手段の大半でコストが上昇しているため、投資家は銀行が次にどこへ向かうか考えておいた方がいい。

不動産ブームに陰り、銀座の価格上昇「もう限界」−緩和マネー変調も

日本銀行の超金融緩和策で余剰資金が流入し、活況を呈してきた不動産市場に陰りが見えている。投資用不動産の取引やマンション販売は頭打ち。金融当局が不動産への過剰融資を警戒する姿勢を示し始め、銀行が融資に慎重になるとの見方も浮上している。大都市圏の不動産ブームは終わりに近づきつつある。

  訪日観光客の急増や2020年東京五輪を控えて、高級専門店やホテルの出店が相次ぐ銀座。4丁目の地価は今年、バブル期を3割超え過去最高となった。ただ、当地で創業100年の不動産会社、小寺商店の児玉裕社長は「もういいところ限界だなというところには来ている」と話す。不動産業界では「五輪まではもたない」との見立てだとし、「19年には潮目が変わり、緩やかに下降曲線になるだろう」と予想する。

  児玉社長は、その背景について「採算が取れないくらいの価格になっている」ことがあり、価格の上昇ペースは既に鈍化しつつあるという。森トラスト総合リート投資法人は約2年間、新規の不動産投資をしていない。運用する森トラストアセット・マネジメントの堀野郷社長は、「賃料伸び悩みなどファンダメンタルズの向上が望みにくい」として、「今から注意していた方が崖が低くなって良い」と話す。

  安倍晋三政権の下で、日銀が13年に導入した異次元緩和政策は国内外から資金を呼び込み、不動産価格を押し上げたものの、賃料収入の伸びは緩やかにとどまり、投資収益率は低下している。米総合不動産サービスJLLの調査によると1−3月の東京のオフィスビル投資利回りは2.9%と07年10−12月以来最低。ニューヨークの3.6%やシンガポールとロンドンの3.5%などをも下回る。16年の日本の商業用不動産投資額は3兆6700億円と2年連続で減少した。

  教職員共済生活協同組合の資産運用部長の樋口徹氏は、現状を「デフレの中での局地的バブル」とみる。日銀の金融緩和や財政出動を通じても十分な需要創出を実現できていない中、「不動産価格の上昇という副作用が生まれた。この値上がりは長続きはしないだろう」と述べた。

大量供給

  デフレから脱却したとは言えない中で、都心のオフィスビルは今後、大量供給時代を迎える。安倍政権が本格始動した13年以降、地価や景気の回復を期待してデベロッパーが大規模な投資計画に動いたためで、来年以降、次々とビルが竣工する予定だ。

  オフィス仲介や調査を行う三幸エステートの調べによると、18−20年に予定される都心3区(千代田、中央、港)に大規模ビル(1フロア200坪以上)のオフィス用貸し付け面積は約54万坪に拡大し、15ー17年の約37万坪を上回る見通し。

  三幸エステートの今関豊和チーフアナリストは、既存ビルに対して新規供給の割合が高く、ビル自体も大型化すると指摘。特に18年後半には新築ビルへのテナントの移動で、既存ビルは「二次空室が増加して空室率が上昇、賃料が低下に転じる可能性がある」との見方を示す。一方、しんきんアセットマネジメントの藤原直樹運用部長は、今後の新規オフィスの需要はあるとみており、「18年は問題ない」と語る。

融資変調の兆し

  不動産市場の活況は、異次元緩和に支えられてきた。産業界への融資が伸び悩む中、不動産向け融資は昨年、過去最高の約12兆円を記録。こうした事態に対し、金融庁は昨年9月のリポートで、「今後の動向は注視が必要」と警戒を示した。日銀も金融システムリポートで、相続税対策のアパート向けローンに積極的な地域金融機関について、融資規模が「経済実勢で説明できる水準からかい離している」と懸念をにじませる。

  五味廣文・元金融庁長官(現ボストンコンサルティンググループのシニア・アドバイザー)は取材に対し、現状について「実体経済を離れてリスクが膨張しているのとは違う」としながらも、超低金利や貸し出し難の中で金融機関が「無茶なことをしてしまうことが起こりやすい環境だ」と指摘。「警鐘を発する必要がある」と述べた。

  1−3月の国内銀行の「個人による貸し家業」向けの新規貸し出しは前年同期比0.2%減の1兆508億円と、14年10−12月以来初めて減少に転じた。アパートは不動産全体の1分野に過ぎないが、三菱商事UBSリアルティの辻徹社長は「金融が弱含むきっかけが出てきた」と話す。当局の意向を反映して融資が抑制される可能性も出てきた。

住宅

  16年の新設住宅着工は約97万戸。中でも賃貸アパートなど貸家は約42万戸と8年ぶり高水準となり、全体をけん引した。しかし、少子高齢化にもかかわらず増え続ける賃貸アパートには需給ギャップが発生。大家は当初、予定されていた家賃収入が得られず、建設を斡旋したサブリース業者との間で、トラブルも表面化している。

  好調だった首都圏マンション発売も息切れしている。消費増税の影響で落ち込んだ14年以降も回復せず、16年まで3年連続で前年割れ。東京カンテイの最新調査では、新築マンション価格と消費者の年収を比較した年収倍率(15年)は全国平均7.66倍と、92年当時を上回った。首都圏は10.99倍。

日銀

  日銀は、金融システムリポートで「金融機関が収益維持の観点から過度なリスクテイクに向かい、資産価格などへの影響が行き過ぎる過熱方向のリスク」を指摘。異次元緩和でアクセルを踏みながら、不動産向け融資の過熱化にも警戒さざるを得ない状況にある。

  そこには、金融政策の限界も垣間見える。第一生命経済研究所首席エコノミストの熊野英生氏は、異次元緩和が「資産価格を押し上げても実体経済は追い付かなかった」として、黒田東彦総裁の戦略をこう表現する。「マネー増加=景気浮揚というのは神話にすぎなかった」。

1万人の脳画像でわかった 40歳からの脳の鍛え方

何もしないと脳の老化は50代に加速する。

マンネリ脳、省エネ脳にならないためにはどうすればいいのか。

 私はMRI(磁気共鳴画像法)を通じて、胎児から100歳を超えるお年寄りまで、1万人以上の脳を診(み)てきました。

 その経験から見えてきたのは、「脳の使い方を脳画像から読み取れば、その人の生き方がわかる」ということです。

 たとえば、意思決定を常に行わなければならない経営者の脳を見ると、意思決定をする脳の部位が発達していることがわかります。

© 文春オンライン 写真1 MRIによる脳の断面図(加藤俊徳『ゆがみをなおせば、毎日のワクワクを取り戻せる! 脳コンディショニング』〔かんき出版〕より)

 写真1MRI画像を見てください。これは脳の断面図で、黒く太い木の枝のように見えるのが、発達した神経細胞から伸びる神経線維の集まりで「白質(」はくしつ)と呼ばれます。この神経細胞同士を結び付ける「枝ぶり」こそ脳の個性です。

脳は死ぬまで成長する

 もう一つわかったことは、「脳は死ぬまで成長する」ということです。かつて脳科学は「脳は3歳で決まる」といっていました。しかし、それは間違いでした。確かに1歳頃から脳の神経細胞は減っていきますが、いくつになっても脳には使われていない未発達な神経細胞が山ほど眠っています。使い方次第で、脳は一生、変化し、成長します。

 たとえば、80歳でドラムを始めた男性の社長さんがいらっしゃいます。写真2の右の枝ぶり画像は、80歳のときの脳ですが、ドラムを始めて1年後の左の脳画像と比べてみてください。薄く表出されていた手足の動きを担う部位が、黒くなり生き生きと成長しています。これは小学生の脳の一年の成長に匹敵します。

© 文春オンライン 写真2 80歳男性の脳(右)とドラムを始めて1年後の脳(左)(加藤俊徳監修『老けない脳をつくる生活習慣』〔宝島社〕より)

 でも、使わないと脳は衰えます。特に50代からは脳の老化力がアップするので、何もしないと急速に老化していきます。ですから、40代になったら、現在の脳の状態を知り、自覚的に脳を鍛えてほしいのです。それが50代以降の脳の老化を防ぎ、脳の持続的成長を促します。40代が運命の分かれ道なのです。

 では、どのように脳を鍛えればいいのか。最も重要なことは、使っていない脳の部位を使うことです。

© 文春オンライン 1 8つの脳番地の位置

 私は機能別に脳を「思考系」「運動系」「視覚系」「感情系」「理解系」「聴覚系」「伝達系」「記憶系」の8つに分け、それぞれを「○○系脳番地」と呼んでいます(それぞれが脳のどの部分にあたるのかは、図1を見てください)。

 あなたがいつも使っている脳番地は、これからも使われる可能性が高い。しかし、脳は同じ使い方を続けると、楽をしようとして、省エネを覚えます。1時間かかったことが、30分でできるようになります。若いころは、これは「進歩」でしたが、50代に入ると、この脳の省エネ化は「退化」を招きます。

 一方、使っていない脳番地は、あなたがこれまでの人生で、あまり使ってこなかった脳番地ですから、50代からは急速に老化していくでしょう。だからこそ、先ほども述べたように40代のうちから、自分が使っていない脳番地を鍛える習慣を身につけることが大切なのです。

 しかし、40代の特に男性は、脳を鍛えるどころか、脳の使い方がマンネリ化し、著しい省エネ脳になりがちです。

 40代の女性は、仕事をしながら、家事や育児をし、地域社会でも様々な関係を築いていきます。だから、様々な脳番地が開発されて、マンネリ脳になりにくい。

 その間、男性は何をしているかといえば、机に座って、パソコンに向かっているだけ。給料が上がり、地位が上がると、現場を離れて、現状に満足してしまい、脳が衰える。この悪循環にはまってはいけません。

 さて、40代で使っていない脳番地を使いはじめるとどうなるか。その脳番地は急速に成長します。つまり、これまで使っていない脳番地は、あなたの脳の「伸び代」なのです。

 では、使っていない脳番地を使うにはどうすればいいのか。その答えはあなたにとって、できるだけ「新しい」ことをすることです。それは、これまで使っていた脳番地の省エネ化を防止するのにも役立ちます。

 使っていない脳番地に「新しい」刺激を与える。それが脳を鍛える最良の方法です。

 それでは、脳番地ごとに、どんな人がその番地を使っていないのか、使っていないとどんな症状が出るのか、そして、その番地に「新しい」刺激を与えるにはどうすればいいのか、を順番に説明していきましょう。

理解系は右脳を使おう

 まず、最初は「理解系脳番地」です。この脳番地は私たちが目で見たり、耳で聴いたりした情報を統合し、理解する役割を果たしています。

© 文春オンライン 写真3 現代人の典型的な脳(加藤俊徳『日本人が最強の脳を持っている』〔幻冬舎〕より)

「理解系脳番地」は脳の後ろの方に位置しているのですが、写真3を見てください。右の後ろ部分の枝ぶりがほとんどありません。これは現代人によく見られる脳です。「理解系脳番地」は右脳、左脳両方にまたがっているのですが、右脳で「非言語情報」、左脳で「言語情報」を扱っています。ですから、写真3が物語るのは、現代人は「言語情報」ばかり処理していて、「非言語情報」をほとんど扱っていない、ということです。

 具体的にいえば、新聞、雑誌、スマホなどで大量の文字情報に触れているけれども、生の現実を見ていない。かつては風が吹いてきて、暗くなってきたら、右脳の「理解系脳番地」が「非言語情報」を統合して、「雨が近いぞ」と気づけましたが、現代人は天気予報を見ていなかったら、雨が降ることに気づけない。

 このような脳の使い方をしていると現実感が希薄になります。また、人の表情を読んだり、場の空気を感じるのが、下手になります。どれも言葉では表されないからです。空間認識能力も下がるので、街で人とぶつかったり、つまずいたりすることが多くなります。整理整頓ができなくなるのも、典型的な症状です。

 ですから、ここでは特に右脳の「理解系脳番地」を鍛える方法を紹介しておきましょう。

 まず、部屋の整理整頓と模様替えです。空間に対する理解力を高めるためです。電車内の見知らぬ人の表情から、その人の気持ちや背景を想像するのもいいでしょう。とにかく文字情報から離れる時間を作って、自然を眺めることです。

料理、楽器でも運動系は伸びる

 次は「運動系脳番地」です。文字通り、体を動かすときに使う脳番地です。ほとんどの現代人はデスクワークが多く、運動不足ですから、この脳番地もあまり使われていません。

 食事中に食べ物をこぼす、外出先ですぐに腰を下ろしたくなる、服を脱いだら脱ぎっぱなし、といった症状が出たら、要注意です。

「運動系脳番地」を鍛えるには、スポーツももちろんいいのですが、手軽なのは、歩くことです。40代なら、11万歩は歩きましょう。

 料理やカラオケ、楽器演奏、日記や絵をかくこともいい方法です。手や口を使うと、この脳番地がよくはたらくからです。歌いながら料理をする、など2つのことを組み合せて、同時にするとより効果的です。

 楽器演奏は「運動系」「視覚系」「聴覚系」と複数の脳番地を同時に使い、脳番地同士の連携が深まるので、特におすすめです。

 このように「運動系脳番地」は、他の脳番地と連携して使われることが多いので、あらゆる脳番地を統合的に成長させたいときには、まず「運動系脳番地」を鍛えてください。

視覚系には自然からの刺激を

 3番目は「視覚系脳番地」です。目から入った視覚情報を処理する脳番地です。ほとんどが後頭部にあり、右脳部分が「非言語情報」を、左脳部分が「言語情報」を処理しています。「理解系脳番地」と同様、現代人の「視覚系脳番地」は左脳部分ばかりが使われる傾向があります。

 この脳番地が衰えると、本を読むのが億劫になった、車窓から風景を見ていると疲れる、雑踏で人とよくぶつかる、といった症状が出てきます。また、「視覚系脳番地」で「非言語情報」を処理する右脳部分が衰えることは、周囲の状況の変化が察知できない、ということですから、感情の起伏が乏しくなり、生活が無味乾燥になったり、危機的状況を感じられなくなります。

 ですから、「視覚系脳番地」を鍛えるために、都市で生活していても、ぜひ朝日や夕日、月の満ち欠け、星の位置、天候、風景など、自然の変化を意識的に見てください。

 旅行に出て、新しい風景に出合うのも効果的です。特定の文字や数字など、何かテーマを決めて、車窓からの風景を見るのもいいでしょう。

 また、美術館で芸術作品を見ることも、「非言語情報」を扱う視覚系の右脳部分を刺激します。

聴覚系はラジオを聴こう

 4番目は「聴覚系脳番地」です。耳から入った聴覚情報を処理する脳番地です。

 技術者や職人など、人と会話しなくとも一人で仕事が進められる人は、この脳番地が弱くなりがちです。

 聞き間違いが増えた、話をよく訊き返す、気がつくと一方的に話をしている、人が話しているときに自分の話をかぶせる、といった症状が出てきたら、この脳番地が衰えている可能性があります。

「聴覚系脳番地」を鍛えるには、とにかく意識的に注意深く耳を使うことです。ラジオを聴きながら寝る。会議の速記録を作成する。自然の音に耳を澄ませる。といった方法が有効です。ラジオを聴きながら、書き取る。本を音読しながら、手書きで写す。いずれも「運動系脳番地」や「視覚系脳番地」との連携が強化されるので、おすすめです。

新しい回路が思考系を変える

 5番目は「思考系脳番地」です。この脳番地は前頭葉にあり、思考、意欲、創造、計画といった高度な機能を担っています。また、五感を司る脳番地とも密接な関係を持ち、感情や欲望のコントロールもここで行っています。まさに「脳の司令塔」といえます。

 自発的に何かを計画し、実行に移し、様々な判断や決断を下しながら、新たな何かを創造していく。そのような機会が少ない人は、この脳番地をあまり使っていない可能性があります。決められたルーチンワークを黙々とこなしている人や指示待ち族で仕事の計画を自分で立て、自分の判断で進めることが少ない人は、要注意です。

 この脳番地が衰えると、判断力が低下します。買い物に行くと優柔不断で決めるのに時間がかかったり、2つのことが同時にこなせなかったりします。

 また、集中力が衰えるので、計画を立てたり、新しいことに挑戦する意欲が減退します。何をするにも「面倒くさい」と思いはじめたら、危険信号です。

「思考系脳番地」を鍛えるには、脳に負荷をかける方法が有効です。たとえば、じゃんけんなどのゲームにわざと負けるようにする。「絶対ノー残業デー」を作る。休日の行動計画を他人に決めてもらう。自分の好きな定番メニューを10日間やめてみる、などです。

 これらの方法の共通点は、自分の従来の思考や行動に何らかの「拘束」や「枠組」を課すことで、新しい思考や行動を促すことです。

 わざとゲームに負けるという「枠組」を与えるだけで、新しい思考回路を使わなければならなくなります。「絶対ノー残業デー」も仕事の効率を上げるためにいつもと異なる工夫を要求します。他人が決めた「休日の行動計画」は、予想外の場所や行動へとあなたを誘ってくれるでしょう。定番メニューを断てば、今まで頼まなかったメニューとの出合いが待っています。

 とにかく「新しい」ことに挑戦することが、「思考系脳番地」を目覚めさせます。だから、40代の特に男性には、料理や新しい趣味にチャレンジしてほしい。それが新しい思考回路を生み出し、「思考系脳番地」をその最も重要な仕事である、新しい意欲と創造へと向かわせます。

感情系を満たす「ご褒美デー」

 6番目は「感情系脳番地」です。喜怒哀楽を担い、「思考系脳番地」と密接に関係しています。

「感情系脳番地」は歳を重ねても衰えにくいのが特徴なのですが、人と会わないでいい仕事、IT系エンジニアなど、パソコンと一日中向き合っているような仕事の人は、この脳番地が衰えている可能性が高い。

 最近、ドキドキ、ワクワクすることがないな、人が話すことに共感しないな、と思ったら、要注意です。

「感情系脳番地」を鍛えたかったら、とにかく人に会うことです。人と会って、コミュニケーションを取り、感情を共有する機会を増やしましょう。平坦になってしまった感情に起伏を与えるのです。

 しかし、逆に感情に起伏がありすぎて、感情を暴走させてしまうのも、「感情系脳番地」が衰えている証拠です。そこで40代男性には、何か目標を設定し、それを達成できたら、自分にプレゼントをする「ご褒美(ほうび)デー」を提案します。自分の欲求を明確にして、満たしてあげることは、感情を豊かに経験することにつながり、感情が暴走するのを防ぎます。

伝達系は日記を書こう

 7番目は「伝達系脳番地」です。誰かに何かを伝えるときにはたらく脳番地です。

 当然ですが、人と喋らない人は、この脳番地を使っていません。ですから、農業や漁業に従事していて、朝から晩まで一人で黙々と作業をやっているような人は、この脳番地が弱りやすい。

 人と会話するのが面倒になり、手紙やメールを書くのが億劫になったら、危ない。自分の気持ちをうまく表現できない、怒っていないのに、「なぜ怒ってるの?」と訊かれる人も、この脳番地が劣化している可能性があります。

「伝達系脳番地」を鍛えるいい方法は、日記を書くことです。その際には、ちゃんとした日記を書こうと気負わないでください。何でもいいから、その日あったことを記録するだけで十分です。

記憶系にいいのは思い出すこと

 最後は「記憶系脳番地」です。文字通り、記憶する脳番地です。

 この脳番地が衰える人は、せきたてられるように仕事をして、過去を振り返って、思い出すことをしない人です。最も典型的な職業は、週刊誌記者です。先週何を取材して、何を書いたか思い返さないし、憶えていない。

 この脳番地が衰えたときの症状は、ずばり記憶力の低下です。

 では、「記憶系脳番地」を鍛えるにはどうすればいいのか。それは日記や手帳を一週間に一度ぐらいは見直して、自分が何をやったのか思い出すことです。要らないものを捨てる「断捨離」も有効です。ものを見ながら、過去を思い出し、それが必要か不要か判断しなければならないからです。

自分の時間を作ろう

 最後に40代男性向けにとっておきのアドバイスを送りましょう。

 それは110分でも1人になる時間を持つこと。会社に着く前でも、家に帰る前でもかまいません。

 40代にもなると、家に帰れば、妻と子供がいて、家事や育児をしなければならず、会社では責任ある仕事が待っています。自分の意思とは別に環境が脳の使い方を常に決めてしまいます。その要求に24時間応えていると、マンネリ脳、省エネ脳になっていくのは目に見えています。

 まず、自由な時間を10分でもいいから作ってください。そして、その時間を使って、自分の脳の状態をチェックし、マンネリ脳にならないためにはどうすればいいのかを考えてください。そして、新しい脳の使い方を発見してください。その時間を新しい脳の使い方に充てるのもいいでしょう。健闘を祈っています。

 

2017年6月6日火曜日

ヤマト運輸も運転手に「週休3日制」導入検討

 ヤマト運輸が、運転手を含む正社員を対象に週休3日制の導入を検討していることが2017年6月6日(火)、乗りものニュース編集部の取材でわかりました。具体的には、何も決まっていないとのことですが、担当者は「業界というよりは、国全体の『働き方改革』の流れに沿ったものです」と話しています。

 深刻な人材不足とされる物流業界全体の流れとなるのでしょうか。

 佐川急便も6日、正社員のトラック運転手に週休3日制を導入したことを明らかにしました。正社員の多様な働き方を認めることで人材を確保し、将来的に起こりうる労働力不足に備える狙いがあるそうです。

 同社によると、週休3日制で働く運転手の募集を始めたのは東京都と山梨県の両営業所。業務内容は、法人を中心とした宅配便の集配や集金などで、1日8時間の法定労働時間が適用されない「変形労働時間制」を活用し、1日あたりの平均労働時間は10時間。週休2日制と同様のシフト制で、勤務日は本人の希望を考慮します。

ヤマト運輸も運転手に「週休3日制」導入検討 「働き方改革」の流れに沿う
トラック運転手に週休3日制を導入した佐川急便(2017年6月6日、青山陽市郎撮影)。
 週休3日制の月給は東京勤務の正社員で18万〜26万円とし、週休2日制とほぼ同じですが、週休3日制は残業が少ないため、実際の手取りは週休2日制よりも少なくなる見込みです。ボーナスや昇給は成果に応じて決定し、休日には兼業が認められます。

 東京と山梨で募集を始めたのは、他地域よりも比較的、労働力供給が少ないエリアであるため。2017年3月から試験的に採用をスタートしており、今後は、他地域や既存運転手に適用を広げることを検討するそうです。なお、佐川急便には現在、正社員と契約社員を合わせて合計約3万人の運転手がいます。

 同社担当者は「さまざまな働き方の人が垣根なく入ってこれる仕組みを作らなければ、今後起こりうる労働力不足に対応できません。これまでにも、短時間勤務の人でシフト制を組むなどの取り組みを行っており、今回もその一環です」と話しています。

カタールと断交、知っておきたい5つのこと

 サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、エジプト、そしてバーレーンの中東4カ国は5日、カタールとの国交を断絶すると発表した。4カ国はカタールが過激派やイラン寄りグループとつながりがあるとしている。以下に関係国の歴史と今後の展望をまとめた。

何が起きたのか?

 湾岸地域の3カ国とエジプトはカタールとの外交関係を断絶し、空路および陸路の交通を遮断した。小さな半島国であるカタールの首都ドーハでは、住民がパニックに陥り、スーパーで商品を買い占め銀行から預金を引き出すなどしている。


 サウジ、UAE、エジプト、そしてバーレーンは、カタール籍の航空機や船舶が自国の領空や領海を通過することも禁じた。また4カ国に滞在しているカタール人は2週間以内の国外退去が命じられた。4カ国は自国民がカタールを訪問することも禁止した。

国交断絶の原因は?

 4カ国はカタールと中東地域の政策について意見が衝突している。カタールはパレスチナ自治区を実効支配するハマスやエジプトのムスリム同胞団など、イスラム原理主義組織のメンバーを支援している。またシリアなどの過激派組織との関係も一部で維持している。サウジ、UAE、エジプト、そしてバーレーンはその状況を変えたい考えだ。

 両サイドは地域での影響力をサウジと競うイランへの対応でも対立している。サウジはイランとの対立姿勢を強めており、友好国も後に続くことを期待している。だがカタールは外交を通じた問題解決を支持し、対立には消極的だ。

なぜ今、国交断絶なのか?

 両サイドの対立は先月、カタールのタミム・ビン・ハマド・アール・サーニ首長がイランやハマスを支持する旨の発言をしたと国営通信が報じたことで一気に緊迫した。カタール政府はその後、コメントは事実ではなくハッキングによって流れたものだとしている。

 それでもサウジや他の湾岸諸国はアルジャジーラなどカタールのメディアを遮断。各国のマスコミはカタールの外交姿勢を痛烈に批判する報道を続けた。

 両サイドは外交政策で長年にわたって対立していたが、今回の国交断絶は多くの人を驚かせた。カタールは経済面や文化面ではサウジや他の湾岸諸国と深いつながりがあり、友好国と考えられていたためだ。

 一部の中東専門家は、先月にサウジを訪問したドナルド・トランプ米大統領が同国への協調姿勢を示したことを受け、サウジやその同盟国はカタールとの対立姿を強める後ろ盾を得たと感じたと指摘する。

なぜ大きな意味を持つのか?

 国交断絶は湾岸地域内の対立を振り返っても、過去数十年で最も緊迫した状況だと言える。米政府が「イスラム国(IS)」の一掃と過激派組織への対策を強化しようとする中、米国と緊密な同盟国同士が衝突することにもなる。

 米国が主導するISへの空爆も、カタールの米軍基地内に司令センターが置かれている。

今後の展望は?

 カタールが4カ国との関係を改善する意志を持つのか、またそのためにどのような条件を受け入れる準備があるのか、今の時点では不明だ。カタール政府は5日、国交断絶の判断は「正当化できるものでなく、事実に基づかない根拠なき主張に基づくものだ」と批判した。

 カタールやサウジなど湾岸6カ国が経済および政治面で協力する湾岸協力会議(GCC)も、今回生じた亀裂によってどのような影響を受けるのかは不明だ。

 またサウジはイエメンの反体制シーア派系武装組織でイラン寄りの「フーシ派」に対抗する連合軍も主導し、5日までカタールもそこに参加していたが、連合軍は同国を軍事同盟から正式に外した。

面接で絶対に口にしてはいけない7つのこと

面接前と面接中は必ず、意識的に自分を落ち着かせ、集中すること。ロビーに立っているとき、座って面接官を待っているとき、深呼吸をする。呼吸に意識を集中させ、次のような肯定の言葉を心の中で繰り返そう。

1. 大丈夫。ここにいて私はうれしい。私はこの面接を楽に乗り切れる。

2. 人生は学びの連続。今日も何かを学ぶチャンスが持てた!

3. 私は、自分に合った会社にとっては完璧な人材。この面接で相手を感心させる必要はない。今日やるべきことは、意識をしっかりと持ち、自分の声で話すこと。

面接室に入ったら、周りを見回して自分のやるべきことを知る。面接官がコメントしたり質問したりしたら、考える時間を少し取ってから、話し出そう。

面接におけるあなたの目標は、落ち着いて集中し、会話にしっかり入り込むことだ。頭が忙しく考え始めてしまうと、面接の最中に脳が自分自身を批判し始め、集中できなくなる。

批判的な心の声を鎮めるためには、会話に深く集中することが一番だ。そうすれば余裕を持ち、口を開く前に質問の答えを考えることもできる。

面接中は何があっても、焦って頭が追いつかない状態で言葉だけ出さないこと。次の7つを面接中に口にするのは絶対にNGだ。

1. 「御社はどういうビジネスをしていますか?」

面接の時点で、その会社のビジネスは知っているべき。面接前には会社のホームページを読んでおくこと。

2. 「前の会社の上司は最悪の人間でした」

あなたが前職をつらい状況で辞めていたとしたら、ついこうしたことを口にしてしまいがちだが、初対面の人、特に面接官に上司の悪口を言ってしまうのは、印象が良くないだけでなく、あなたの信頼性も傷つけてしまう。

前職でのひどい扱いに腹を立てる気持ちも分かるが、どんなに悪質な上司であっても陰で悪口を言う必要はない。

3. 「〜だったら問題でしょうか?」

転職活動が初めて、あるいは2回目の人は特に、面接中に自分が弱みだと思っていることについてすぐ話し出してしまう傾向があり、「エクセルが使いこなせなかったら問題でしょうか?」「マイクロソフトの認定証を持っていないのですが」「以前こうした仕事をしたことがないのですが」などと口にしてしまう。

あなたの経歴に問題がある場合、それを指摘するのは面接官だ。自分から口にする必要はない。あなたには、自分を素晴らしい人材たらしめる数多くの資質がある。だがあなたが活躍できるのは、あなたを理解してくれる会社、つまりあなたが働くに値する会社だけだ。

4. 「私は〜があまり得意ではありません」

自分が弱みだと思い込んでいることについて質問するべきではない。「ビッグデータについてはあまり知らないのですが……」などと自分から話題を持ち出さないこと。聞きたいことがあれば、面接官の方から質問するはずだ。

5. 「私は仕事熱心です」「物覚えが良いです」など

こうした言葉を言うよう教えられている就活者は多いが、ひれ伏して職を懇願するようなことはあなたにしてほしくない。こうすることで、あなたは自分の価値をおとしめてしまう。

長く人事部長を務めてきた経験から私が言えるのは、採用プロセスで求職者が懇願するようなアプローチを見せることほど、その求職者に対する採用マネジャーの自信を砕くものはないということだ。そもそも自分は物覚えが良いなど、どうやって分かると言うのか?

働く価値のある会社は、あなたの思考や過去の達成事項・学びに関するエピソード、あなたの人となりに魅力を感じて採用するものだ。

6. 「前職では解雇されました」「仲たがいで仕事を辞めました」

「前職の退職理由は?」という質問には「辞め時でした。とても多くのことを学びましたが、チャレンジがだんだんと減ってきました」という風に答えることが鉄則だ。

面接で「解雇された」「仲たがいで辞めた」などと言う必要は全くない。仲たがいは結局のところ主観的なものなのに、ネガティブな印象を与えてはもったいない。

7. 「出社時間を守ることはどれくらい重要でしょうか?」

出勤・退勤時間を含む勤務時間について面接官に質問するのはもちろん適切だ。しかし「どれくらい出社時間に厳しいか」を聞くことで面接官の信頼を壊したくないだろう。

フレックスタイムで働きたいのであれば「この職務では一般的に、柔軟な勤務時間は許されていますか?」と聞けば、高校生のアルバイト面接のような質問にならず、社会人としてのあなたの姿勢を正しく示すことができる。

呼吸を止めず、自分を批判する声を会話にできる限り挟まない。そして次のことを覚えておく。面接で起こることは、予定通り、起きるべくして起きている。失敗などはない、そこから学ぶだけだ。

マネープランクリニック

誰もがかかえる家計に関する悩み。悩みや疑問は人によりさまざまです。
「貯金ができない」「家計が赤字」「子どもの教育費や老後資金が心配」など、実際に寄せられたご相談に対し、家計の専門家であるファイナンシャルプランナーが収入、支出、貯蓄額、家族構成などの状況を確認しながら具体的にアドバイスします!

子ども2人の大学費用は、今の貯蓄ペースで足りる?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、「マネープランクリニック」。
今回の相談者は、4歳、1歳の2人の子どもの教育費に悩む30代の男性会社員。

貯蓄は普通預金だけ、子ども2人の塾代や大学費用はどのくらい必要?

一応貯蓄はしているものの、子ども2人が将来、私立大学の理系や美術系に進みたいと言い始めたら、このままの貯蓄ペースでは足りないのではと心配です。
私は公立大学出身で塾などに通ったこともないため、これから先、塾代なども込みで実際にどれくらいお金がかかるのか、よくわかりません。
家を購入後、貯蓄は普通預金だけなので、資産運用もしたいけれど、どうすればいいか教えてください。

相談者プロフィール
M
さん

神奈川県在住
性別:男性
年齢33
職業:会社員

家族構成
妻(37歳、専業主婦)
長女(4歳、幼稚園年中)
二女(1歳半)

Mさんの家計内訳

住宅ローンの内容

住宅購入ローン

借入額 3040万円
35
年返済
変動金利 0.775
毎月の返済額 83007

リフォームローン

借入額 340万円
35
年返済
変動金利 0.55
毎月の返済額 8901

オール電化・
ソーラーパネル工事

借入額 221万円
25
年返済
固定金利 2.15
毎月の返済額 14374

保険の内容

逓減定期保険 (2000万円)
収入保障保険 (月額10万円・55歳まで)
がん保険
障害時の年金保険

定期保険 (500万円)
終身医療保険 (入院日額5000)

長女

学資保険 (学資金100万円)

二女

学資保険 (学資金総額120万円)

貯蓄・投資の状況
普通預金……280万円(毎月10万円程度を貯蓄)
投資商品……なし

このままでは赤字に…貯蓄方法を見直しましょう

家計全体では無駄使いは少ないですが、貯蓄の仕方が問題

現在の家計支出について、ご本人は食費と雑費はもう少し削れるとのお話しでしたが、お子さんの成長などを考えると、食費をこれ以上節約するのはあまりお勧めできません。抑えるとすれば、夫婦の小遣い4万円、趣味・教養・娯楽費1万円のほかに、雑費33000円があるので、この雑費を見直してはいかがでしょうか?

保険は全部で8本と多いのですが、うち2本は子どもの学資保険で、夫婦それぞれの保険は、それほど保障額が多いわけではありません。見直すとすれば、ご主人の障害時の年金保険で、詳細がわからないのですが、必要性は低いかもしれません。

Mさんのご家庭では、生活費の残りをそのまま普通預金に入れておき、貯蓄としている点が気になります。貯蓄は目的別などに分けて、別の口座に移しておかないと計画的に貯められません。実際に臨時の支出があれば毎月の貯蓄が減り、大きな支出はその普通預金から出すことになるため、何年後にどれだけ貯まっているかは予想しづらくなります。

ですから、まずは貯蓄の仕方をきちんと決めることと、将来、子どもが大きくなったときにはどれだけ負担が増えるのか、貯蓄が必要になるかを考えて、それに合わせて今後の家計のやりくり方法と貯蓄の目標額を考えましょう。

 

今のままでは二女の中学入学後に、家計は赤字に…

今の家計収支をもとに、子ども2人は高校まで公立、大学は私立理系に進む場合で、将来の家計収支を試算してみました。大きな支出は1年後に車検で15万円、5年後に車の買い換えで200万円だけだとしても、長女が中学に入る年から貯蓄はほとんどできなくなり、二女が中学に進む頃から、家計の年間収支は赤字、つまりマイナスになってしまいます。

小学校のうちから、平均以上に塾代や習い事がかさめば、もっと早い段階で家計は赤字になるかもしれませんし、家を購入後、10年くらい経つと、給湯器などの設備や家電などの買い換えも重なり、臨時で出ていくお金も多くなることが予想されます。

仮に、今の貯蓄(年間138万円)をこの先もずっと続けられれば、その預金と学資保険で、大学費用は賄えるでしょう。しかし、現実には子どもの成長とともに生活費は増え、塾代などの教育費も増えていきますから、収入が同じなら毎月10万円くらいの貯蓄をずっと続けるのは難しいと思います。

家計が赤字になり、貯蓄が増えるどころか減少していけば、子どもの大学費用も貯められず、夫婦の老後も心配です。まずは、そうした状況をどう乗り越えるかがポイントです。

 

高校までの教育費と、大学費用は分けて準備する

公立に進む場合でも、習い事やスポーツ、塾代などを合わせて、子ども1人につき小学校では年間20万〜30万円、中学・高校では40万〜50万円くらいかかるのが一般的。2人だとこの2倍になります。

大学は国立だと学費は年間54万円で、4年間では入学金を含めて250万円くらいですが、私立大学の納付金は、文系だと初年度123万円、2年目以降98万円で、4年間では417万円。理系は初年度164万円、2年目以降134万円で、4年間では578万円。ちなみに美術や音楽などの芸術系は4年間で634万円です。(平成26年度の文部科学省の調査より)
しかし、大学の授業料などは10年前と比べて10%くらい上がっていますから、お子さんが入学する頃には、どうなっているかはわかりません。

高校までの教育費は、公立なら毎年の家計から捻出し、大学費用の分を貯蓄で用意しておくのが基本です。Mさんのご家庭では二女が小学校に入学したら、奥さまもパートなどで働いて、高校までにかかる子どもの教育費は、そのパート代からカバーしてはいかがでしょう。現在でも年間40万円近くかかっていますから、毎月5万円、年間60万円ほどのパート収入があれば、2人合わせて100万円くらいの教育費を家計から捻出できます。

そして、子ども2人の大学費用は、これから貯める貯蓄で18歳までに1500万円くらいを目標に備えれば、私立理系などに進んでも、何とかなると思います。

 

貯蓄は、当面のあいだ次の3つの方法で貯める

肝心の貯蓄のやり方については、次のような方法をお勧めします。
最初に、毎月もらえる児童手当は、それぞれの子ども名義の口座に貯めていきます。すると、中学卒業までに長女の分は約130万円、二女は170万円くらい貯まるので、それぞれ大学費用の一部として確保しておきます。

2つ目として、売電で入るお金も別口座に分けて貯め、家のメンテナンス費用や家電などの買い替え費用に備えましょう。これによって、臨時支出などで貯蓄を取り崩さなくても済むようになります。

3つ目は、教育費と将来のための貯蓄として、当面は給与口座にセットする自動積立定期預金で毎月9万円ずつ貯めていきましょう。現在の家計から保険1本と雑費を見直すと、これくらいは可能と考えられます。
さらに来年からは、9万円のうち3万円を積立NISAにして、バランス型の投資信託で積み立てていくのはどうでしょう。残りの6万円は積立定期預金を続けます。積立定期の金額は毎年の家計の状況に応じて増減してもかまいませんし、積立額が100万円くらい貯まったら、定期預金に移し替えるのもいいでしょう。

この方法で、子ども名義の児童手当の分と積立預金、学資保険を合わせて、子ども2人にそれぞれ500万円くらいの大学費用を準備できます。
残った貯蓄や積立NISAで運用する分は、夫婦の老後資金のベースになります。

将来、子どもの進路は変わることもありますし、家計の支出も変動するでしょう。その時々に応じて積立額を増減するにしても、貯蓄は生活費の口座とは分けて積み立てることで、確実に一定額を貯められます。毎月コツコツと継続していくことが大切です。

最後に、ご主人が66歳までローンの返済が続くのは厳しいですね。お子さんが小学生のうちに現在の貯蓄から100万〜150万円くらい、繰り上げ返済をすることも検討の余地ありです。リフォームローンなどではなく、借入額の大きい住宅ローンから繰り上げ返済で期間を短縮し、60歳までに完済できるようにしておくと安心です。

相談者Mさんより

現在の支出の中から保険等で大きく見直さなければいけないところはなかったので、その点はホッとしました(笑)。雑費については、ご指摘いただいている通り多いと思っているので、見直してみたいと思います。

今後の貯蓄については、どのくらいを目標に、いつまでにどう運用していくべきか、よくわかっていなかったため、なかなか着手できなかったのですが、今回、目標金額や貯蓄の手法についてかなり具体的にアドバイスいただけたので、すぐに着手できそうだと思いました。
特に積立預金をして、来年からは3万円をNISAで積み立てることによって老後資金も貯められるかも、というのはうれしい発見です。

ただ、今後の娘の進路等によって、老後の資金が危うくなる可能性があることは改めて認識できたので、今後も定期的な見直しをしながら、繰り上げ返済や収入面の改善は検討しなければいけないな、と感じました。アドバイスをありがとうございました。