ムニューシン米財務長官は21日、ラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事と電話会談し、IMFが加盟国の為替政策に関し「率直な」分析を提供すると期待していると伝えた。米財務省報道官が明らかにした。
ムニューシン長官はまた、米政権が国内の雇用と成長促進を重視している点に言及したほか、IMFが加盟国の経済政策に断固とした助言を行うことや世界の不均衡に対処することへの期待も表明した。
IMFのライス報道官は、電話会談について「IMFについて幅広く建設的な話し合いが行われた」とし、IMFは「米当局との緊密で生産的な関係の継続を期待している」と述べた。
米国はIMFへの拠出額が最大で、議決権の約17%を保有し、IMFの主要な決定への事実上の拒否権を有している。
トランプ米大統領が「米国第一主義」を掲げ、中国やメキシコなどとの貿易赤字の解消を訴える中、通貨安競争を避け、世界貿易システムを維持するという20カ国・地域(G20)の公約を米国が破棄する可能性が懸念されている。
IMFの元理事会メンバーのドメニコ・ロンバルディ氏は「トランプ政権は、対外目標を達成し、中国とドイツへの圧力を強めるのにIMFとG20を活用しようとする」との見方を示した。
トランプ氏は大統領選で、中国が貿易を有利にするため為替操作を行っていると批判。トランプ大統領が新設した「国家通商会議」の責任者であるピーター・ナバロ氏は1月、ドイツは「過小評価が著しい」ユーロを利用することで米国よりも有利な立場を得ているとの見解を示した。
ただ、中国からの資金流出を阻止するため、中国人民銀行(中央銀行)がここ1年間、人民元の買い支えを続ける中、IMF当局者はもはや元が過小評価されているとはみなしていない。
先週就任したばかりのムニューシン長官は、自身が重視する政策課題をまだ明らかにしていない。
長官就任前には、上院財政委員会に対する回答書で、IMFなどの多国間の枠組みでは「為替操作を阻止できていない」との見方を示している。
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