築30年以上のマンションは、200万戸以上も存在しています。
1981年6月以前の旧耐震基準マンションに関しては、現在の新耐震マンションよりも耐震性能が弱くなっています。
これが30年以上の物件は、資産価値が著しく下がると言われている理由でもあります。
ただ、築30年以上のマンションだから売却できないか?と言うとそんなことはありません。
要は購入希望者を1組見つけてくれば、いいわけですから、さほど難しいことではありません。
販売価格については、周辺の価格相場と大きく乖離していなければ、3ヶ月以内で購入希望者が現れるでしょう。ただし、これは東京都内を中心とした場合だけです。地方は苦戦します。
なお、築年数が30年以上経過した中古マンションの資産価値としては、3つあります。全て満たしていれば、ベストですが、少なくとも2つ満たしていないと売却に苦戦する可能性が高いです。
· 生活利便性などの立地が優れているか?
· 将来の建て替えに備えて容積率の余裕が確保されているか?
· 1世帯あたりの修繕積立金の蓄えが十分に備わっており管理費等の滞納もなく管理組合が機能しているか?
大きく分けるとこの3つが挙げられます。
それでは、順番に解説していきましょう。
生活利便性などの立地が優れているか?
1については、都心へのアクセスや通勤、通学に支障が無いか。さらに商業施設など物件周辺の環境は申し分ないか?が挙げられます。
築年数が30年以上の古い物件は、建物としての価値がほぼゼロのため高く売るためには、立地面で優れている必要があります。
東京都内であれば、1を満たしている物件がほとんどでしょう。
容積率の余裕が確保されているか?
2.これも非常に重要です。例えば、東京の多摩ニュータウンや大阪の千里ニュータウンのようにいわゆる団地型の物件の場合は、非常に空き地率が高く、容積率のゆとりもあります。
60代、70代の高齢者が多数を占めており建て替えに伴う、建築費の捻出が厳しくなっても容積にゆとりがあれば、分譲に出して新規購入者を募ることができます。
分譲代金によって、建築費の捻出ができるばかりか、旧入居者の負担金が0で建て替えすることも可能です。
中には、このことを見越してわざと、築年数の古い物件をお手頃価格で取得する非常に賢い人たちもいます。
反対に空地率が低く、容積も目一杯ですと、まず建て替えするにしても話がまとまりません。建て替えの場合は、5分の4以上の賛成が必要ですし、何より高齢者が立て替え費用の捻出ができるか?も疑問だからです。
実際、全国的に見ても建て替えが成功している例は200棟程度です。今後、老朽化したマンションの建て替え問題が非常に表面化する可能性が高いです。
なお、私は高校生まで大阪の千里ニュータウンのメゾネットタイプの分譲マンションに住んでいました。
街開きと同時にできた物件でしたので、この記事を執筆している段階では、既に45年近くは経過しています。
当然、管理組合でも建て替えの動きがありましたが、空地率、容積率ともにかなりゆとりがありましたので、最終的にはマンション開発デベロッパー主導のもと、新規で分譲を開始。旧入居者の負担は実質ゼロで建て替えを行いました。
ただし、このケースは非常に稀(まれ)なケースです。ほとんどのマンションでは、建て替えたくても5分の4以上の賛成が取れないため上手くまとまらないケースがほとんどです。
修繕積立金の蓄えが十分に有り管理組合が機能しているか?
3はゴーストマンションではないことが条件です。地方都市の物件だと所有者との連絡が取れないなどゴースト化している物件もあります。
この場合、売却は絶望的だと考えてください。
築年数が古い物件は戸当たりの修繕積立金がいくらあるのか?が非常に重要です。
規模にもよりますが、少なくとも戸当たり100万円程度は欲しいです。この程度の余力が無いと大規模修繕ができません。
リフォームを行った方が高く売れるのでしょうか?
以前、以下のご質問をいただきました。築年数が30年以上の物件を売却予定です。
リフォームしようか?迷っています。
先日、不動産屋で相談しましたら築年数の古い物件は、若年層か投資家に需要があると聞きました。現在65�あり間取りは2LDKです。
若年層をターゲットにした場合、思い切って1LDKにしてみようと考えています。ご意見をお聞かせいただけましたら幸いです。
皆さんはどう思われますか?
これも非常に良くいただくご質問です。
高く売るためにリフォームを行わなければならないという考えでしたら、考えを改めた方が良いでしょう。
リフォームよりも値引きの方が感謝される
これは、長年の経験から言えることですが、リフォームは買主が好きにすれば良いため、その分値引きに応じてあげた方が早く成約できるでしょうし、何より買主から感謝されます。
そうすれば、購入層や世代など気にすることなく、幅広いターゲット層を相手にすることが可能です。
築年数の古い物件は、売却が不利です。
わざわざ購入希望者の間口を狭めるような行為(リフォーム)を行ってはいけません。
前述の通り、幅広いターゲット層を相手にしていても、最終的に当該物件を気に入ってもらえる人を一組だけ見つけられれば大成功です。
リフォームしないと高く売れないという業者には要注意
私の経験上、「リフォームしないと売れません。」と言う業者は、売買経験がほとんど無い不動産会社です。
この手の業者の口車に乗ってしまうと売れる物件も売れません。ぜひ注意してください。
お勧めは無料の不動産一括査定サイトを活用すれば、築年数の古いマンション売却に長けた不動産会社が簡単に見つかります。ぜひ活用してみてください。
あるいは、1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の方であれば、売主の利益を100%守ると宣言している不動産会社へ依頼するのもよいでしょう。現役時代の仲間が多数在籍していますので、売却で失敗することはありません。安心して利用して欲しいです。
建て替え時期とは築年数が何年頃でしょうか?
前述の通り、分譲マンションが老朽化しますと建て替えは必須となります。
それでは、建て替え時期とは具体的に築後何年が妥当なのでしょうか?
分譲マンションはRC造(鉄筋コンクリート造)が主流です。RCの法定耐用年数は50年とされています。
しかし、マンションによっては、コンクリートの劣化によって、鉄筋がむき出しになっている物件などは、強度が弱まるだけでなく、空気や水が内部まで浸透するため、更に劣化のスピードが加速します。
これらの原因は大規模修繕工事が不足している物件に見受けられます。
大規模修繕工事が不足しているということは、裏を返すと修繕積立金不足が原因です。
管理組合が機能していれば問題なし
前述の地方都市に見られるゴーストマンションや滞納等を放置しており管理組合が機能していないマンションなどが該当します。
50年経過したマンションでも、欠陥建築でなければ、100年以上もつという研究データもあります。
従って、マンションは何年で建て替えが必要でしょうか?という回答は、「マンション次第です。」としかお答えのしようがありません。
ただし、1981年以前のマンションや機械式駐車場のような維持費がかかる設備があるマンション、さらに1度も大規模修繕工事を実施していないマンションでしたら、速やかに売却されることをお勧めします。
このような物件を所有していても、後々、売るに売れない可能性が高くなります。こちらの無料一括査定サイトを活用すれば、マンション売却に長けた不動産会社が多数登録されています。ぜひ活用してください。
あるいは、1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の方であれば、売主の利益を100%守ると宣言している不動産会社へ依頼するのもよいでしょう。現役時代の仲間が多数在籍していますので、売却で失敗することはありません。安心して利用して欲しいです。
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