2017年2月27日月曜日

老戏新拍,朝鲜是下一个伊拉克!

后沙月光:老戏新拍,朝鲜是下一个伊拉克!

《吉隆坡毛巾杀人案》比阿嘉莎.克里斯蒂的《东方快车谋杀案》更加离奇曲折,比《无人生还》里的死人复活还要诡异莫测。

金大哥牢牢占据着网络热榜的位置,每天都有似真似假的消息。

至于真凶是谁?却跟侦探小说的套路不同,小说会在一番构架铺设,故弄玄虚后,最终戏剧性的指出真凶是谁!正义得以申张,秩序得以维护。

而吉隆坡这出戏,媒体则努力让人相信朝鲜就是真凶!凡是与其相悖的观点,一旦转发阅读量超过他们承受阀值,第一时间内必将消失。

吉隆坡的表现就跟马航失联最初阶段一样反复无信。到这两天为止,剧本才慢慢展现出来:

美国国防部24日表示,据传朝鲜使用VX神经毒剂在马来西亚杀死了金ZN,美国认为这是"严重威胁"。

共同社2月24日报道,五角大楼发言人杰夫・戴维斯说:"我们意识到朝鲜有生产及维护化学武器的历史。我们认为这是严重的威胁,我们为对抗这种情况做好了准备。"

韩联社2月25日报道,韩国外交部官员25日说,在马警方宣布金ZN是死于VX神经毒剂后,韩国已经决定在国际会议上抗议朝鲜拥有生化武器。

新加坡拉惹勒南国际研究院反恐问题专家古纳拉特纳说:"通过在亚洲心脏地区的国际机场使用VX毒剂,朝鲜发出了非常明确的信号,即它可以对世界任何地方的敌人发动袭击。"

《》2月24日报道,多年来,朝鲜用核试验以及扬言对美国实施核屠杀令世界紧张不安。现在调查发现金ZN是遭VX神经毒剂暗杀身亡,这是一个严酷的提醒:朝鲜拥有鲜为人知的大规模杀伤性武器:化学和生物武器库。……

还有很多,我就不一一综合了。整齐划一宣传口径的背后,显然是同一只手在操纵。

引导舆论主力跟之前小道消息满天飞不同,这次是正经大媒体。接下来就该各写手上场造势了。

主题:朝鲜拥有大杀器!(生化武器)

目标:吃瓜群众们!

天涯国观的光子大楼,被人年年鞭尸,我也乐此不疲。

《》提到的大规模杀伤性武器是指:化学和生物武器,而且鲜为人知。化学和生物武器跟核武不同,它更令人深恶痛绝,超出人类道德底线。

1997年生效的《禁止化学武器公约》,要求各签约国要积极销毁自己手中的生化武器,中美俄英法带头在做。核武器作为一种地位象征,只能搞个《核不扩散条约》。

朝鲜敢宣布拥有核武器,但它不敢说拥有大量生化武器。核武器也许能让它拥有国际地位,但生化武器会令它挨揍。

伊拉克发生了什么?

2016年美国,英国才承认十三年前他们捏造了情报(借口情报失误),发动了伊拉克战争。

英国道歉了,但死去的几十万伊拉克人并不会因为一句道歉而复活,也得到战争赔偿,国际社会更不敢将小布什,布莱尔指控为战犯,押到海牙国际刑事法庭。

萨达姆被指控有大杀器时,最初出于主权国家的自尊而抗拒国际调查,当意识到危险时,只好同意搜查,但从他家米缸到水缸,床底到屋顶,就是查不到一件化学武器。

媒体再次造势,既然搜不到,那就正好说明萨达姆太能藏东西了,这个恶魔太坏了。不搜了,你交出来吧!

萨达姆今天也许会哭,明明没有的东西,你让我怎么交?以前有的,销毁纪录全在小本子里,求各位大爷睁开眼看一看!

不交是吧?美英联军来了,中俄德法不同意,也拦不住。

911之后,美国在中东有四个预选目标,选择一个进行摧毁,作为它控制该地区的触媒。

这四个目标分别是:哈梅内伊的伊朗,阿萨德的叙利亚,穆巴拉克的埃及,萨达姆的伊拉克。

最终美国选择了萨达姆:

一,伊拉克拥有庞大的石油蕴藏(世界第三)

二,万一沙特阿拉伯不可靠,伊拉克能接替它成为美国的军事基地中心。

三,萨达姆的邪恶形象已经深入人心。

四,美国人太熟悉伊拉克。

还有一点是悖论--伊拉克没有大规模杀伤性武器。

这是一场毫无悬念的战争,美国也不用担心其它大国军事干涉,俄罗斯已经举步为艰,中国军事力量远远投射不到中东。

在航母起航,士兵进发之前,美国媒体先开始轰炸全世界。战争爆发前两个月,哥伦比亚广播公司扮演了五角大楼喉舌的角色,不厌其烦的告诉美国人民,这是一场正义而必胜的战争。

侵略战争前一周,五角大楼把各大媒体的军事记者,请到佛罗里达州的艾格林空军基地,让他们在实地亲眼观看重达2.1万磅的"炸弹之母"(Motherof AU Bombs)爆炸实验。

然后,全世界都知道了这种仅次于原子弹的武器将对伊拉克使用,媒体自觉的成为了战争助力器,在精神意志摧毁伊拉克人。

除此之外,全世界舆论都要天天高颂"民主自由"的经文。

1991年波斯湾战争中,美军在35天内,大约发射了300枚战斧导弹。而这一次,一天就发射了380多枚。

3月20日到5月2日,美军投下了3万多颗炸弹,还有2万枚精密制导导弹。它将武器库中即将过期的武器一半以上倾泻到了伊拉克人民头上。

"民主"来得太突然,无辜的民众拥抱了民主,也拥抱了死神。

CNN将战争报道制作成了"战争真人秀"。2003年的中国人,很多是在电视机前以看战争剧的心情看完了整场战争,剧评:美国太强大,萨达姆太邪恶!同情伊拉克人民,但只能眼睁睁的看着。

2003年3月28日晚,美军直扑巴格达时,伊拉克通讯系统遭到毁灭性轰炸,四个电话交换机中心被全部摧毁。

到4月2日,大巴格达地区,几乎没有一部电话可以通话。同时,电视与广播信号也全部消失,躲在家里的伊拉克人成了聋子。

另外,还有对民用电力设施和供水设施,甚至医院的轰炸,整个巴格达在黑夜中,除了微弱的蜡烛和汽车灯光,一片黑暗,民众成了瞎子。这种针对平民设施实施的心理恐怖战,是精神上的屠杀。

战争时,美国喉舌曾解释轰炸民用通讯设备是为了防止萨达姆用电话指挥军队。就算你今天看到此文心里其实也是这么认为的。

其实在战后,美国情报部门承认萨达姆十年间只用过两次电话,他很怕被追踪到。

那么美国为什么要轰炸摧毁民用设施,视生命为草芥?举个例子,伊拉克战后,电话系统重建合同由美国营造工程巨擘柏克德(Bechtel,)而这只是它在伊拉克30多亿美元合同中的一部份。

去掉"民主自由"这些遮羞布,整个伊拉克战争之丑陋与残忍,发动者的罪恶意图,都超过了德国纳粹。

纳粹战败,欧洲重建,各国人民在汗水和辛勤中,于50年代中期基本恢复了正常和秩序(无论资本主义还是社会主义国家)。

伊拉克呢?十四年过去了,还在撕杀,ISIS的残忍比起萨达姆来如何?美国舍得打他们吗?这些魔鬼正在扑向叙利亚。

有的人到今天还将伊拉克战争的起因归结于萨达姆的残暴。战争前,伊拉克有众多的医院,充足的医生,有普及全国的中小学教育,女孩子不用被当成牲口,妇女可以离婚,恋爱不必担心被石刑,还可以当公务员。有国法,而不必遵从教法,现在呢?

再说一件,媒体上不会告诉你的事:

有谁认识这个女人?

不认识,没关系。苏联解体后,她是俄罗斯休克疗法的专家之一。休克疗法是什么?不用我多说了。

在伊拉克战后,她又是"美国中东自由贸易区"的计划负责人。

小布什在战后八天,就急不可待的抛出这一计划,说白了就是要将伊拉克几十年的财富扫归美国企业口袋之中。

她叫丽兹.切尼,是当时美国副总统切尼的长女。

战争给美国企业带来财富,美国企业再回报给政客家族财富,这就是伊拉克战争的好处。

这些人都躲在了媒体之后,谁敢报道试试看?

中国报道切尼是什么人?一个下班到餐厅端盘子打工,挣零钱为老婆买大衣的苦逼副总统,还有写手以此为论据发,写文章来歌颂美国。

是中国人傻吗?把这些当新闻铺天盖地来报道?

其实不是,而是我们在网络宣传上一开始就落后了,两种谣言满天飞:一种神话美国,一种丑化中国。切尼就不多说了,他是美国历史上权势最大的副总统。

回到朝鲜问题

如果,美国这次要利用吉隆坡事件来发动战争前的舆论攻势,那么它们的部署已经开始。

还是熟悉的味道,老戏新拍。剧本里的台词已经写好,角色也已经分配完毕,就等导演下令开拍。

这次战争核心剧本肯定还锁在五角大楼保险柜里。角色应当是这样的:

男一号:正义使者:美利坚。

男二,三号,正义小弟:韩国,日本(英国戏份不重,梅姨不是布莱尔)

大反派:朝鲜

劝架:中国,俄罗斯。

路人甲:联合国

路人乙:英法德

龙套:马来西亚,新加坡,印尼,越南等

朝鲜跟伊拉克不同,朝鲜手里有家伙,所以美国不仅不会在前期派地面部队参战,甚至可能撤出驻韩美军到日本。以空中饱和打击为主,地面由韩国军队推进。

男一号的天价报酬,将由韩国支付,韩国的回报是整个半岛。

这戏直接利益没有伊拉克那么大,但后期利益会远大于中东地区。按老剧本看,正派与反派的实力对比毫无悬念。

对于吃瓜群众来说,吉隆坡谋杀案是谁干的已经不重要,因为你必须接受朝鲜是凶手的概念。

接下来,就是如何让你相信朝鲜拥有大量生化武器,如果不出意外,路人甲该上场了。

朝鲜接不接受搜查?萨达姆接受了,但朝鲜肯定不会,那么武戏马上登场。

但整部戏变数很大,变数就在于设定好的劝架者身上,如果中国不按剧本来,制片方投资会整个泡汤。

美国这次赌很大,人命已经不重要。正常人都不会希望看到伊拉克这一幕在朝鲜重演。

中国从来不是为了保卫半岛某个政权,而是为人类正义和自己战略安全空间而战。

世界还记得萨拉热窝的奥匈王储吗?


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其实作者多虑了, 只不过转移注意力的烟幕弹而已。 山姆要命的是经济问题,勒索日本韩国欧洲多出钱财而已。 警告土共你家门口有事情, 别趁火打劫。 三胖子年轻气盛能是萨达姆那个贪生怕死的老头相比, 导弹没有了不是还有潜艇吗, 当年南韩天安舰不是在美国军舰眼皮底下被炸沉,而美国南韩军舰连影子都没抓到。 投送核武器不需要那么精确。 三胖估计是平安无事。

马来西亚念剧本很不敬业, 15分钟就死人的毒药怎么让胖子众目睽睽之下晃荡那么长时间才走进小黑屋。 神经毒剂应该咣当一声倒在地下才对。

福島原発賠償費、電気代での負担額は 1世帯あたり試算

 東京電力福島第一原発事故の損害賠償費用は、原発を持つ東電以外の電力会社も一部を負担している。家庭の電気料金でまかなっている7社について、朝日新聞が取材を元に国の家計調査を当てはめて試算したところ、1世帯(2人以上)あたり年約587〜1484円を負担している概算となった。家庭の負担額は料金内訳が書かれた検針票には示されておらず、利用者の目には届かない。

 国の試算で、賠償費用は7・9兆円にのぼる。うち5・5兆円分について、東電の負担に加え、他の電力会社も「一般負担金」として、原発の出力などに応じて負担している。

 7社は東京、北海道、東北、中部、関西、四国、九州の各電力。朝日新聞の試算では、家庭向けの電気料金で回収している一般負担金は1キロワット時で約0・11〜0・26円だった。

 関電と中部電が取材に対し、家庭向けの1キロワット時の概算を出していることを明らかにした。この方法を元に朝日新聞が他社分も試算。全社がこの試算の考え方に誤りがないことを認めている。

2017年2月24日金曜日

店員いらず?イオン、ローソン、ユニクロのAI導入が意味するもの

その実用化が急速に進む中、人件費の削減や業務の効率化を図ろうと、AIを導入する企業が増えつつあります。無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』では著者で店舗経営コンサルタントの佐藤昌司さんが、イオン、ローソン、ユニクロなどAIの導入を推進する企業にフォーカスしながら、「AI活用の今後」について考察しています。

イオン、AIを活用し従業員の質問に自動回答。ローソンやユニクロもAI活用を推進

従業員が業務でわからないことがあれば、AI搭載のスマホに質問することで回答が得られます。例えば、業務システムの使い方やトラブル時の対応方法などについてAIが回答します。

これまではこうした対応は社内向けコールセンターが担っていました。AIが代行することで、店頭とコールセンターの業務効率化が実現できます。

AIを導入するイオンリテールは人件費の高まりが懸念されています。近年の通期の人件費率(営業収益比)は12%台で推移しています。安定的な状態ですが、昨今は時給の上昇などにより人件費の上昇圧力が強まりつつあります。AIの活用で業務の効率化が実現できれば、人件費の抑制が期待できます。

ローソンやユニクロもAIを活用

小売企業でのAIの活用が広がりを見せています。

ローソンは、顧客が希望する商品をAIが提案するサービスを開始しています。日本マイクロソフトのAIを導入した「チャットボット」の「ローソンクルー♪あきこちゃん」がお薦め商品を紹介します。

例えば、お薦めを問えば、最近発売された注目の新商品を紹介します。カロリーを気にしていることを話せば、カロリーが低い商品を提案します。AIが投げかける6つの質問に答えると、5つのタイプに分類されたお薦め商品が提示されます。

ユニクロはAIを活用した接客サービスの開発を進めるようです。2017年2月18日付日本経済新聞は「ファーストリテイリング傘下の衣料品店ユニクロは、自社のインターネット通販サイト上で人工知能(AI)を活用した接客サービスに乗り出す」「米国で実証実験を開始」と報じました。

ネット通販でAIが顧客の要望にあった商品を提案します。ネット通販では接客ができないという弱点があります。AIを導入することでネット通販でも接客を可能にする試みです。

大手小売各社がAIの活用を推進しています。今後追随する企業が増えていくと思われます。労働者人口の減少は止まりそうにもありません。業務効率化の一環としてAIの活用が今後ますます広がっていくことでしょう。

米、為替操作国の基準変えず 日中の指定見送る公算

 ムニューシン米財務長官は23日、主要貿易相手国を為替操作国に指定する際の基準や手順について「従来の方法を踏襲する」と述べた。米財務省は半期ごとの為替報告書で、為替操作国に該当する国があるかどうかの判断を示す。オバマ前政権下では該当国がなかったため、現在の認定方法を維持すれば、中国や日本などの指定を見送る公算が大きい。

 財務省は4月と10月、議会に為替報告書を提出している。対米貿易黒字の大きさや為替介入の有無などを基準に、主要貿易相手国を為替操作国に指定するかどうかを判断しており、指定国は制裁措置の対象になる。

 ムニューシン長官は「財務省には為替操作を監視するための手続きがあり、それを進めるつもりだ」と述べ、オバマ前政権下の判断方法を基本的に継承する考えを示した。ただ「手続きが終わるまでは結論を出せない」とも語り、指定の是非をなお慎重に判断する意向を表明した。

 トランプ大統領は巨額の対米黒字を抱える中国の為替政策を強く批判してきた。「就任初日に為替操作国に指定する」という公約の強行は見送ったが、次の為替報告書でどんな判断を下すかが焦点になっている。

 ムニューシン長官は対中関係の悪化につながる為替操作国の指定に慎重な姿勢で臨み、より現実的な方法で監視を強化する考えをにじませたとみられる。オバマ前政権下の為替報告書では、中国や日本を含む6カ国・地域を監視対象に指定しており、こうした措置の拡充を検討する可能性がある。

曲がり角の都内マンション、新築や湾岸エリアも

  安倍晋三政権下の超低金利と株高などを背景に値上がりが続いてきた都心のマンション。金利の先高観や個人所得の伸び悩みなどでマンション市場の失速感が鮮明になってきた。調査会社など市場関係者の間ではマンション価格は下落局面に入ったとの見方が出ている。

  三井不動産レジデンシャルなどが東京都北区で手掛ける大型マンション「ザ・ガーデンズ東京王子」は全864戸の大規模マンション。同社広報部によると第1期販売451戸はほぼ全て申し込みがあり「大変好調と認識している」という。坪単価は約260万円。不動産調査会社、東京カンテイの上席主任研究員、井出武氏は昨年発売された周辺物件の坪単価が300万円程度だと指摘し、「割安感が販売好調につながっている」と語る。井出氏は「今年に入り価格を昨年より1割程度抑えた新築物件が増えている」との見方を示す。

  新築マンションの売れ行きは2015年後半から弱くなり16年に入り一段と低迷した。不動産経済研究所の調査では16年の契約率は月間平均が68.8%で、リーマンショック直後の09年(69.7%)以来の6割台で販売の好不調の目安とされる7割を下回った。マンション施工費の上昇を反映した値上がりが影響している。東京カンテイによると、15年の新築マンション価格の年収倍率は全国平均で7.66倍と6年連続で拡大し、92年当時の水準(7.64倍)を上回った。

  三菱地所の吉田淳一・取締役執行役常務は低金利という好環境を挙げたうえで「不動産各社とも将来も魅力を維持できる物件は値引きはしないだろうが、立地条件など特徴的な魅力がないような物件は値引きしないと苦しいかもしれない」と語る。首都圏全体での発売戸数も減少している。不動産経済研究所のデータでは16年の年間発売戸数は前年比12%減の3万5772戸で09年以来の4万戸割れだった。17年も3万8000戸程度を見込んでいる。

湾岸エリア

  タワーマンション人気が根強い湾岸エリアでも値下がりが見られる。野村不動産アーバンネットの調査(1月1日現在)では、東京メトロ有楽町線・豊洲駅から徒歩10分超の中古マンションは1年間で3.5%の下落、辰巳駅から徒歩10分以内は5.7%の下落と都区部では最も大きな下落率だった。井出氏は「湾岸では今後も大量供給が見込まれ、東京五輪後の価格下落等の懸念から、値上がり利益がある今の段階で売ろうという動きがある」と語った。

  東京都は20年東京五輪で中央区晴海に整備する計画の選手村について、競技終了後に約6000戸の住宅開発を予定しており、地上50階建ての超高層住宅棟2棟の建設が計画されている。

  15年ごろには都内のマンション購入に意欲的だった外国人からの購入意欲も最近は減少している。米総合不動産JLL日本法人の瀧本昇氏によると、東京のマンション購入についての、海外顧客からの問い合わせは15年の半分に減っているという。理由は中国経済の低迷など景気動向や新築マンションの供給減が影響しているという。

  ドイツ証券の大谷洋司アナリストは「マンション価格は昨年急上昇したので買いにくくなった」と指摘する。総務省が発表した16年の家計調査で消費支出(2人以上の世帯)は月平均28万2188円と3年連続で減少した。大谷氏は東京の新築、中古のマンションはすでに下落が始まっており、今後2年間で2割下がると予想、「今年は悪化のペースが加速する」との見方を示した。

  金利の先高観も懸念材料となる。住宅金融支援機構の長期固定型「フラット35」の適用金利は上昇傾向にあり、2月の適用最低金利(返済期間35年以下)は1.1%と、昨年8月の0.9%から上昇した。

2017年2月23日木曜日

米金利上昇はYCCに逆風、量との目標並立は不可能=木内委員 

日銀の木内登英審議委員は23日午後、甲府市内で記者会見し、「量」と「金利」の双方で目標を定めるのは不可能との見方を示した。その上で、昨年9月に導入した「イールドカーブ・コントロール」(YCC)にとって、米大統領選以降の米金利上昇は「逆風だった」と分析した。国債買い入れ日の事前予告を巡っては、一定の効果を認めつつ、オペの安定性につながるかどうかは「やや疑わしい」と語った。

木内委員は、米金利の上昇に伴って国内の金利にも上昇圧力がかかる現状を踏まえ、長期金利操作は「オペレーション上、困難さを抱えている」と指摘。

金利上昇局面では国債の買い入れ増で対応するが、それによって「流動性が低下すれば、市場が不安定になる可能性がある」と述べた。

また、長期金利の目標を頻繁に変更すれば、目標値の次の引き上げを巡って市場で思惑を生み、さらに金利上昇圧力がかかる恐れがあると懸念を示した。

木内委員は同日午前、金融経済懇談会で講演し、日銀が掲げる2%の物価目標について「短期間での達成が困難なだけでなく、家計や企業の経済活動にとってむしろマイナス」との考えを示した。

会見では、物価目標だけではなく金融システムの安定にも目配りした政策運営が必要と強調し、「2%目標達成のためには何を犠牲にしてもいいという考え方は危うい」と語った。

今後、金融政策の正常化の過程で付利金利を上げていけば日銀の財務体質が悪化する可能性にも触れ、そうなれば「本来の物価安定という使命に大きな逆風になる」と指摘した。

一方、日銀が検討を進める長期国債買い入れ日の事前通告を巡っては、金融機関にとってリスク軽減効果が見込めるとした一方、「オペ全体の安定性に貢献する決定打になるかはやや疑わしい」との見方を示した。

安全性と生産性の両立を可能にする「Safety 2.0」

 Safety 2.0の具体例をお見せしよう。一つ目は、「止めない安全」による生産性向上の例。Safety 1.0のときとは、生産現場が大きく変わる。二つ目は、「見守り安全」の例だ。これまで見えなかった安全を「見える化」することで、安全への的確な投資が可能になる。そして三つ目が、「コラボレーションフェールセーフ」である。この新しい概念により新しい市場が拓ける可能性がある。

設備を止めずに安全確保、人とロボットの協働を可能に

 従来は、生産設備に異常や故障などがあると、停止して対処することを安全の基本としてきた。しかし生産設備を止めると、当然のことながら生産がストップしてしまうため、安全は生産性とトレードオフの関係にあるとみられてきた。そのため製造業などの現場では、作業員が生産性を落とさないようにと、生産設備を止めないまま危険を承知で異常などの対処に当たり、事故に巻き込まれてしまうといったケースが後を絶たなかった。たとえ、生産設備に安全装置が取り付けてあっても、作業員は生産を第一に考え、それをわざわざ無効化して作業をしてしまうのである。

 Safety 2.0では、こうした問題を解決することができる。ちょっとした異常や故障なら、生産設備を完全に止めることなく、社会的に許容されるレベルのリスクの範囲内で人の能力に応じた条件で運転を継続させるからだ。

 1は、作業員が回転体の点検に来たときの様子を描いたもの。作業や安全に習熟した左の作業員と、習熟していない右の作業員では回転体の速度を変えて運用する。一方、2では、習熟した左の作業員と習熟していない右の作業員では、機械に近づける距離が違う。

人の能力に応じて機械の速度を柔軟に制御することで、安全性と生産性を両立する(イラスト:楠本礼子、以下同)

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人の能力に応じて「ゾーン」をうまく設定することで、人とロボットの協働を可能にする

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 これまでは「動かす」「止める」の2値制御だったのに対し、Safety 2.0では「速く動かす」「遅く動かす」といった運用も取り入れた多値制御を取り入れる。これにより、チョコ停が減り、稼働率が向上する。さらに、人とロボットの間で常に情報をやり取りするようになれば、同じ空間内で人とロボットが安全を確保しながら互いに協調して作業ができるようになる。

 このように、Safety 2.0ではきめ細かな運用により、これまでトレードオフの関係にあると考えられてきた安全性と生産性の両立を可能にするのである。

安全の見える化で人にやさしく、投資効果も最大に

 Safety 2.0が可能にする「見守り安全」は、様々な分野に展開できると考えられる。

 3は、NTTコミュニケーションズと大林組の事例だ。建設現場の作業員のバイタルデータを常時モニタリングすることで、管理側で客観データに基づいた的確な判断が下せるようになり、事故を未然に防げる。こうした見守り安全が適用できるのは、建設や土木の現場に限らない。

建設現場の作業者にバイタルデータを取得できる衣服を着用させ、熱中症などを予防する

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 例えば、製造業の分野では現場で働く作業員が、流通・運輸・交通・航空といった分野ではトラックやバス、タクシーの運転手、操縦士などが対象になる。この場合の使い方は、基本的には上述の建設現場の作業員と一緒だ。

 一方、人手不足が深刻な福祉・介護といった分野では、被介護者にバイタルデータを取得できる衣服を着せ、常に体の状態をモニタリングする。そして体の異常を示すデータを検知したら、すぐに担当医や介護ヘルパーなどに知らせるという仕組みが可能になる。

 こうした見守り安全は、実は、安全の見える化と表裏一体である。橋梁の構造体にセンサを取り付ける4がその典型だ。他にも、例えば製造業では機械の様々な構成部品にセンサを埋め込み、故障を未然に検知する取り組みなどが既に始まっている。こうした安全の見える化には、安全を確保すると同時に、メンテナンスコストの削減や稼働率の向上といった便益が期待される。

橋梁にセンサを取り付けて亀裂の進展などを見える化し、危険な状態に達したら通行止めにする

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 さらに、IoTを利用して安全装置の効果測定を実施しようとする構想がある。労働安全衛生総合研究所が進める、「根拠に基づく安全理論(EBSEvidence Based Safety)」の体系化の一環で、要は、安全にエビデンスを導入しようとするものだ。これまで安全はその効果が見えにくかったが、それが可視化できれば、安全への投資を的確に見極められるようになる。

コラボが生み出す新たな安全で新技術/新市場を創造

 Safety 2.0は、既存のシステムを大きく変える可能性がある。その好例が鉄道だ。

 現在の、地上設備を用いて列車の運行管理を行うシステムでは、「閉塞」と呼ぶ区間を設定し、安全面から1つの閉塞区間には1つの列車しか入れないようにしている。これに対して全ての列車を無線で運行管理するようになれば、閉塞区間から開放される。これにより、多額なコストがかかる地上設備は最小限で済むようになるし、今以上に過密なダイヤだって組める。

 これをもっと突き詰めていくと、5のように、電車とバス型のDMVDual Mode Vehicle)車両の混在運行を実現する。バスが電車の役割も果たすことで、低コストな運行システムや、顧客満足度の高いサービスの提供が可能になるのだ。

Safety 2.0が実現する鉄道の未来。電車、バス型DMV車両、ディーゼル車両などの混在運行が可能になる

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 こうしたSafety 2.0の究極の姿が「コラボレーションフェールセーフ」である。バスの運転手の不測の事態を自動運転が救う、6が、まさにそれ。とりわけ自動車分野では、自動ブレーキや自動運転などの技術の進展に伴い、様々なコラボレーションフェールセーフが可能になりそうだ。

バスの運転者に異変が起きたら、それを管理センターやバスに急報し、バスが自動で停止する

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 もう1つ、コラボレーションの例を挙げるとすれば、歩行者だ。街中ではスマホを見ながら歩く人をよく見かけるが、いくら自動車の運転手が注意しても、周囲が見えていない歩行者は急に自動車の進路に飛び出してくるなど予想のつかない危険な行動をとる。これに対して自動車と歩行者がスマホを介してつながれば、ある一定の距離に自動車が近づいたところで音や振動、画面表示などによって接近を知らせ、歩行者が自ら回避行動を取るよう促すことができるようになる。

 このように、人とモノが協調すれば、安全の確保の仕方が多様化する。そこには新たな技術と共に、新たな市場、新たな産業が生まれる可能性があるのだ。

 

いま世界で大気汚染がもっとも酷いのはインド

インドの大気汚染は「世界最悪」レベルになっており、年間約110万人が大気汚染で亡くなっているそうだ。また、インドだけでなく東南アジアの多くの都市でも大気汚染が進んでいるという。

大気汚染が深刻な国として知られる中国では最近政府による規制が進んでおり、大気汚染による死亡者数は横ばいが続いているという。いっぽうインドでは2010年から2015年にかけて死亡者が増えているそうだ。

IMF、加盟国為替政策で「率直な」分析行うと期待=米財務長官

 ムニューシン米財務長官は21日、ラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事と電話会談し、IMFが加盟国の為替政策に関し「率直な」分析を提供すると期待していると伝えた。米財務省報道官が明らかにした。

 ムニューシン長官はまた、米政権が国内の雇用と成長促進を重視している点に言及したほか、IMFが加盟国の経済政策に断固とした助言を行うことや世界の不均衡に対処することへの期待も表明した。

 IMFのライス報道官は、電話会談について「IMFについて幅広く建設的な話し合いが行われた」とし、IMFは「米当局との緊密で生産的な関係の継続を期待している」と述べた。

 米国はIMFへの拠出額が最大で、議決権の約17%を保有し、IMFの主要な決定への事実上の拒否権を有している。

 トランプ米大統領が「米国第一主義」を掲げ、中国やメキシコなどとの貿易赤字の解消を訴える中、通貨安競争を避け、世界貿易システムを維持するという20カ国・地域(G20)の公約を米国が破棄する可能性が懸念されている。

 IMFの元理事会メンバーのドメニコ・ロンバルディ氏は「トランプ政権は、対外目標を達成し、中国とドイツへの圧力を強めるのにIMFとG20を活用しようとする」との見方を示した。

 トランプ氏は大統領選で、中国が貿易を有利にするため為替操作を行っていると批判。トランプ大統領が新設した「国家通商会議」の責任者であるピーター・ナバロ氏は1月、ドイツは「過小評価が著しい」ユーロを利用することで米国よりも有利な立場を得ているとの見解を示した。

 ただ、中国からの資金流出を阻止するため、中国人民銀行(中央銀行)がここ1年間、人民元の買い支えを続ける中、IMF当局者はもはや元が過小評価されているとはみなしていない。

 先週就任したばかりのムニューシン長官は、自身が重視する政策課題をまだ明らかにしていない。

 長官就任前には、上院財政委員会に対する回答書で、IMFなどの多国間の枠組みでは「為替操作を阻止できていない」との見方を示している。

ドル下落、FOMC議事要旨と仏大統領選情勢で=NY市場

22日のニューヨーク外為市場では、ドルがユーロと円に対して下落した。米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が予想ほどタカ派的な内容ではなかったことや、フランスの大統領選で極右政党、国民戦線(FN)のルペン党首が勝利する可能性が低下したとの見方を背景に、ドルが売られた。

直近のユーロ/ドル(EUR=)は0.4%高の1.0572ドル。序盤では6週間ぶりの低水準となる1.0494ドルまで下落していた。

ドル/円(JPY=)は朝方の取引で一時、0.7%安の112.91円まで下落。終盤は0.5%安の113.13円となっている。

主要6通貨に対するドル指数(.DXY)は序盤に1週間ぶりの高値となる101.720まで上昇していたが、終盤は約0.2%安の101.220で推移している。

米連邦準備理事会(FRB)が公表した1月31─2月1日のFOMC議事要旨では、多くのメンバーが、雇用とインフレを巡る指標が予想通りに推移すれば「比較的近い」時期の利上げが適切になる可能性があると認識していることが示された。

ただ同時に、メンバーの間ではインフレが大きく上昇するリスクは小さいとの見方が多い中で、緊急に利上げする必要性は低く、仮に物価圧力が強まったとしてもFRBには対応する「十分な時間がありそうだ」との見解も示された。

FRBのイエレン議長は前週、追加利上げを待ち過ぎるのは「賢明ではない」と述べ、夏場までに追加利上げに踏み切る意向をにじませた。

みずほ銀行(ニューヨーク)の通貨ストラテジスト、シリーン・ハラジュリ氏は「(FOMC議事要旨の)メッセージは依然として(利上げに)いくらかのためらいがあることを伝えている。イエレン議長の議会証言から市場が感じ取った印象に対する、一種の警告となった」と指摘した。

一方、フランスの大統領選に出馬している中道のフランソワ・バイル元教育相は、中道・無党派候補のエマニュエル・マクロン前経済相に協力する考えを示した。バイル氏の支持はマクロン氏に有利に働く可能性がある。

BKアセット・マネジメント(ニューヨーク)のマネジングディレクター、キャシー・リエン氏によると「ルペン氏がフランスの次期大統領にならない可能性はユーロの支援材料になるとみられており、それがユーロが持ち直した理由だ」という。

2017年2月22日水曜日

「花粉症にかかった」英語でなんと言う? 病状を伝えるフレーズも紹介!

 今年も本格的に花粉が飛び始める季節になった。日本では5人に1人が花粉症だと言われており、外出時に厳重な対策を取る人が増えてくるだろう。

 そもそも花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を起こす病気のこと。また、花粉症は日本特有のものではなく、地域によって様々な花粉が飛び交っており、例えばアメリカでは主にブタクサやイネ科の植物などの花粉が飛散しているので、それらのアレルギーを持っている場合は海外でも花粉症にかかるケースがあるのだ。

 英語で「花粉症」というと、表現は複数あるが、一般的には「Hay Fever」と呼ぶ。「hay」は「干し草」なので、直訳すると「干し草熱」という意味だが、花粉の種類に関係なく「花粉症」全般で使われる。これはその昔、牧草の干し草が原因のアレルギーが流行した地域で「Hay Fever」という言葉が流行り、その後も同じようなアレルギー症状の病気を「Hay Fever」と呼ぶようになったことが起源とされている。

 医学的に、花粉は「pollinosis」とも呼ばれており、「I'm allergic to pollen. (花粉に対してアレルギーがある)」でも意味は通じるので、覚えておいて損はないだろう。

 すでに花粉症にかかっている、または自分が花粉症なのを知っている場合は、「have」を使った「I have hay fever. (私は花粉症です)」と伝えよう。症状が始まった、あるいは初めて花粉症が発病した場合は「I got hay fever. (花粉症にかかりました)」という表現が適切だ。

 花粉症による病状が出始めたら、下記のフレーズのように伝えるとよい。

・I have/got a runny nose.(鼻水が止まらない)
・I have/got a stuffy nose.(鼻が詰まっています)
・I cannot stop sneezing.(くしゃみが止まらない)
・I have/got itchy eyes.(目がかゆいです)

 また、花粉症対策につながるアイテムの名称も覚えておくと役に立つはずだ。

・Where can I find a flu mask?(マスクはどこにありますか?)
・I need eye drops.(目薬が必要です)

 海外でも花粉症に必ずかかるとは限らないが、心配な場合は日本から医薬品を持参していくなど、対策しておくことをオススメする。

教育国債」創設案浮上…財務省は警戒 麻生氏「償還財源ない

 大学の授業料免除など教育無償化の実現に向け、与野党が「教育国債」を創設して財源を確保する検討を始め、財務省が警戒を強めている。国債を増発すれば将来世代の負担が増えかねないとみているためだ。教育無償化は安倍晋三首相が意欲をみせているが、憲法改正とからみ、政治的な駆け引きの材料になる懸念もある。

 21日に開かれた衆院予算委員会公聴会では、日本維新の会の伊東信久氏が、教育無償化の財源捻出について「行財政改革と教育国債を2本立てで考えたい」と発言。一方、東大大学総合教育研究センターの小林雅之教授は高等教育無償化について、「すべての人が高等教育に進むわけではなく、公平性の問題が残る」と述べた。教育国債は教育に限って国債を発行し、大学授業料などの財源を賄う方式を想定している。

 自民党は2月、教育無償化の財源を議論する特命チームを立ち上げた。教育国債の新設などについて検討し、6月をめどに提言をまとめる方針。民進党も、同じような「子ども国債」を訴えてきた経緯がある。

 ただ、国債発行を管理する政府は慎重だ。麻生太郎財務相は「償還財源がないのに国債を発行することになる」と批判。高等教育向け支出は増えており、財務省幹部は「他の支出を削って賄うべきだ」と話す。維新や自民には憲法改正で高等教育の無償化を盛り込むべきだとの声があり、改憲論議に左右される可能性もある。

百貨店の免税売上高が過去最高 1月、春節と客数増で

 外国人訪日客による全国百貨店での1月の免税売上高は、前年同月より24・8%増の217億円で、単月ベースで過去最高になった。日本百貨店協会が21日発表した。中国などの大型連休「春節」が1月末から始まり、訪日客数が同3割強増えた。過去最高を更新するのは、2015年4月以来、1年9カ月ぶり。

 免税売上高は、中国の関税政策が変更されたり、売れ筋が高額品から日用品に代わったりしたことで、16年春ごろから伸び悩んでいた。一方で来店する訪日客数自体は前年水準を上回って推移しており、日本百貨店協会の幹部は「為替が大きく変動しない限り、売り上げは安定するだろう」と見込む。

 1月の全国の百貨店売上高は同1・2%減の5209億円。初売りなどのセールは前年並みだったが、主力の衣料品は15カ月連続で前年を割り込んだ。

家賃減収、大家が提訴へ レオパレス21「10年不変」

 家賃収入は10年間変わらない契約でアパートを建てたのに、6年後に減額されたとして、愛知県の男性(80)が22日、サブリース大手「レオパレス21」(東京都)を相手に、減額分の支払いを求める訴訟を名古屋地裁半田支部に起こす。同様の減額事案は全国で相次いでおり、少なくとも100人以上のオーナーが一斉提訴を検討している。

 サブリースは、オーナーが建てたアパートを業者が一括で借り上げ、空室に関係なくオーナーに一定の家賃を支払う仕組み。しかし、思うように入居率が上がらず、オーナーへの支払いを減らし、トラブルになるケースが相次いでいる。国土交通省は昨年9月、契約時に「将来的に家賃が減る恐れがある」との説明を業者に義務づけた。

 訴状などによると、男性は愛知県知多市に2階建てアパート(20戸)を建て、2005年1月に同社と月額77万7800円のサブリース契約を結んだ。同社は「30年間、賃料は減額しない」と説明。契約書では「賃料は当初10年間は不変」と明記されたが、経営難を理由に11年10月に約10万円の減額を求め、男性はやむなく受け入れた。だが業績の回復後も家賃は戻らないことから、男性は家賃の増額と、交渉を始めた16年7月からの差額約81万円の支払いを求めている。

 一部オーナーで作るレオパレス・オーナー会(名古屋市)によると、同様に減額された会員100人以上も訴訟を検討。前田和彦代表は「倒産すると言われ、やむなく減額を受け入れた人がほとんど」と話す。

 同社の広報担当者は「家賃を増額した例もあるが、当物件は近隣の相場と比較しても妥当な家賃と考えている。裁判所の調停による解決を目指したが、先方が取り下げた」としている。

2017年2月21日火曜日

「話がわかりやすい」人は一体何が違うのか 理系作家がそのナゾを解き明かす

 相手にわかるように話したつもりなのに、意図が伝わらなかったり、誤解されたり……。仕事上でのコミュニケーションの悩みは尽きないものです。特に、自分と違う業界や職種の人とのやり取りは知識のベースが違うだけに、すれ違いも多くなります。いったい、どうすればよいのでしょうか。

 「数学」「宇宙」「脳科学」……あらゆる理系の専門知識を、わかりやすく多くの人に伝える——。サイエンスライターとして、またTVのコメンテーターとして日々それに取り組んできた竹内薫氏は、「伝えること」のプロでもあります。その竹内氏に、「わかりやすく伝えるコツ」について聞きました。

知識が豊富でも、話がわかりにくいと生き残れない
 「話がわかりやすい人」と「話がわかりにくい人」。あなたの周りには、どちらが多いですか?

 話がわかりにくい人を相手にすると大変です。

 「結局何が言いたいの?」とやきもきしたり、意思疎通がうまくいかずミスが生じたり、いらぬトラブルを引き起こします。わかりやすさが求められるのは仕事の場面だけではありません。家族や友達との会話も同じ。

 たとえば、昨日見た映画のあらすじ。

 「ヤバい! マジで面白かった!」

 「どこが?」

 「え、えーと……」

 これでは、本当に面白かったのかどうか、疑われてしまいます。

 今日の出来事、駅から待ち合わせ場所への行き方、部下への仕事の指示……相手に伝えなければならない情報は日々たくさんあります。それがいちいちわかりにくかったら、相手にストレスを与えてしまいます。

 ここでは、私がサイエンス作家として、理系のエピソードを文系の方にもわかってもらうために意識してきた、「わかりやすく説明する」技術を紹介します。

 そもそも、わかりやすさとはいったいなんでしょうか。あなたは、考えたことはありますか? あなたが人の話を聞いたり、本やウェブサイトを読んでいて「わかった!」と思うのはどんな瞬間でしょうか。

 「わかった!」と感じる瞬間、脳の中では何かが起きているはずですよね。

 さまざまな研究結果があり、とらえ方や考え方も人それぞれでしょう。
しかし、サイエンス作家として、文系・理系の話に触れ、多数のわかりやすい人たちと接してきた、私の解釈はこうです。

 「頭の中に『絵』が浮かび上がった瞬間に、人はわかった!と感じる」

 「ん? 意味がわからない……」

 「?」マークが浮かんだかもしれません。順を追って説明しますね。

「なぜ、簡単な話が通じないんだ!」が起こる理由
 人間は記号を扱う生き物です。記号には、ひらがなや漢字、アルファベットなどの文字はもちろん、数字や音符も含まれます。地球上の生き物の中で、記号を駆使してコミュニケーションできるのは人間だけ。記号は、長い年月をかけて改良してきた便利な道具なのです。

 数字を使えば、「数」を正確に伝えられますし、音符を使えばメロディも共有できます。言葉を使えば、目の前にない「イメージ」も相手に伝わります。

 では、人間は、記号をどのように処理しているのでしょうか。

 実は、記号は、それだけでは伝わりません。記号が人に届くと、脳は記憶を検索し始めます。そして、人の脳内でこれまでの知識や経験と、記号とが見事にマッチングできたときに、初めて「わかった!」となるのです。

 つまり、こうです。

 外から来た「記号」=内にある「記憶」

 この処理の途中で、脳内で「絵」を描き上げます。「絵」が鮮明に描けたときに初めて「わかった!」と感じるのです。

 たとえば、友達との会話で「昨日、海で犬と遊んだ」という言葉が出てきたとします。すると、自分の脳内に、海と犬の「絵」が浮かびますよね。そして、波打ち際で人間と犬が遊ぶ「映像」になると思います。

 一方で、「砂浜に穴があってさ、その穴から変なのが出てきて……」と言われたらどうでしょう。

 確かにこの会話からも、砂浜に穴があいている「絵」は思い浮かびます。
しかし、次の「変なの」は難しい。

 「変なの」といわれても、絵を描くことができません。気になるあなたは
「変なのってなに?」「なに色?」「大きさは?」と自分の脳内で「絵」を描くために相手に質問を投げかけるでしょう。記号が補足され、詳しい「絵」が描けたところで「へー、わかった!」となるのです。

 つまり、「わかりやすい人」とは……相手の脳内に素早く「絵」を描かせてくれる人です。

 逆に、なかなかうまく「絵」を描かせてくれない人が、「わかりにくい人」ということ。その意味では、書店で見掛ける「よくわかる」「マンガでわかる」というタイトルの本は、脳内に素早く「絵」を描く手助けをしてくれるのだといえそうです。

「わかりやすい伝え方」は、ソシュールの言語学に学べ
 私に「わかりやすさとは、脳内に絵を描かせることだ」と気づかせてくれた人がいます。フェルディナン・ド・ソシュールというスイスの言語学者です。彼は「近代言語学の父」といわれ、「シニフィエ」と「シニフィアン」という言語学用語を定義しました。

 たとえば、あなたが海について話しているとします。

 あなたの頭にぼんやり浮かんでいる海のイメージや概念が「シニフィエ」。「海」「うみ」「Sea」という具体的な文字や音は「シニフィアン」です。

 1つ例を出しましょう。

 あなたの目の前にいる「犬」そのものは物理的な存在ですよね。で、あなたが思い浮かべている犬の映像や鳴き声、つまり頭の中の犬のイメージが「シニフィエ」です。これが「犬」「dog」といった言葉(文字・音声)になると「シニフィアン」と呼ばれます。「犬」のイメージは変わらなくても、犬を見る人によってその呼び名は、「犬」「dog」「ワンワン」と変わりますよね。

 言葉というのは便利です。現実の海や犬が存在しない場所でも、言葉を使えば、「昨日、海で犬と遊んだ」という思い出話ができます。それだけ、言葉というのは重要なのです。

 しかし、ここで注意しなければならないのは、あなたが頭の中で描いた犬と、相手の頭の中での犬は、同じとはかぎらないということです。

 あなたが伝える立場になったら、相手にどのような「絵」を描かせるでしょうか? あなたはチワワを描いているのに、相手がブルドッグを描いていたら、通じるわけはありません。

 自分の脳内の「絵」と、相手の「絵」を近づけることこそ、わかりやすさのコツ。具体的で描きやすい言葉で説明することが大切なのです。

簡単な言葉を使えばいいわけではない
 では、相手に上手に絵を描いてもらうには、どうすればよいでしょうか。
まずは相手の頭の中にある言葉、つまり知っている言葉で伝えることです。相手の頭の中にない言葉を使う時点で、わかりやすさの視点で見ると、アウトなのです。

 小学校で習う言葉、平易な言葉を「コドモ言葉」と名付けましょう。コドモ言葉は、知っている人が多い分、わかりやすくなるのは確かです。しかし、すべてをコドモ言葉にして伝えればいいのかといえば、そうともいえません。

 目的は相手の頭の中に「絵」を描かせることですよね。そのためには、コドモ言葉よりも、難しい専門用語のほうが理解が早い人もいるかもしれません。相手が普段使う言葉=相手の頭の中にある言葉なので千差万別、十人十色。人によって違うのです。ある人は専門用語かもしれません。ある人ははやり言葉かもしれません。ある人はアニメのセリフかもしれません。

 つまり、言葉の選び方は相手次第。伝える相手にとっての「わかりやすい言葉」を使うことこそ、わかりやすさの基本ルールと覚えてください。

 ここでは、具体的に私が相手の脳に「わかった!」をつくるために使っている技術をいくつか紹介しましょう。どれも私が実際に使ってきたものです。

 (1)一瞬でロジカルになる! つなぎの言葉

 「たとえば」「だから」「つまり」「しかし」。相手にわかりやすく伝える手段として「つなぎの言葉」、いわゆる接続詞はとても大切です。

 なぜか。接続詞は次にくる話や文がどんな内容かの合図、前振りになるからです。

 「たとえば」の後は例文、たとえ話がくる。「だから」の後は結果や結論がくる。「そして」「しかも」の後は、前の内容と似たような話がくる。「つまり」は前の内容を要約した話がくる。「しかし」「反対に」は前の内容と逆の話がくる……。

 会話や文章の中でつなぎの言葉(接続詞)を強調すると、伝える相手への合図になり、相手が、次の展開を予測することができます。絵を描いてもらうときには、相手に先を予測してもらうことがとても大切なのです。

 人の話を聞いているとき、頭の中は論理モードになっています。これは内容を理解したり、つじつまが合っているか確認したりするためです。「つなぎの言葉」は、脳への合図となり、次の話を予測させます。すると、脳は「受け入れ万全の態勢」になり、話をちゃんと聞けるようになるのです。

 さらに、つなぎの言葉から、次の言葉を話し始めるまでの「間(ま)」を空けるのも効果的です。ほんの少しの間(3秒ほど)をとると、相手が思考を切り替える準備の時間になるからです。

相手に興味を持ち続けてもらうには
 (2)相手を前のめりに! 脳内にハテナをつくる

 つなぎの言葉で、相手が頭の中に絵を描くための準備をさせることをお伝えしました。ここから話を進めるにあたって、話に興味を持ち続けてもらわなければなりません。そのための技術として使えるのが、「脳内にハテナをつくる」。相手が、耳慣れないキーワードを、あえて話の中に入れ込むのです。

 「えっ? なにそれ?」

 相手が驚きとともに、前のめりになったら成功です。

 脳内に「ハテナ」が生まれたら、それを解消したくなるのが人間の性(さが)。相手の頭にハテナができれば、後は簡単です。それを解消する話を展開すればよいのです。

 ただ、ハテナに対しては、きちんとした答えを提示しないと相手は納得してくれません。よくできた物語は伏線をきちんと回収してくれるから気持ちいいのです。

 ハテナ展開で気をつけなければいけないのは、相手に浮かばせるハテナの数です。ハテナは1つ。2つ目のハテナを出すときは、前のハテナを解消してからにしましょう。相手の頭の中がハテナ×ハテナ×ハテナになってしまうと、こちらの説明が大変です。張りすぎた伏線はすべて回収しないと消化不良に。最終的に「こいつは何言っているんだ?」と思われたら最悪です。

ワンランク上の聞き方
 最後に自分が聞き手の立場での技術を紹介します。相手がわかりやすく伝えてくれるに越したことはないですが、そうではない場合も多いもの。こちらから合いの手を入れて、相手の言いたいことを引き出し、まとめてあげましょう。

 私が番組やイベントでMC(司会者)を務めるときも、話がダラダラと長い人がいます。そんなときは、話し終わった後に、

 「つまり、こういうことですか?」

 と要約するようにしています。これには、2つの目的があります。1つは、視聴者や客席のみなさんに話の目的を再提示すること。人間は、新しい情報は、1回聞くだけで理解できないことがあります。そこで、ポイントとなるキーワードをもう一度押さえてあげると、「そういうことか!」と理解が進むのです。

 もう1つはペースをコントロールするためです。聞いたことを理解するには頭を整理する時間が必要なのです。「間」を空けることでそのための時間が稼げます。要約が間違っていなければ、「そうそう」とリアクションしてくれますし、ニュアンスが違う場合は相手が修正してくれます。

 注意事項が1つ。「つまり、こういうことですか?」は疑問形にしてください。「つまり、こういうことですよね」という言い方は、上から目線で角が立つ場合があります。

 ぜひ今日から、「わかりやすさ」を意識しながら目の前の人との会話に臨んでみてください。きっと新たな発見があるはずです。

企業の4割超が「正社員不足」 過去10年間で最多

 帝国データバンクが2月21日発表した企業の人手不足に関する調査結果によると、「正社員が不足している」と答えた企業は43.9%に上った。前回調査(2016年7月)から6.0ポイント増え、過去10年間で最も高かった。

 正社員が不足しているという企業を業種別にみると、「放送」が最も多く、73.3%。「情報サービス」(65.6%)、「メンテナンス・警備・検査」(62.9%)、「人材派遣・紹介」(60.8%)、「建設」(60.1%)も多かった。

 また、正社員不足の企業が最も多い業種と最も少ない業種の割合の差は、前回調査から14.2ポイント減の46.0ポイントへと縮小しており、より人手不足が拡大している様子がうかがえる。

 企業からは「工事案件が数多くあり、人手が足りずに受注しかねる状態」(経営コンサルタント)、「人手不足で仕事を取りに行けない。機動力のある大きい企業が有利」(建設)——など、正社員不足が受注に悪影響を及ぼしているという声が上がっている。

 非正社員についても、29.5%の企業が「不足している」と回答。業種別では、「飲食店」(80.5%)が最多で、次いで「娯楽サービス」(64.8%)、「飲食料品小売」(59.4%)、「繊維・繊維製品・服飾品小売」(55.6%)、「医薬品・日用雑貨品小売」(55.6%)などが多かった。

 上位10業種中8業種を小売・個人向けサービスが占めており、個人消費関連で従業員不足の傾向が強いことが分かった。

 調査は1月18〜31日にインターネット上で実施し、1万195社が回答した。

金利目標上げは時期尚早、強力な金融緩和を推進=黒田日銀総裁

黒田東彦日銀総裁は21日の衆院財務金融委員会で、世界的に金利上昇圧力が強まっているが、短期金利をマイナス0.1%、長期金利を「ゼロ%程度」としている現行の長短金利目標を引き上げることは時期尚早と語った。重徳和彦委員(民進)の質問に答えた。

総裁は、日銀が掲げる2%の物価安定目標の実現には「なお距離」があるとの認識を示し、今後の金融政策運営について「(目標の)早期実現には、現在の金融市場調節方針のもとで、強力な金融緩和を推進していくことが適当」との考えをあらためて表明した。

米国を中心に「確かに国際的に金利水準が若干、上がってきている」ものの、物価2%目標の早期実現には「適切なイールドカーブの形成を促す」ことが重要と説明。「海外の金利が上がったからといって、日本の長短金利操作目標を上げるのは時期尚早だ」と強調した。

相続税対策などを背景に、地域金融機関による個人の貸し家業向け貸出(アパートローン)が急増していることについては「現時点では貸家の需給バランスや、金融機関のリスク管理などで大きな問題が生じているとはみていない」との認識を示した。

もっとも、「貸家業向け貸し出しは長期にわたる」とし、金融機関に対して「適切なリスク管理を促しており、今後も促していきたい」と語った。

另类观点:为了孩子 不要移民这里?

  我7岁就和父母从老家山西移民到美国东岸,长在美国,深度了解美国文化,而成年之后拼命补回中文的一个有事业野心和打拼精神的30岁小伙子,想和大家分享一下我的看法:

  多年以来,很多中国父母穷极一生做着一场移民到美国的梦。这些父母认为美国空气质量高,生活富足,收入可观,孩子在美国也能取得比中国更好的未来。

  为了这个梦,他们不惜一切地把孩子带到美国,甚至直接来美国产子――这样孩子直接能获得美国护照,从出生那天直接成为梦寐以求的 "美国人"。

  无数的中国父母认为孩子因为年龄小而适应能力强,在美国长大一定会享受无数的色彩和发展机会。 "为了孩子的未来"被中国家长当作最重要的移民原因之一。
  但我的亲身经历告诉我,大部分中国父母决定把年幼的子女带到美国的时候,实际上根本没弄清楚在美国文化(甚至西方文化)长大究竟对华裔孩子到底有多么大的负面影响,对他们的归属感,认同感,搭建人脉圈子的能力,将来的职业生涯的发展,有多大的打击。

  首先,很多移民美国的中国父母,大多时候,对美国社会对华裔的态度和待遇一窍不通。他们执着地认为,中国空气污染,教育系统压力重大,地域歧视泛滥,风俗不健康,人们普遍素质欠佳,等等原因造就了他们对美国的浓厚向往。他们对美国的知识和了解一般都是从其他中国朋友,网上,电视等等渠道听到的。但是这种信息来源是片面的。

  中国父母听不到美国华裔遭受的苦难和不公等待遇,各种日常生活之中的歧视。关于美国长大的 ABC (美籍华人)的生活真相他们更从来没接触过。所以中国父母有什么依据来一味,执着地认为让子女变成"美国人"就一定对他们将来利大于弊呢?

  实际上,我很少(甚至都没有)见到美国长大的ABC亲自站出来告诉中国父母他们自己在美国长大的感受――大部分在美国长大的中国孩子一般不会太多中文,由于他们从小就缺乏汉语环境,听不到看不见中文,哪怕周末再努力地去"中文学校" 补自己的母语也往往不够。孩子渐渐得就把中文完全忘光了,长的个炎黄子孙的脸,而一句中文都说不出来。
  这些ABC没法和他们的中国父母交流,更没法将作为美籍华人的真实感受分享给他们的父母和说中文的朋友。反而,因为中国父母听不到子女的心声,就误以为子女都活得非常滋润,认为子女一定已经完全融入美国主流白人圈子了。

  但是ABC在美国生活的普遍没有父母认为的那么滋润!

  大部分ABC不和父母交流心声,不意味着他们都活得比中国长大的孩子好。

  虽然他们不用呼吸中国污染的空气,也不需要榨尽脑汁披星戴月地背唐诗宋词,但是长在美国的ABC们普遍遭受隐形的心理迫害:

  1)永久的文化隔阂, 2) 终身摆脱不了的二等公民待遇(特别是华裔男生), 及3)消除不掉的种种事业障碍。

  这些隐形的弊端对孩子构成很长期的压力和迫害,父母至少应该深度了解一下孩子在美国的真实情况,多和孩子交流,多听听孩子的心声,而不要一味去否认这些负面因素,自私地为了保护自己的尊严而遗弃了对孩子的关照和协助。

  文化隔阂:永久,且难以避免

  1)长在美国的华裔孩子遭受永久性的文化隔阂,没有体验过的中国父母很难完全理解

  美国虽然有很多好处,想象的那么公平。在美国长大的ABC虽然英语和白人一样流利(经常会比他们更好),但是由于他们长得一张中国脸,几乎融入不进美国主流文化。

  ABC大部分还是和其他ABC一起玩儿。虽然小时候还是能交到各个种族的朋友(我小时候也有白人朋友,黑人朋友,等等)但是成年之后很少看到ABC能在主流白人圈子里如鱼得水。和语言无关――西方文化很歧视我们中国人这种长相。

  美国文化认为华裔没有白人优越,设定了诸多很难推翻的刻板印象――只会埋头苦干,没有领导能力,不善言辞,没有人格魅力。很多白人,包括媒体人,都会公开嘲笑华裔的体型不如白人强壮,笑话华裔眼睛小,不如白人好看等等很恶劣的讥讽。

  (美国人对中国人的典型偏见:眯缝小眼睛,送中餐外卖)

  读初中和高中的华裔孩子则很容易受其他种族孩子的欺负,步入社会之后也会经常受到很多变相的歧视。总而言之,这些负面因素积少成多,能使很多ABC失去自信,播撒失败的种子。

  由于上述诸多原因,ABC在美国实际上就是活在一个文化狭缝之中。

  他们虽然长在美国,学了英语,但是永远不会被视为真正的 American。同时,他们也融入不了中国人的圈子。我读大学之时,亲自看到ABC被中国留学生嘲笑――为什么长的中国人的脸而中文一句都不会说?

  ABC 既不被美国圈子欢迎,同样也不被自己的中国人接纳,这种文化隔阂和绝望的感受是中国父母没法了解的,但中国父母一定要意识到这个问题的存在。

  很多中国父母一直逼迫孩子去努力融入美国主流,但是我今天想让所有中国父母知道:哪怕你的再努力融入美国圈子,你终究不会成功。美国人一看我们的中国面孔就把我们视为外人了。一个有中国面孔的黄种人,不管你英语再地道,是融入不进美国核心白人圈子的。美国人就从来没想把我们中国人当成自己的人看。"孩子稍微再努力一把就能融入白人圈子"不过是个妄想。

  融入不了美国圈子,但是同时也失去了中国圈子的精神支持,ABC身处于一个非常尴尬的地步。况且,这种尴尬几乎没法解决,因为孩子在美国长大那几年已经耽误了他们学好中文的那段日子了。

  这是个非常严重的问题,移民海外的父母一定要了解这种处境对孩子有多大的打击。物以类聚,人以群分。每个人的心态健康实际上都取决于有自己的圈子。人都得有归属感,有一个自己不受歧视的群体。

  移民到美国的父母不经意得就把子女这个很重要的"归属感"和"圈子"掐掉了。没有圈子,没有认同感,对大部分人的心理有长期的伤害,甚至能导致孩子患上抑郁症甚至自杀。

  二等公民身份:终身如影随形

  2)长在美国的华裔孩子终身摆脱不了二等公民的身份

  把孩子早年带到美国的父母没意识到,来美国的行为就等于剥夺了子女将来回中国的选择。

  这个选择实际上很重要。为什么? 每个人都得有个家乡。

  如果父母强迫孩子"虽然长得一张中国脸",但是只能在西方国家生活。这意味着孩子只能在白人主导的社会之下而生存。华裔在美国普遍被视为二等公民,比白人低一档次(甚至比黑人都低)。

  父母能接受这种现实,那也是因为这恰恰是他们实行自己的选择权的结果。况且,很多父母以后也能回国,所以他们心里有底,觉得美国再不舒服也是他们"选择"来的,大不了以后回国。

  但是ABC就不一样了。ABC没有选择。他们什么都没做,父母给他们设定的就是终身只能作为白人之下的二等公民,连个回国逃避美国白人的歧视这种选择都没有。

  一个人有选择而不行使,和没有选择,是完全不同的概念。

  美籍华人年龄大了越会感到对家乡的渴望,但是他们终究没有真正的家乡。中国人也不认他们,美国人也不认他们。他们没有家乡,无法落叶归根。他们一辈子只能忍气吞声地当美国的二等公民,受到重重的压抑和歧视。这是一个很凄惨的事实。

  此外,美国对华人的歧视在华裔男生上体现得尤为明显。大部分中国父母不知道,但是美国主流白人尤其不尊重中国男生。白人很喜欢开中国男生的玩笑,觉得中国男生长得没他们好看,体型没有他们强壮,眼睛小,丁丁小,等等。

  中国男生在美国一般从小就受到很多外国同学的欺负和侮辱,对孩子关键成长期的自信有很大的隐形损害。

  白人经常模仿这个姿势嘲笑中国人的小眼睛

  ABC男生在美国普遍来讲一点社会地位都没有,找对象特别困难,长大后在职场和社会一样继续受很多人的欺负。再加上华人在美国没有丝毫政治地位,没有政客代表,华裔男生只能忍气吞声,连个抗议的渠道都没有。

  华裔男孩子在美国各个领域都吃亏,几乎没有一个地方是占优势的。在这个方面,华裔女生更受白人男生欢迎,但是华人男生普遍来讲既不受白人男生欢迎,更不受白人女生的欢迎(有调查显示中国男生在美国找对象要比白人男生、黑人男生、甚至拉美男生难得多)。

  某网站做的统计,亚裔女生和白人男性最受欢迎,亚洲男性无人问津

  所以有儿子的中国父母一定要意识到,把儿子带到美国就是让后代失去了他们做为男生应该有的尊严和地位。对ABC男孩子将来的自尊心有很大的破坏。

  失去文化背景,难以成功

  3)其三,早年移民美国而失去中国文化和背景对孩子将来的事业发展有很大的打击

  ABC"不伦不类"的身份在商业,政治,法律,创业,甚至科技界均遭很大的劣势。主要原因就是这些领域的发展都与人际关系密不可分,不是谁考试分数最高谁就能干得好。

  但是ABC恰恰就是在人际关系上特别吃亏,因为他们既不能融入美国圈子,也不能融入中国圈子。这些领域的发展很依赖于客户,政客,投资者打成一片。在这种拼关系的残酷竞争下你光有好成绩半毛用都没有。因为ABC的背景与本地白人和来自中国人的背景都无法对接,他们自然会遇到发展瓶颈,因为没法深入了解客户的需求,也没法和他们达成共鸣。

  所以父母得小心,把孩子带到美国,有可能就等于切断了孩子未来创造事业的翅膀。

  本人就在常青藤大学读的本科,在美国读完了大学在纽约和香港的投行均工作过。本人发现的事实就是如此,白人和在中国长大的孩子都混得相当不错,可以搭建圈子,有锦绣前途可言。但是ABC却很尴尬,白人客户也不把他们当成自己人,中国客户也不认他们为中国人,对有野心的ABC来说这是个莫大的问题!

  这种天花板是ABC几乎没法克服的,不管ABC再努力也没用,因为两边主流文化都不认他们。可惜的是我周围好多ABC都是我见过最刻苦,最能干的人,但是就凭他们身份上吃亏而在好多领域都屡遭天花板。

  对孩子来说,父母这么早就割断了孩子的文化根源是极其不负责任和自私(伤害孩子)的行为。将来孩子受的苦是说不出来的一种苦,没人能理解的一种孤独的痛苦。

  在美国,我认识很多ABC学习非常出色成绩很优越但是就是发展不起来,然后父母也不懂或者不想倾听他们的想法和感受,反而弄得孩子终身孤独和无路可走。

  出国,请三思而后行

  总之,我的目的就是从一个ABC 的角度与大家分享一下中国孩子在美国长大的真相。世界上没有免费的午餐,别认为孩子在美国长大就能轻轻松松融入美国社会。别认为虽然中国有各种各样的社会弊端,就等于来美国之后所有在中国的担忧就魔术般的消失了。

  让孩子在美国长大对他们是个很大的挑战,对他们心理的伤害很深。在我看来,还不如让孩子高高兴兴做个中国人,在中国长大好。将来孩子成年之后可以自己来美国呀。为什么非要这么着急把他们带到一个本身就瞧不起中国人的西方国家,让他们在种族歧视的阴影下长大?

  我们有着中国人的脸,再努力融入西方文化也是个徒劳。无论孩子再努力,英语说得再好,也不一定能融入美国社会,因为他们长得一张中国人的脸。

  然而,父母得意识到,在他们忙着想让孩子融入美国之时,同时也失去了孩子本来应该有的中国身份和背景。这种愚蠢的选择使孩子没法将来有回祖国发展的途径。最终结果就是导致孩子在中国或者美国都终身陌生,以后中国发展得再好孩子也没法回去生活,享受作为中国人的荣誉和尊严!

  上帝既然造我们是中国人,我们就应该骄傲,自豪地做我们的中国人,而不是强迫孩子当一个本身就当不了的西方人。

  个人看法:虽然在美国,但是俺也不是ABC,不过,不明白为什么很多人觉得华人是二等公民,华人在美是二等公民,受歧视?看看这些再说吧!从来没有觉得过,美国法律对种族歧视,或者说对任何歧视都处罚的非常严重!在美国尤其在政府,雇佣员工不能因性别,年龄而拒收招聘人,一旦涉及到种族歧视可能就会惹官司上身,每年政府雇佣人除了各种族裔的都招聘还要特别招收一些残疾人,不招残疾人就会涉及到歧视。

  当然了也不是说一点歧视没有,流传在华人圈里的一则白人歧视华人的�铁证�:大家知道现在美国矽谷聚集了大量的华人精英,他们也大多收入不菲,所以他们置业就都选择附近高等社区,认为这些社区大部分是高级中产白人,素质高,但是慢慢的华裔和印度裔越来越多,而住这个社区的白人纷纷把房子卖给华人和印度人,最后这个社区的白人都�跑光了�,在其他社区生活了。然后这个社区白人跑光这件事就成了白人歧视华人的�铁证�了。

  记住一点,初到美国,可能骗你最多是自己人,自己人骗自己人在海外已经形成了恶性循环,相反帮你的人,可能是那些你认为会歧视你的人。

兵庫に宿泊、台湾からが最多 神戸スイーツに魅力?

 台湾の人は兵庫がお好き?−。2015年に兵庫県内で宿泊した外国人は、台湾から訪れた人が全体の約3割を占め、国・地域別で最多だったことが観光庁の調査で分かった。最近は「東京−大阪」ルートの人気が一段落し、台湾からのリピーターらは「神戸スイーツ」などに関心が高いという。兵庫は台湾、中国、韓国など東アジアからの旅行者が4分の3を占めるが、都道府県によって人気を集める国や地域はさまざまだ。(金 慶順、鈴木雅之)

 同庁の宿泊旅行統計調査によると、15年に国内で宿泊した外国人は延べ6561万人。国籍(出身地)の内訳は、中国が最多の27%で、台湾、韓国、香港と続く。都道府県別の上位は東京1756万人、大阪897万人、北海道564万人、京都458万人だった。

 兵庫で宿泊した外国人は延べ121万人。トップの台湾(29%)に続き、中国26%、韓国11%、香港9%、米国3%の順だった。

© 神戸新聞NEXT/神戸新聞社 神戸新聞NEXT

 これまでは東京と大阪の観光地を結ぶ「ゴールデンルート」が人気を集めてきたが、関西圏の観光PRサイト「おもてなし関西プロジェクト」(神戸市中央区)を運営する飯田桃子さん(27)は「台湾の人はすでにゴールデンルートを行き尽くしている」と指摘する。

 リピーターは広く日本の観光地を開拓する傾向にあるといい、飯田さんは「台湾の人は甘いものやコーヒーが好き。兵庫では特に、神戸のスイーツやカフェなどの文化が台湾の人の関心にマッチしている印象だ」と話す。

 神戸市観光コンベンション課は「台湾は旅慣れた個人旅行者が多く、町歩きや日本文化の体験も人気。現地で行う地元旅行社向けセミナーが功を奏しているのでは」とみる。

 都道府県別では、京都は中国、台湾が多いが、日本文化や歴史への興味から欧米とオーストラリア(豪州)も4分の1が占めた。

 アジア地域が上位を占める中、広島は唯一、米国が15%で1位。ヨーロッパ(欧州)、豪州と続く。「原爆ドームや平和記念公園に関心が高いのでは」と観光庁。一方、北海道や東北は台湾やタイなどからの観光客が目立ち、雪景色やスキーといった魅力が浸透しているとみられる。

 また九州は隣国の韓国が全体的に多く、鹿児島と沖縄は台湾がトップに立つ。九州・沖縄は「韓国や台湾の人には、気軽な旅行先として人気」(同庁)という。

 

陶器に含まれた磁性粒子を元に紀元前の地磁気の変化を調べる手法が考案される

地球の磁場(地磁気)は一定では無く年月とともに変動していることが知られている。しかし、磁力計が発明される以前の大昔の地磁気の変化を確認する方法は少ない。そんな中、考古学者と地球物理学者のグループが、古代の陶器から当時の地磁気を推測するという手法を考案したそうだ(PNAS掲載論文npr)。

粘土の中に紛れ込んでいる小さな強磁性粒子は、陶器が硬化した際に固まり、磁場のスナップショットとして機能するそうだ。また、年代を特定する方法としては政府の税記録を利用する。当時の政府は、税金を徴収するために使用された陶器にシールを貼り付けていた。このシールは、新しい王が登場したり、侵略によって政府が変わったりするたびに置き換えられてきたという。研究者は、陶器の磁性粒子とシールの双方を参照することで、紀元前8世紀から紀元前2世紀までの6世紀に渡る地磁気強度の変動を確認することができたとしている。

 

いつも掛け声倒れの「中国崩壊論」 経済は持ち直す?

中国崩壊論は結局いつも掛け声倒れに終わる。2015年以降、株式市場崩壊、不動産市場再バブル、人民元下落、外貨準備高の減少、地方財政の危機、鉱工業生産力の過剰、疑惑のGDP成長率など危機は次から次へとやってきた。その都度、今度こそ崩壊だと論者たちは語気を強めた。しかし彼らの予想を裏切り中国は存在し続けている。それどころか経済指標は上向いてきた。どうして中国は崩壊しないのか。改めてその原因を改めて考察してみよう。

■欧米流の概念は当てはまらない

第一の原因は、中国崩壊論者が取り扱う概念をはき違えていることである。中国では、自由、民主、個人、政府など用語の意味が異なる。例えば中国人は独裁の圧政にあえぎ、民主的な社会の実現を目指して闘っている。または闘っているはずだ。という思い込みである。しかし実際に闘っているのは一部のインテリだけである。

一般の人たちは、自らの利益を求めての闘いにひたすら明け暮れている。儒教の「仁・義・礼・智・信」という徳目は、父子、君臣、夫婦などそれぞれの相対的関係を定めたものに過ぎず、それらを統合した実現すべき「社会正義」は存在していない。

つまり中国の正義は人の数だけあるのだ。そして儒教徳目に大きく反しないかぎり、中国人には広範な自由空間がある。ひどい大気汚染や交通事情、果てしない賄賂社会なども、それら自由な活動の結果として見れば理解しやすい。

個々で交渉し自分たちの自由(その結果としての富貴)を実現すればそれでよく、他人にも国家にもあまり関心はない。つまり今の抑圧的な政治体制では、民主的な自由を求めて民衆の不満が爆発しないはずはないという外国識者の議論はまったくあたらない。既得権者は現政権を支持しているし、中国では元々民衆からの革命などあり得ない。中国人を欧米人ならびにその影響の強い日本人などと同じように考えてはならない。

■高い問題解決力

第二の原因は、中国は問題を解決していることである。崩壊論者はこれを全く評価していない。中国政府は2015年6月の株式市場暴落時、あらゆる手を打った。

例えば国有企業に持ち株の売却を一定期間禁止することまでやった。それらは市場経済の原則に大きく反する強引な手段と世界には映った。

しかし国有企業を含め、国家機関をトータルコントロールするのが共産党の使命である。したがってどんな手であろうと打てる。いわば損害の付け替えを平気で行えるるのだ。欧米の組織論とは全く別の基準で動く。その結果、上海株式市場は3000ポイント代前半ですっかり落ち着いた。効果は上がったのである。

また議長国として臨んだ2016年9月の杭州G20サミットでは、過剰生産力の調整を国際的に約束させられた。

しかし最新のニュース(上海証券報)によると、2015年末の石炭、粗鋼、セメントの設備稼働率はそれぞれ64.9%、67.2%、67.0%まで落ちていたが、生産調整を急いだ結果、2016年10月、つまりサミットの1カ月後には、石炭と粗鋼の2部門ですでに年度削減目標を、16.0%と44.4%も超過達成したという。

石炭業界の利潤率は前年比▲56.9%とV字回復した。強引で性急な政策により、生産現場は理不尽な仕打ちを受けることになる。しばしばニュースとなるのはこうしたシーンだ。また帳簿の飛ばしなどで、問題を隠蔽している可能性もある。とはいえ中央集権の威力によって得られる短期的効果は十分だ。

外の世界から見れば、中国はこのところ経済危機の連続だった。しかし問題をしっかり認識し、解決することを繰り返している。またIT関連などのベンチャー産業には、各地方政府が競うように投資ファンドや特区作りに励んでいる。産業の高度化も強引に進めているのだ。怪しい統計データを出し続けて表面上を取り繕っているうちに、内実も備わってきた。2016年第四四半期ではほとんどの数字が上向いている。景気低迷も腕力で振り切りつつある。

米連邦議員団が安倍首相表敬、経済関係の強化などを確認米議員団と首相 経済関係強化を確認

■群を抜く個人の強さ

第三の原因は、中国では個人の強さが卓越していることである。一人一人が交渉力の高い手ごわい商人だ。彼らは政府に何かしてもらおうとは思っていない。政府とは利用するものに過ぎない。そして治安を守れず商売の役に立たなくなくなった政府は、交代させられせる。現政権が治安維持にこだわるのもこのためだ。

一般に「上に政策あれば下に対策あり。」と表現されるが、実は個人も政策をしっかり持っている。金持ちはすでに対策を終えている。外貨、海外不動産、外国保険商品、美術品、奢侈品、などに保有資産を細かく分散させた。もう政府の政策変更で倒れる金持ちなどいない。ただし分散の流れが止まらないというのが今の状況だ。

貧困層と呼ばれる人たちも実は侮りがたい。5〜10万元(80〜160万円)くらいの貯金はみな平気で持っている。いざとなれば親戚を通じてこの2倍くらいは手配できるだろう。そのいざというときに備え、じっと何かが起きるのを待っているのだ。待っていた甲斐はあり、最近はそうした農村の貧困層にも、ネット金融を通じて資金が流入するようになった。農村にも新たな事業の次々に育つ可能性が出てきたのである。とにかく中国人は自らの富貴しか眼中にない。現行の政府が崩壊しても顔色を変えずそのまま商売を続けるだろう。

■最大の不確定要素

中国はダイナミックに変化している。1〜2年前の中国崩壊論の前提はすでに崩れているし、何しろアメーバのような組織のため、一カ所切断しても他所で再生し生き残る。この苦境の1年を耐えたことでさらに強靭さを増している。もう簡単に崩壊することはない。

ただし懸念は残っている。そのうち最大の不確定要素は誰あろう習近平主席の去就である。前任者たちのように2期10年ですんなり降りるのか、それとも「指導的核心」として居座りを画策するのか。秋の第19回党大会において、次期主席候補をしっかり選ぶかどうかにかかっている。これが3月の全人代から党大会まで、中国政治の中心テーマとなる。

こんなことに振り回されていて本人が目指す「法治国家」と言えるのだろうか。経済はダイナミックに変化しても、このばかばかしさだけは不変である。

2017年2月20日月曜日

プレミアムフライデーは日本に定着するのか

 2月24日の金曜日から始まる「プレミアムフライデー」を前に、各社の取り組みが本格化している。

 プレミアムフライデーとは、原則月末の金曜日は午後3時ごろまでに退社時間を繰り上げ、買い物や観光などの時間を創出しようというもの。主目的は消費喚起で、働き方改革も兼ねている。

■ビール半額、旅行も割引に

 旅行業界では、最大手JTBが2月24日と3月31日(金)を出発日とする旅行プランを販売。枚数限定でツアー代金や宿泊料を割引するクーポンも配布した。当日は、自社とグループ会社の社員にも早い時間の退社を促す方針だ。

 外食業界では、サントリー系列の一部の飲食店が開店時間を早め、15〜18時限定で「ザ・プレミアム・モルツ」を半額で提供する取り組みを行う。

 百貨店業界はすでに"セール疲れ"に陥っていることもあり、大々的なセールは行わない。「実施規模が不明で、大掛かりなイベントは正直やりづらい」(大手百貨店の関係者)。衣料品販売も苦戦していることから、伊勢丹新宿本店ではレストラン街で食べ歩き・飲み歩きができる体験型イベントを企画する。

いち早く動いた大和ハウス
 プレミアムフライデーはGDP(国内総生産)の約6割を占める消費が盛り上がらない中、対策を練っていた経済産業省と日本経済団体連合会(経団連)の意向が一致し、昨年の12月に取り組み方針を公表。官民連携の推進協議会も設置された。

 推進役の経団連は、最初は旗振り役を務めるが、基本的には企業の自主的な取り組みに任せる方針だ。大和総研の長内智シニアエコノミストは、「モノ消費の場合、金曜日に買っても土曜、日曜に消費を控える可能性がある。(旅行や飲食といった)サービスなどコト消費を拡大させることが重要」と話す。

■必要な企業の本気度

 プレミアムフライデーが実効性を持つかは、サービスの普及以上に、企業が従業員の退社時間を本気で繰り上げられるかがカギとなる。大手でいち早く動いたのは大和ハウス工業だ。同社の樋口武男会長が、経団連の榊原定征会長から直接要請を受け、偶数月の最終金曜の午後は半日有休とする制度を導入した。パートを含む約2万人の全従業員が対象だ。

 もっとも住宅展示場などで働く営業部門では戸惑いもあった。大和ハウスだけ休みとなれば、機会損失にもなりかねない。一方で、労働環境の改善に真剣に取り組んでいることが世間に伝われば、イメージアップや優秀な人材の獲得などにもつながる。「来場者の案内方法などを工夫して、休めるような努力を求めていく」(人事部)という。

 企業によってとらえ方はさまざま。休日分散を訴えてきた星野リゾートの星野佳路代表は「金曜日から週末に需要を集中させるのではなく、休日を分散させるほうが、日本の観光業には望ましい」と指摘する。プレミアムフライデーは、有休取得が進まず、休日が集中する現状で生み出された苦肉の策といえる。

福島第一原発2号機に投入されたサソリ型ロボット、原子炉圧力容器下には到達できず

東京電力は16日、福島第一原発2号機の原子炉格納容器(PCV)内部を調査するため自走式調査装置(サソリ型ロボット)を投入したが、目標としていた原子炉圧力容器(RPV)下には到達できずに調査を終了した(2号機原子炉格納容器内部調査について 〜自走式調査装置による調査結果〜 参考資料: PDF[1] [2] 朝日新聞デジタルの記事 河北新報の記事) 

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号機は溶融したRPV内の核燃料の一部が原子炉本体を支えるペデスタル内に落下している可能性が判明しており、1月30日に実施したガイドパイプカメラによるペデスタル内部の調査で堆積物が確認されている。 

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9日には堆積物除去装置を用い、制御棒駆動機構(CRD)レール上の堆積物除去が行われた(PDF)。堆積物の除去は装置の着座地点からペデスタルに向けて約1m進んだが、2時間ほどでカメラの映像が見えにくくなったため、作業を終了して装置を回収している。 

今回の作業では堆積物除去装置の到達位置よりもペデスタル側の吊天秤付近まで進むことができたが、左側のクローラベルトが動かなくなり、前進できなくなったという。堆積物の破片が駆動部に入り込んだためとみられ、ケーブルを引っ張って堆積物の少ない場所まで戻したものの、完全に動けなくなってしまう。そのため、可能な範囲でCRDレール上の状況などを調査したのち、今後の調査の支障とならないようケーブルを切断してCRDレール脇に残置したとのこと。東京電力では今後、一連の調査で得られた情報の評価を行っていく。

<貸家着工>首都圏でバブル? 新築増えて空室率上昇

 2016年の貸家着工は41万8543戸と8年ぶりの高水準になった。相続税の節税対策でアパートなどの貸家を建てる動きが活発化しているためだが、一方で既存のアパートやマンションの空室率は上昇している。専門家は「実需を伴わないアパート・マンション建設は続かない」として、バブル崩壊と首都圏郊外のさらなる「空きアパート」増加に懸念を示している。

 16年の新設住宅着工戸数は前年比6.4%増の96万7237戸で、2年連続で増加した。13年以来3年ぶりの高水準で、日銀のマイナス金利政策などを受けた低金利の長期化も住宅建設を後押しした形だ。

 中でも大きいのが貸家着工の増加だ。新設住宅着工のうち、持ち家や分譲住宅は20万〜30万戸台にとどまる。これに対して貸家着工件数は08年のリーマン・ショック後は30万戸前後で推移したものの、13年に35万戸を回復し、16年には40万戸を突破。この結果、新設着工の4割超を占めている。

 貸家着工増加の背景にあるのが15年の相続税の課税強化だ。貸家を建てると土地の評価額が下がって相続税が減らせるため、節税目的のアパート建設が相次いだ。だが、新築アパートが急増したことで、古いアパートの空室率が首都圏近郊を中心に急増するなど、ひずみも生じている。

 不動産調査会社のタス(東京都中央区)によると、首都圏のアパートの空室率は15年夏ころから急上昇しており、神奈川県や千葉県では木造などの空室率が35%を超えている。同社の藤井和之主任研究員は「少ないパイをアパート大家が奪い合っている状態。首都圏近郊で埋まっている物件は、駅近や新築などの条件の良いものが多い。人口減が続く中、条件の悪い物件は徐々に不良債権化していくのではないか」と分析している。

 また、首都圏近郊などでは、今後、高齢化が急速に進展することが予想される。ニッセイ基礎研究所の岡圭佑氏は、相続税の課税強化や低金利の長期化で「すぐにバブルが崩壊することはない」としながらも、「首都圏郊外の高齢化の進展がバブル崩壊のきっかけになる」と懸念を示している。

2017年2月17日金曜日

寝過ぎは逆効果? 長生きできる最適の睡眠時間とは

長く眠るほど寿命が縮む?
1980年代にアメリカで100万人以上を対象に行われた、睡眠時間と寿命の関係の調査では、予想外の結果が出ました。
1日に6.5〜7.5時間の睡眠をとっている人が最も死亡率が低く、それ以上およびそれ以下の時間、眠っている人は寿命が短くなる傾向にあったのです。特に長く眠っているほうが問題で、7.5〜8.5時間以上の睡眠時間をとっている人は、6.5〜7.5時間睡眠の人よりも死亡率が20%もアップしました。

この研究を行ったカリフォルニア大学サンディエゴ校のダニエル・クリプペ博士は、「睡眠は食欲と似ている。欲望にまかせてものを食べると、食べすぎて健康を害する。睡眠も、眠たいからといって、いつまでも寝ていると、体によくない」と述べています。

日本でも、同じような結果が出ています。名古屋大学の玉腰暁子先生が、40〜79歳の男女約10万人を、10年間にわたって追跡調査しました。対象者の平均睡眠時間は男性7.5時間、女性7.1時間でしたが、死亡率が最も低かったのは、男女とも睡眠時間が7時間の人たちでした。睡眠時間が7時間より短い人も長い人とも、死亡率が高くなる傾向が示されました。

睡眠時間が長い人の寿命が短くなる原因は、まだはっきりしていませんが、長く眠る人は何らかの健康上の問題を抱えている可能性が指摘されています。
時間を有効に使えません
私たちの生活は体内時計の影響を強く受けています。脳を休めるノンレム睡眠の中でも特に重要な深い睡眠は、寝ついてから早い時間帯に多く現れます。逆に浅いノンレム睡眠は、深夜過ぎから朝にかけて増えてきます。
さらに日の出以降は、太陽の光や外界の騒音のために深く眠ることができません。このように浅い睡眠を長く続けると、睡眠の質が悪くなり大切な時間の無駄遣いになります。

日中の時間を有効利用するという点でも、ダラダラ眠っているのは逆効果。睡眠と覚醒の深さは、お互いに影響しあっています。グッスリ深く眠ると目覚めがスッキリし、起きてからの覚醒度が高く保たれます。逆に、浅い眠りを長く続けると、目覚めた後も覚醒度が上がらず、眠気に襲われやすくなります。休日に睡眠不足を取り戻そうとして、いつまでも布団から出ないでいると、起きてからも体がだるく居眠りしやすくなってしまうのは、これが原因です。

朝型と夜型で違いはありますが、人間は基本的に日中に作業効率や意欲、集中力が高く、太陽が沈むと脳の働きが低下してきます。「朝の学習は、夜の学習の6倍の効果がある」とも言われています。目覚めている時間を有効に使うために、休日でも平日の起床時刻の2時間以内には起きて、新しい1日をスタートしましょう。

長生きするための睡眠法
眠り過ぎると寿命が短くなるのと同様に、睡眠時間が短くても長生きできません。健康に長生きするためには、自分に必要な時間だけ質のよい睡眠をとることです。
必要十分な睡眠時間を知るには、寝つきと目覚めが良く、起きてからも活動的に過ごせた日の睡眠時間を、何回か記録してみることが有効。緊張している平日とリラックスできる休日では必要な睡眠時間が異なることがあるので、この2つは分けて記録します。

眠るべき時間が決まったら、深く眠ってスッキリ目覚める準備をします。

●眠る前にすること

まず、寝室の環境を整えましょう。室温は冬なら15〜20℃、湿度は50〜60%にします。部屋はなるべく暗くしますが、不安な人は豆電球のフットライトをつけておきます。静かに眠るためには、厚手のカーテンや2重窓、静音家電が有効です。

布団に入ったら、翌朝に起きる時間を強く意識します。「自己覚醒法」といいますが、深層心理に働きかけて予定時刻に目覚めやすくなります。6時に起きるなら枕を6回叩くのも、良いでしょう。また、翌日が楽しく充実した1日になるように、イメージすることも大切です。仕事がうまくいくとか、思いがけない出会いがあるとか、ワクワクすることを想像してみてください。

●朝にすること

朝は、目覚まし時計が鳴ったら、1回で起きましょう。スヌーズを使ったり、たくさんの目覚まし時計をかけたりすることは、睡眠の質を悪くする元。布団の中でグズグズしていては、人生の大事な時間を無駄にしてしまうと、危機感を持ってください。

目を開けたらすぐ、掛け布団を跳ね飛ばすと、寒さで目が覚めます。あの西郷隆盛さんもやっていた、薩摩式の目覚まし法です。そして、部屋の明かりをつけカーテンを開けて太陽の光を浴びると、体内時計がリセットされます。

●眠気の対処法

起き出したら冷水で顔を洗うと、眠気を減らしてくれます。コーヒーや紅茶などに含まれるカフェインは、脳の催眠物質の働きをブロックしてくれます。少しでも良いですから、朝ごはんを食べましょう。胃腸にある第2の体内時計「腹時計」が動き出します。エネルギー源であるブドウ糖が補給されると、脳の働きが活発になってきます。

日中に眠気が強くて辛いときには、積極的に居眠りしてしまいましょう。午前中から午後3時までの仮眠は、睡眠不足の解消に役立ちます。横にならずにイスに座った状態で、10〜30分眠ると、眠気が減って覚醒度が高まります。

仕事のデキる上司が、自然と部下にかけている言葉(8選)

インターン生を指揮するにしても、ビジネスをするにしても、あなたの部下が仕事をうまくこなせるかどうか、あるいは、あなた自身の身を守れるかどうか。それは「リーダーシップ」によります。

そして、幸いにもチームのメンバーのやる気を刺激したり問題を収めたりする解決策は、あなたの「舌先」にかかっています。つまり、リーダーシップをうまく発揮するための要素を生かすも殺すも、すべてはコミュニケーション次第なのです。

01.

君を100%信頼しているよ。

部下を信用せず、細かな気遣いをしようとしない上司ほど、やる気を削ぐ存在はいないでしょう。

セオドア・ルーズベルト元大統領も

「最高にすぐれたリーダーとは、自分の望むことをやり遂げてくれる優秀な人材を選び出し、自分自身はほどよく自制して、ちょっかいを出さないように努める人間である」

という名言を残しています。

手綱を放して完全に任せてしまうことは、最初は大変かもしれません。でも、あなたがチームのメンバーに「仕事を全うする機会」を与えることで、職場環境はより刺激的で素晴らしいものになるでしょう。

02.

これこそまさに

求めていたものだよ。

「Lockheed Martin社」のCEOであるMarillyn Hewson氏は、キャリア成功の最大のカギについて、こう語ります。

「すぐれたリーダーは、人々にやる気を起こさせ、なぜその作業をしているのかを気づかせることができる存在である。それこそリーダーが存在する目的であり、また何か変革的なことを成し遂げる上での重要なカギである」

「デキる上司」と「普通の上司」を大きく分けるのは、自分の計画を部下に正しく伝える能力です。そして、日々の単純な作業を大きなビジョンに結びつけることのできる能力をもっているかどうかも大切です。

単に命令をするのではなく、時間をかけて「なぜ(その仕事が必要なのか)」を説明するように心がけるべきでしょう。

03.

どうすれば

もっと良くなるだろう?

「失敗は最高の師である」。これは、Arianna Huffington氏の言葉ですが、さらに続きがあります。

「自分たちがつねに正しい決断ができるわけではなく、それどころか、ときには大きな失敗をしてしまうこともある、ということを受け入れなければなりません。失敗は成功の反対ではなく、成功の一部なのです」

この言葉の通り、「仕事で一度も失敗をしたことがない!」という人は地球上にひとりもいないでしょう。失敗は必ず起こるもの。何か新しいことにチャレンジしているときは、特にです。

その失敗が、無謀さや不注意に起因するものでない限り、必ず学べることがあります。次こそは失敗をしないようにと指摘することは、単に失敗を責めることなんかよりもはるかに生産的で実りがあることなのです。

04.

君の強みを活かしてほしい。

「リーダーシップ」に関する著名な作家であり学者でもある、Warren Bennis氏の言葉が象徴的です。

「人材はいつでも取り替えられる、と思い込んでいる企業があまりに多すぎる。本当にすぐれた人材は、独自の才能を持っているため決して取り替えがきかない。こうした人材に、適切ではないポストを割り当てるべきではありません。よりすぐれたリーダーは、人材にもっともふさわしい役割を与えられるものなのだ」

05.

君はどう思う?

デキる上司は、自分のエゴを突き通してまでイノベーションの邪魔をしたりしません。彼らは、所属部署や分野にかかわらず、広く助言を求めようとします。

「もっと良い方法がないかな?」と部下に尋ねることで、彼らの存在やアイデアを信頼し、評価を伝えます。最高の意見は、もっとも思いがけないところからやってくるものなのです。

06.

どうすれば君を

もっとサポートできる?

離職する従業員を減らすための最高の手段は、予防的なアプローチを打つこと。

あなたのチームに置き換えて考えてみましょう。彼らがどういう問題を抱えていて、自分はリーダーとして何ができるのか、尋ねてみるのです。

FacebookのCOOであるSheryl Sandbergさんは、こう話します。

「リーダーシップとは、自分の存在によって他のメンバーがより良くなり、自分がいなくなるその瞬間までその良い影響が続いていくようにすることです」

もしも、あなたがチームのためにしっかりと気をつかっているならば、部下だってリーダーであるあなたや会社全体のために貢献してくれるはず。

07.

質問があるなら

何でも聞いてほしい。

部下を威圧して、助けを求めづらいようなオーラを醸し出す上司。もしかして、あなたの周りにもいませんでしたか?

接しやすいオープンな雰囲気をもつことで、あなたがチームのために存在し、風通し良く何でもコミュニケーションできるような環境をつくり、部下の生産性を気にかけているリーダーである、ということが示せます。

リーダーに質問しやすいほど、部下も早く仕事を成し遂げることができるようになるのです。

08.

よくやった。

部下の働きを認めてあげることのほうが、卓球台や仮眠室を導入することよりローコストだし、はるかに効果的です。

たとえ、どれだけ高い給料が支払われていたとしても、どれほどの臨時報酬があったとしても、自分の仕事を誰かが気にかけてくれているのか、知りたくなります。だから、ほんの少しでもいいから時間を取って、ねぎらいの言葉をかけてあげましょう。

それだけで、チームのメンバーはあなたのリーダーとしての資質を認めてくれるはずです。

トランプ氏「日本の高速鉄道に関心」の本音

 日米首脳会談の前日、トランプ大統領が米航空大手の経営トップとの会合で「日本や中国には高速鉄道網がある。米国にはない」と発言した。日本の新聞は「日本の高速鉄道をトランプが高評価」という調子で報じた。

 この発言を受けたかどうかは分からないけれど、日米首脳会談で安倍総理は、新幹線やリニアモーターカーを挙げ、特にリニアでは「ワシントンDCからトランプタワーのあるニューヨークまで1時間」と強調。「日本の高速鉄道技術で米国に貢献したい」と語った。これも日本では「米国の高速鉄道を日本の技術で」と報じられた。

 日本人は海外から鉄道やクルマを褒められると大喜びする。しかし、これで「全米高速鉄道網が日本の技術で」と思ったら、ぬか喜びになるかもしれない。

 トランプ大統領が高速鉄道に言及した場は「米航空大手の経営トップ」との会合だ。しかも「ある人に聞いたんだけど、日本と中国に高速鉄道があるらしいね」という伝聞形だった。日本の報道機関はトランプ大統領が「米国の鉄道は時代遅れだ」と発言したと報じたけれど、米ブルームバーグによると「空港も鉄道も時代遅れ、道路もよくない」と交通網全体のインフラを問題とした発言だったらしい。

 会合の相手が米航空大手という状況から察するに「航空業界がちゃんとやらないなら、鉄道や道路の整備に予算を使っちゃうぞとハッパをかけた」と考えたほうが良さそうだ。

 そして、トランプ発言の「高速鉄道」にしても、新幹線やリニアではないかもしれない。

●米国にも高速鉄道技術がある

 米国では西海岸のロサンゼルスとサンフランシスコを30分で結ぶチューブトレイン「ハイパーループ」構想がある。大陸横断も視野に入れており、ロサンゼルスとニューヨークの間は45分が目標タイムだ。提唱者はイーロン・マスク氏だ。PayPal創業者であり、後に電気自動車のテスラモーターズや民間宇宙ロケットサービスのスペース・エクスプロレーション・テクノロジーズ(スペースX)を創業した人物である。

 「ハイパーループ」は、チューブ形の軌道内でカプセル状のポッドを走らせる交通システムだ。高速鉄道や列車と言っても、従来のレールの上を走る列車ではない。浮力や動力に磁力を使うから、リニアモーターカーに近い。軌道チューブ内はほぼ真空になるまで減圧される。ポッドの空気抵抗を減らすためだ。最高時速は時速1220キロメートルと試算されている。また、チューブ軌道は高架に作られ、屋根に太陽電池が設置される。

 ハイパーループは、子どものころに読んだ絵本や、SF映画にときどき現れる「未来の乗りもの」のようだ。だから私は、遠い未来の夢物語だと思っていた。同様に感じる人も多いかもしれない。しかし、楽観視、油断は禁物だ。

 米国にはハイパーループを手掛ける新興企業が2社ある。「ハイパーループ・ワン(H1)」と「ハイパーループ・トランスポーテーション・テクノロジーズ(HTT)」だ。

 H1はスペースX出身のエンジニア、ブローガン・バンブローガン氏と、ウーバーに出資した投資家、シャービン・ピシュバー氏が創業した。現在は社長としてシスコシステムズの元プレジデント、ロブ・ロイド氏を迎えている。

 HTTは起業家のダーク・アルボーン氏が創業した。彼はクラウド型インキュベータ「ジャンプスタートファンド」の経営者でもあり、HTTもクラウドファンディングの案件の1つだった。

 発案者のイーロン・マスク氏はどちらの企業にも参加していないようだ。しかし、スペースX社の敷地にはハイパーループシステムの実験線が建設されている。この建設にかかわったエイコム社は、H1やHTTと親密な関係にある。ゆえに、H1、HTTは、構想と技術についてはスペースXならびにイーロン・マスク氏を継承し、実行部隊としては競争関係にある。

●実験成功、路線建設の段階へ

 H1は2016年にネバダ州ラスベガス北部に新設した試験場で、リニア推進システムの公開テストを実施し、4秒間の走行で最高時速186キロメートルを達成した。新幹線より遅いじゃないかと侮(あなど)ってはいけない。等加速度運動として計算すると、加速度は約46km/h/s以上。約102メートルの距離で達成しているはずだ。実験線の長さは457メートルだった。実験線を長く作れば、もっとスピードは上がる。

 計算上では時速500キロメートルに達するまで約754メートルの距離で約10秒。時速1000キロメートルに達するまで約3020メートルの距離で、約21秒しかかからない。ただし空気抵抗があるから計算通りにはいかない。そこで減圧したチューブが必要になる。H1はこの実験の成功で約87億円の資金調達に成功したという。

 2016年11月8日、H1とアラブ首長国連邦はドバイ〜アブダビ間のハイパーループ建設を発表した。約160キロメートルの距離を12分で結ぶという。この距離を東海道新幹線に当てはめると、東京〜静岡間の実際の距離(167キロメートル、運賃計算上は180.2キロメートル)にほぼ相当する。現在、ひかり461号が63分で走る距離が、ハイパーループで12分だ。

 HTTは2017年内にカリフォルニアで約キロメートルの実験線を完成させ、2018年に有人搭乗試験を開始する計画だ。また、実用化に先行する形でスロバキア政府と路線の実現可能性について「予備的な合意」をしたと発表した。HTTの構想ではオーストリアのウィーン、スロバキアのブラチスラバ、そしてハンガリーのブダペストを結ぶ。

 ウィーン〜ブラチスラバ間は直線距離で約56キロメートル。ハイパーループの目標所要時間は8分。ブラチスラバ〜ブダペスト間は直線距離で約161キロメートル、ハイパーループの目標所要時間は10分だ。

●トランプ氏がハイパーループを知らぬワケがない

 イーロン・マスク氏のハイパーループ構想は現実的だ。もともと、カリフォルニア州の高速鉄道計画について「費用が大きい上に遅すぎる」と感じ、スペースXとテスラの社員からアイデアを募って研究に着手した。驚くべきは建設費の低さだ。カリフォルニア高速鉄道の総工費は約700億ドル。これに対して、ハイパーループは乗客専用のポッドを前提とする場合は60億ドル。クルマの輸送も対応させるなら100億ドルで済むという。

 大きな課題として、長距離のチューブ軌道で真空を維持する方法や、そのためのエネルギー効率については、識者から疑問の声が上がっているようだ。ハイパーループの実現の可能性は不透明な部分も多い。机上では見積もりや技術の検討はできる。しかし、実際には環境アセスメントや利害関係者の同意も必要。既に実用路線の建設が始まったリニアに対して、ハイパーループは実験が始まったばかり。安全運行技術も確立されていない。

 しかし、スペースXが2002年に創業し、3回のロケット打ち上げ失敗の後、2009年にマレーシアの人工衛星の打ち上げに成功するまで、わずか7年だった。現在のスペースXは中型のファルコン9型ロケットにおいて、商業衛星打ち上げのトップシェアを競うほどになった。この技術力と資金調達力、そして成功へのスピードは、規制緩和された米国発の民間企業の強みだ。

 もし、既存の高速鉄道を10年で開業させる計画があるとしても、そこから10年後にハイパーループが実用化できるとしたら、既存の鉄道への投資は無駄になってしまう。今後の20年、50年の社会インフラを考えると、スタートが遅くても新しい技術を待った方が得策かもしれない。

 鉄道ファンとしては、鋼管の中を飛ぶハイパーループを鉄道とは認めたくない。それは発案者のイーロン・マスク氏も同様で、まったく新しい輸送システムだと語っている。しかし日本では、「自社の軌道設備を持ち、他社のために輸送する」という行為は鉄道事業法の管轄。世界の実態としても、これは「高速鉄道」の分野になるだろう。

 投資家のトランプ氏にとって、米国内の新しい投資案件については知っているはずだ。航空企業の幹部相手に、ハイパーループを知らずして「高速鉄道」を引き合いに出したとは考えにくい。

 何よりトランプ氏の「米国愛」も気になる。米国経済に貢献してきたトヨタのメキシコ工場建設を非難し、日本でアメ車が売れないから不公平と発言している。そんなトランプ氏が「他国の技術を受け入れるより、米国のハイパー・ループの成功と世界進出を重視する」と考えも不思議ではない。

 トランプ氏が高速鉄道に関心を持ったとしても、油断してはいけない。トランプ氏が来日したら、ぜひ新幹線に乗っていただこう。しかし、迎える側はハイパーループを念頭に置く必要がある。ハイパーループはもはや絵空事ではない。

中国、鳥インフル感染拡大 1月だけで79人死亡

 中国で、H7N9型の鳥インフルエンザの感染が同国史上最悪の規模に拡大している。1月だけで79人が死亡しており、複数の都市で生きた鳥の取引が一時中止されている。

 中国国家衛生計画出産委員会(National Health and Family Planning Commission)は15日、今シーズンの鳥インフルによる死者は先月末までで計100人となったと明らかにした。昨年1月の鳥インフルによる死者は5人だった。

 衛生当局は最悪期は脱したとみられるとの見解を示しているが、死者数の急増により鳥インフルのさらに深刻な大流行を懸念する声が高まっている。中国政府は、劣悪な衛生状態は感染リスクを高める可能性があるとして、市民に生きた鳥を取引する市場に近づかないよう注意を呼び掛けている。

 国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)は、中国疾病予防抑制センター(Chinese Center for Disease Control and Prevention)の幹部の話として、同国では生きたままの鳥や、さばいたばかりの鶏肉が好まれており、このことが鳥インフルの感染拡大の一因となっているとし、「人々が冷凍の鶏肉しか買わなければ、流行を抑えるのはずっと簡単だろう」という幹部のコメントを報じた。

 南部広東(Guangdong)省の広州(Guangzhou)をはじめ、中部湖南(Hunan)省の長沙(Changsha)、東部浙江(Zhejiang)省全域など多くの都市では、生きた鳥の取引が一時的に中止されている。

2017年2月16日木曜日

福島第1原発2号機ロボ調査失敗 溶融核燃料確認できず

 東京電力は16日、福島第1原発2号機の原子炉格納容器内を本格調査しようと投入したサソリ型の自走式ロボットが、圧力容器直下の作業用足場に到達できなかったと発表した。炉心溶融で溶けた核燃料(デブリ)の実態把握には至らず調査は失敗した。ロボットは途中で走行できなくなる不具合が発生し、回収しないまま格納容器内に放置した。
 デブリ取り出しは廃炉作業の最大の難関とされる。前段となる本格調査でつまずいたことで、東電が抜本的な計画の見直しを迫られるのは必至だ。デブリの実態把握が進まなければ、政府や東電が描く取り出しプランの遅れにつながる可能性もある。

京大、放射線発見以来初のガンマ線の可視化に成功

 京都大学研究グループは14日、ガンマ線を幾何光学に基づき定量的に画像化する手法の発見および実用化に成功したと発表した。これにより、ガンマ線の完全可視化が実現され、放射線利用の安全評価がより正確になる。

 放射線は、「見えない」という不安要素を抱えながらもその有益性から社会各所で利用されてきた。この度、画像化法を開発できたことにより正確な放射線のコントロールに繋がると見られている。

 ガンマ線は、原子核の壊変によって原子核から放出される高エネルギー光子であり、波としてより粒子として振る舞うため屈折などの光学的手法が使えない。本技術は、ガンマ線が物質の電子と散乱するコンプトン散乱反応を、ガンマ線1事象毎に散乱ガンマ線と反跳電子の両方の方向・エネルギーを測定し、運動量保存則を用いて入射ガンマ線の方向を求め、計算機上で幾何光学に基づく集光を行ない画像化する。

 電子の反跳方向の測定は困難とされていて、従来、物理量のみを測定しコンプトン散乱角のみを得る手法が研究されてきた。コンプトンカメラはガンマ線の到来方向が一方向に決められず、像も円環上に広がるため、円環を1事象ずつ重ねてガンマ線分布を推測する疑似画像化に留まっていた。

 しかし、京大チームは電子の反跳方向の情報が重要と判断し、電子の反跳方向に感度を持ち得るガス検出器を開発してきた。これを用いてガンマ線毎の散乱現象を解き、計算機上でレンズと同様に点としてガンマ線を集光させ画像化に成功した。

 同技術を利用し、京大は世界に先駆けガンマ線を捉える「Electron-Tracking Compton Camera(ETCC)を開発した。ETCCを用いて福島の汚染地域の撮像試験を行なった際は、画像から地表面のセシウム量の分布を定量的に示すことに成功した。この放射線強度から国際原子力機関(IAEA)に基準に従って求めた地上の線量分布(μSv/h)は、測量結果と一致したという。

 また、ETCCはホットスポットの特定だけでなく、除染区域に残るマイクロホットスポットの検出もできる。画像内の特定の場所のガンマ線エネルギースペクトルも測定できるため、多種の放射性同位体も同時に認識でき、光学カメラでいうカラー画像撮影も可能。

 このほかにも本技術は今後、医療、地球上の鉱物石油探査、月・火星の資源探査など放射線を利用する各分野へと応用される可能性もあるという。

 本技術の論文は23日、英国の学術誌「Scientific Reports」にも掲載された。

 

寝不足がもたらす膨大な経済損失、頭痛だけでなく生産性の低下も

睡眠不足は翌日に頭痛や倦怠(けんたい)感を引き起こし、日常生活に支障を来すだけではない。労働者の生産性を低下させ、死亡リスクを高めることにより、日本経済に多大な損失をもたらしている。睡眠不足の原因の1つとなっている長時間労働の抑制に向けて企業も動き出している。

非営利研究機関 ランド・ヨーロップの調査研究によると、睡眠不足による経済損失額を国内総生産(GDP)比で見た場合、日本は2.92%となり、調査対象5カ国のうちで最大となった。損失額で比べると、最大は米国で、年間で最高4110億ドル(約47兆円)、日本は1380億ドルで2番目となる。

睡眠不足は、職務遂行能力の低下などを通して生産性を下げる。同調査によると、日本は社会全体で年60万日を超える労働時間を損失しているという。1日の睡眠時間が平均6時間を下回る人は、7〜9時間の人に比べて、死亡リスクが13%高くなると指摘。6時間未満を6〜7時間に増やすことで日本経済には7570億ドルのプラス効果があると試算している。

長時間労働の文化

厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、20歳以上の男女で1日の平均睡眠時間が6時間未満の人の割合は2015年に39.5%となり、比較可能な05年以降で最高となった。また、同省の「過労死等防止対策白書」によると、フルタイムの正社員調査で睡眠時間が「足りていない」、「どちらかと言えば足りていない」と回答した人の割合は4割を超え、理由としては、「残業時間が長いため」が最も多かった。

第一生命経済研究所の柵山順子主任エコノミストは「長時間労働をしなくてはいけないような雰囲気や長時間労働をすることで求められている以上のものを返すことを良しとするような文化が、結局は睡眠時間の不足や生産性の上がりにくい状況を作ってきている」と指摘。「もう少し時間を意識したような働き方に変えることが大切」だとし、それが長時間労働の是正につながると述べた。

勤務間インターバル制度

長時間労働の見直しに向けて注目されているのが、勤務終了後、一定時間以上の休息期間を設けることを義務付ける「勤務間インターバル制度」だ。休息時間を確保することにより労働の質を高め生産性を高めることが狙いで、同制度を導入する企業が増えている。

おむつメーカーのユニ・チャームは、1月からインターバル制度を導入し、全社員に対して、勤務終了から翌日の勤務開始まで8時間以上の休息を義務化した。また、同社では午後10時以降の勤務を原則禁止した。三井住友信託銀行では、12月に、退社から出社まで9時間以上空ける対象を、嘱託を含む全行員に広げた。

同制度については、すでに欧州連合(EU)では加盟国に最低連続11時間の休息を確保するよう義務付けているが、日本では法制化されていない。厚生労働省によると、同制度を導入している企業は調査した約1700社のうち2%にとどまる。

政府は勤務間インターバル制度の導入を後押しするため中小企業を対象にした助成金制度を始める。17年度予算で約4億円を計上し、50万円を上限に対象経費の4分の3を補助する方針。就業規則等の作成・変更費用、研修費用、労務管理用のソフトウェアや機器等の導入・更新費用などが対象となる。

柵山氏は、過労死を減らすために長時間労働を是正しなくてはいけないのは大前提だとした上で、人口が減少する中で長時間労働をできない人も増加するとし、「長時間労働をしなくても回るような仕組み作りに真剣に取り組まなくてはいけない時期にきていると思う」と述べた。

東芝の取引先、1年半で4割減 家電子会社など売却で

 帝国データバンクは15日、東芝グループの取引先企業数が約1年半で4割減ったと発表した。東芝は不正会計問題が明らかになった2015年5月以降、事業売却を進めており、グループ会社が減ったことが主な理由だ。

 帝国データの調べでは、東芝の主なグループ会社は15年7月の30社から1年半で24社に減少。取引企業も2万2244社から1万3603社に減った。規模の大きい白物家電子会社「東芝ライフスタイル」や、医療機器子会社「東芝メディカルシステムズ」を売った影響が大きいという。

 帝国データは今のところ、「東芝グループと取引のなくなった取引先企業の経営難などの情報はない」とみている。しかし、東芝は今後も事業売却を進める方針で、グループを離れた会社が取引を見直せば、取引企業の業績悪化につながる恐れもある。

月60時間、経営側も容認=繁忙期や適用対象が焦点—残業上限

 残業時間の上限を年720時間(月平均60時間)とすることを、経営側が受け入れることが15日、分かった。労使の足並みがそろい、今後は繁忙期に例外として認める月単位の上限時間の調整が本格化する。現在は一般的な残業時間規制の適用除外となっている運送業、建設業、研究開発の扱いも焦点だ。

 年720時間の残業上限は、14日の働き方改革実現会議で事務局案として提示された。会議に参加する経営者側の3団体、経団連と日本商工会議所、全国中小企業団体中央会が受け入れる方針を決めた。 v

東芝が東証2部に降格へ、3月末も“債務超過”

 深刻な経営難に陥っている東芝が目標としていた今年3月末時点での「債務超過」の解消を断念したことが明らかになりました。これにより、東芝株は上場以来初めて東京証券取引所の第1部から降格される見通しです。

 14日に原発事業の損失額について暫定的な数字しか公表できなかった東芝。去年12月末の時点で1900億円あまりに上る「債務超過」に陥っていることを明らかにしました。

 この「債務超過」の解消には稼ぎ頭である半導体事業の売却が絶対条件となっていますが、当初20%未満としていた売却割合の100%への引き上げも検討せざるを得ないと判断。入札のやり直しに時間がかかるため、売却の時期を4月以降に先送りする方針を固めました。

 この結果、3月末時点での「債務超過」の解消は極めて難しくなり、東証で2部制が始まって以来、57年守ってきた第1部から2部へ降格される見通しとなりました。東芝の株価は14日に続き、15日も8%の大幅な値下がりとなっています。

合併・統合も選択肢=収益力低下の金融機関—日銀総裁

 黒田東彦日銀総裁は16日、東京都内で開かれた金融関係者らの会合で講演し、日本など先進各国で行われている金融緩和について「金融機関の収益の源泉である預貸金利ざやの縮小につながっている」と述べた。その上で、今後の収益力強化に向け「合併・統合も選択肢の一つになり得る」と語った。

 黒田総裁は金融機関の収益力低下に関し「金融システムを不安定化させる潜在的リスクへの対応が重要性を増している」と指摘。さらに、金融環境が急速に変化しているとし「今後、形を変えて再び金融危機が生じる可能性は否定できない」と強調した。 

キーマン辞任!危うい「トランプ外交」の行方 フリン氏辞任で安保・外交戦略はどうなる?

 トランプ政権に綻びーー。米国で国家安全保障を担当する大統領補佐官であるマイケル・フリン氏が2月13日辞任した。大統領補佐官就任前にロシアの駐米大使とロシアへの制裁について協議した事実を、マイク・ペンス副大統領に隠していたことが問題視されていた。

 筆者は2月11日から米国に出張のために滞在しているが、フリン氏辞任のニュースは、主要メディアのみならず、比較的中立的な議会3誌も以下のような厳しい論調で伝えている(表現は各紙の記事タイトル)。

 『ポリティコ』

 ・フリン辞任はトランプ政権の問題のひとつに過ぎない

 ・誰がフリンに電話を指示したのか

 ・フリン辞任が問題ではなくトランプ政権とロシアの関係性の真実が問題

 『ザ・ヒル』

 ・これはまだ始まり

 『ロールコール』

 ・トランプは論点を変えようとしている――誰がリークしたかは論点か

ロシアとの関係改善は先延ばしに?
 こうした記事からも明らかなように、現時点のフリン氏辞任の論点は、辞任そのものではなく、トランプ政権の外交・安全保障の先行きが論点となっている。フリン氏の辞任は、トランプ政権の存続につながる問題にもなりかねないが、今回は辞任の外交・安全保障への影響を、戦略論として考察してみたい。

 トランプ大統領は、就任以前からロシアとの関係を改善させることを明言してきたが、この方針が今回の顚末を招いたとも考えられるだろう。辞任によってトランプ大統領のロシアとの関係性を追及する声も高まっているため、これまで想定してきたロシアへの制裁解除などの政策は、実行のタイミングや、内容を見直さざるを得なくなるだろう。

 イスラム国(IS)との戦いにおいてロシアと協調することによって、既成事実としてロシアとの関係性を改善していくことも選択肢として考えられる。ただし、現在の厳しい論調からすると、その選択肢も時期が延びる可能性が高いのではないだろうか。

 それでも、現在の世界情勢において最も重要な「3次方程式」(3国間の関係性)は「米国×ロシア×中国」であることは間違いないだろう。オバマ政権時、ロシアとの関係が冷戦後最悪の状況になったと指摘されていたなかで、その間にロシアは中国と接近した。通商上も、外交・安全保障上も、「3次方程式」の残りの2カ国が連携してしまうのは米国には極めて不利な展開となる。

 ロシアが共産主義色を弱め、「ロシア正教を信仰する国」としてのイメージ戦略を展開しているなかで、イデオロギーとして引き続き共産主義で中華思想の中国は、米国から見て対立構造を描きやすい相手だ。さらには貿易赤字を縮小していくうえでも最大の貿易相手国でもある。米国民を結束させるための明快な対立軸としても、通商・外交・安全保障の面においても、ロシアと接近するというのは、一流の国際ビジネスマンらしい戦略であると考えられる。

対中政策で思わぬ「誤算」
 まずは自らがロシアに接近することで、ロシアと中国の蜜月関係に入り込もうとしたトランプ大統領。しかし、対中政策において大きなミスを犯してしまった。

 トランプ大統領は就任前、台湾の蔡英文総統と電話会談を行ったが、これはトランプ政権のブレーンを務めているといわれる、親台湾派のヘリテージ財団が後押ししたものとも見られている。その際、「ひとつの中国に縛られない」という趣旨の発言をしたのである。その後、今月9日の習近平主席との電話会談では「ひとつの中国」を突如として認める軌道修正を図っている。

 「ひとつの中国に縛られない」発言は、中国との交渉上のジャブとして放ったとみられるが、中国にとってこれは絶対に受け入れられない内容である。中国の有識者の間ではトランプ大統領がこの内容を下ろさない限り2国間の戦争にもつながりかねないと危惧されていたようだ。それだけ、中国にとって台湾問題は安易に触ってはいけない「センシティブ」な問題なのである。

 筆者は現地時間14日夜、米シカゴ大学の恩師である戦略論の教授(親トランプであり、匿名を条件にコメントしてくれた)と食事を共にしていたが、同氏も「トランプ大統領が台湾を『取引材料』にしたことは、戦略論でいうと『勝利の限界点』を超えていた」と指摘する。つまりは、台湾問題は、中国にとっては完全に限界点を超えたものであり、妥協は不可能でもはや戦いを挑むしかない姿勢にさせてしまったのである。

 習近平主席との電話会談は、トランプ大統領側が準備したものと言われており、ホワイトハウスの公式発表では多くは語られていない。しかし、トランプ大統領の最側近であるバノン首席戦略官兼上級顧問が会長を務めていた極右メディア「ブライトバード」には、トランプ大統領が「ひとつの中国」を認めるという方針の軌道修正をした詳細が載っている。

 フリン氏辞任など、厳しい船出となっているトランプ政権だが、筆者は1月24日掲載の「トランプ就任演説は『超絶暗い世界観』の塊だ」において、一般選挙での集会演説のような演説を、大統領の就任演説でせざるを得なかったことに余裕のなさを感じたと論じた。また、就任演説直後から通常は紳士協定として大統領に与えられる100日間の「ハネムーン期間」もトランプ大統領には与えられない状況にあると指摘した。

いまだに閣僚人事が確定せず
 実際、元気そうに見えるトランプ大統領だが、民主党による議事妨害にはかなりのフラストレーションを感じていることを、主要メディアでは数少ない支持派であり、友人でもあるFOXニュースのキャスター、ショーン・ハニティ氏にインタビューで明かしている。

 就任から1カ月近く経とうとしているにもかかわらず、いまだに閣僚は完全に承認を受けておらず、先の安倍首相との会談の内容も抽象的なものにとどまったのは、そもそも各論を担当する閣僚が出そろっていないからだと指摘されている。しかも、大統領令を出した入国制限をめぐる議論は長期化の様相を示すなど、安全保障・外交政策は正直なところうまくいっているとは言い難い。

 さて、前述の戦略論の恩師が会話の中で強調していたのは、国家間の戦略を考えるうえで重要な概念には、「バランシング」があるということ。大国の動きによって小国も戦略を変えるが、必ずしも大国にばかりなびくわけではないということだ。先週の会談で安倍首相がトランプ大統領から歓待を受けた背景には、軍事力では決して大国ではない日本がアジアの盟友として多くのアジア諸国と親密な関係を構築してきたことが大きい。大国である中国が拳を上げようとしたとき、中国よりも大国ではないからこそ日本を支援しようと思う国が多い。そんな考えをトランプ大統領ももっていたのではないだろうか。

 トランプ大統領がロシアとの関係の良好化を遅らせることに加え、中国との外交戦略も大きく修正してきたことは日本にとっては好ましい展開ではない。もっとも、発効する可能性自体は途絶えたものの、日本が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉で培ってきたアジア諸国との関係性や交渉内容はこれからの3つの大国による「3次方程式」にも大きな影響を与えることは間違いないだろう。

2017年2月13日月曜日

キヌアのほぼ完全なゲノムが解読される。今後の品種改良につながる可能性

その栄養価の高さによって最近注目されている雑穀「キヌア」の、ほぼ完全なゲノムが解読されたそうだ。

キヌアは南米ペルーなどで栽培されている雑穀の一種で、必須アミノ酸や食物繊維、ビタミン、ミネラルなどを豊富に含んでいる。血糖値の上昇のしやすさを示すGI値も低く、グルテンフリーという特徴もある。さらに厳しい環境でも栽培できるというが、一方で種子の表面に人体に有害であるサポニンを含むため、食用の際はサポニンを抜く行程が必要となる。

今回のゲノム解読成功により、品種改良の過程でこの苦味物質を生成しない苗木を迅速かつ容易に選ぶことができるようになるという。とくに南米の亜種は遺伝子1個の改変で甘味を増すようにできる可能性が高いそうだ。また、強風や豪雨で倒れやすいといった問題についても今後の品種改良で解決できるようになる可能性があるという。

「JAのコメ」に産地偽装の疑い、魚沼産に中国産混入

 「週刊ダイヤモンド」はJAグループ京都の米卸が販売するコメの産地判別検査を実施した。その結果、「滋賀産」や「魚沼産」として販売されていたコメに中国産が混入している疑いがあることが分かった。(週刊ダイヤモンド2017年2月18日号特集「儲かる農業」より)

 JAグループ京都の米卸「京山(きょうざん)」が販売する複数のコメに産地偽装の疑いがあることが本誌の調べで分かった。専門の検査機関に産地判別を依頼したところ、「滋賀産」や「魚沼産」として売られていたコメに中国産が混入しているとの結果が出たのだ。

 JAグループは農家が組織した農業団体だ。「農家がつくった組織なら産地偽装はしないはずだ」と信じてコメを買ってきた消費者もいるだろう。しかし、京山のコメを調べると、そうした消費者の信頼を裏切る疑惑が次々と飛び出して来た。

 本誌は、京山が精米・販売したコシヒカリ4袋(各5kg)を「京都ひがしやまいちば楽天市場店」で購入し、産地判別において実績がある同位体研究所に検査を依頼した。

 2週間後、検査結果を見て目を疑った。「滋賀こしひかり」の10粒中6粒が中国産と判別されたのだ。

 仮に、行政検査で同様の結果が出たとすれば、通知なしの立ち入り検査が行われ、取引伝票から不正の実態が調べ上げられるはずだ。

 疑惑のコメの流通経路の特定は行政による検査を待たねばならないが、知らないうちに中国産米を食べさせられていたことになる消費者、自身が生産したコメに中国産を混ぜて売られていた農家の怒りはいかばかりか。

 消費者庁のルールでは、大豆などの食品に「遺伝子組み換え作物ではない」と表示することを許されるのは、遺伝子組み換え作物の混入割合が「5%」までのものだ。そこまでなら"意図せざる"混入として許容される。

 今回のように、「10粒中6粒」という混入割合を、"意図せざる"混入とするのはかなり無理がある。同位体研究所は問題のコメについて、「外国産米と判別される」と検査報告書に明記した(冒頭写真参照)。

 コメの検査は、生育地で異なる安定同位体(同じ元素でありながら、わずかに重さの違うもの)の構成比から産地を調べる手法で行った。この手法は「安定同位体比による産地判別」と呼ばれ、ヨーロッパではチーズやワインの原産地の特定に使われている。世界的に信頼性が担保された検査技術だ。

 本誌が検査を依頼した同位体研究所は、2009年以降、行政検査や司法鑑定などで1000件以上の精米の産地判別を行ってきた。

 行政から検査を受託するには産地判別で9割以上の検査精度がなければいけない。同研究所のコメの産地判別の精度は92.8%だ。

 今回の検査ではコメ10粒のうち6粒を中国産と判別したが、これが間違いで、実は6粒とも国産だったという確率は7.2%の6乗であり、事実上0%である。

● "偽装米"を食べ比べセットで販売する大胆不敵

 しかも、京山による産地偽装が疑われるコメは1種類ではなかった。日本一のブランド米「魚沼産こしひかり」の10粒中4粒、「京都丹後こしひかり」の10粒中3粒が中国産と判別された。

 さらに疑惑は、中国産米のブレンドだけにとどまらない。「魚沼産こしひかり」のうち国産と判別されたコメも、「他府県産である可能性が高い」との検査結果が出たのだ。

 驚くべきことに、この「魚沼産こしひかり」は、格下の「新潟産こしひかり」と共に「食べ比べセット」として販売されていた。

 消費者が高級米と信じて食べていたコメは、中国産や他府県産が混じったデタラメなコメだった疑いがある。それでいて、味の違いを食べ比べてみてとは、大胆不敵以外の何物でもない。

 疑惑のコメが3商品も発覚したことからも、何らかの意思が働いて、表示とは異なるコメが混入したと考えるのが自然だろう。

 新潟県のある農家は、「かつて魚沼産コシヒカリの流通量は、生産量の10倍もあった。いまだに、偽装まがいが横行しており、しかもその仕業がJAグループによるものだとすれば、怒りを通り越して悲しくなる」と話す。

 京山は、JA全農京都が集めたコメの大部分を精米、販売する米卸だ。京山の法人登記によれば、株式の55%をJA京都中央会が、23%をJA全農京都が保有する。つまり、京山株式の8割はJAグループ京都が保有しているということだ。

 JAグループ京都がどんな組織なのか、また、今回の偽装疑惑が起きる背景などは、2月13日発売の「週刊ダイヤモンド2月18日号」で詳報するが、ここではJAグループ京都が、03年に全国に先駆けて稼働させたコメの産地などを公開する米トレーサビリティーシステムについて書いておきたい。

 JA全農京都と京山は、現在もインターネット上に米トレーサビリティーのページを設け、消費者が生産履歴を知るためにコメの製品情報を入力できるようにしている。しかし、実は1月末現在、流通しているコメで「産地を公開しているコメはない」(京都府農産課)。消費者への情報公開は見せ掛けで、安全・安心のシステムは、"開店休業"状態なのである。

 本誌は、産地偽装の有無や組織的な指示があったのかを確認するため、JA京都中央会に質問状を送った。同会は「京山が、中国産米をブレンドしたコメを国産のコシヒカリとして販売した事実はありません」と回答し、偽装の疑いを否定した。

 京山関係者は本誌の取材に対し「国家貿易の枠組み(SBS)でコメを輸入したが他社に転売した。精米工場には入れていない」と答えた。

 疑惑のコメの仕入れ先を京山に聞いたところ、「滋賀こしひかり」は滋賀県愛荘町産でJA東びわこから、「魚沼産こしひかり」は新潟県南魚沼市産でJA魚沼みなみから、ということだった。

 コメの偽装は米卸にとって手っ取り早く利益を上げられる麻薬のようなものだ。農水省によれば、日本の米卸は中小零細が多く、上位263社の14年度営業利益率は0.8%。最大3社でも同1.1〜2.7%と青息吐息の状態だ。スーパーからの価格下げ圧力と過当競争によって業績が悪化し、「産地偽装に手を染めている米卸が他にもいることは十分に考えられる」(業界関係者)。

 まして今回の疑惑の発震源は、コメの適正表示で範を示すべきJAグループだ。行政、当事者のJAグループも含めて実態解明に全力を上げる必要がある。

ITの力で「脱紙文化」「脱属人化」、日本の製造業を次のフェーズへ

 あらゆるモノづくり企業にとって、生産設備の安定稼働は大きな課題だ。どれだけ画期的な製品を開発しても、あるいはどれだけ効率的なサプライチェーンを実現したとしても、計画通りに製品を製造できなければ、その価値の大半は失われてしまう。

 日本の製造業は伝統的に、いわゆる「カイゼン活動」を通じて、現場主導による生産品質の向上に長年取り組んできた。定期的に熟練技術者が生産設備を詳しく点検し、ちょっとした異音や、ほんのわずかな臭いなどから、不具合や故障をいち早く察知するといった具合だ。

 こうした熟練工による優れた設備保全が、日本の製造業の国際競争力を支えてきたのだが、近年では熟練工の減少によって、そのアドバンテージが薄れつつある。生産設備をメンテナンスする人材を確保することが難しくなり、設備の稼働状況や保全状態の正確な把握も、以前と比べ困難になった。国内外に構える生産拠点の設備をいかに停止させることなく計画通りに動かせるかが、競合他社との大きな差別化要因になってきている。

製造業の将来の競争力を担う「予知保全」の実現に向けて

 そこで近年脚光を浴びているのが、「予知保全」という考え方だ。故障が起きてから対応を行うのではなく、故障やトラブルが起きる前に先回りして予防策を講じることで、生産設備の稼働率を最大化しようというものだ。

 現在、IoTAI(人工知能)を応用した予知保全の技術開発が進められているが、その多くはまだ実用段階にはない。ただし、今からでも、"できるところから"予知保全の実現に向けた段階的な取り組みを始めることが、今後の競争優位性に直結するだろう。具体的には、予知保全の第1ステップである「事後保全」、そして「予防保全」と進み、その次に第2ステップである予知保全が実現する。

 事後保全とは、その名の通り、故障や障害が起きた後に対応を行う取り組みであり、予防保全とは、定期的に点検を行う取り組みである。ほとんどの企業はまだこの段階だが、まずはこの事後保全や予防保全を効率化することが、予知保全へ向けた第一歩といえる。

生産設備の点検業務に潜むさまざまな問題

 しかし、多くのモノづくり企業における設備点検作業の実態はというと、昔ながらの非効率なやり方が日々繰り返されている。その多くは紙の手順書を基に行われており、内容を「覚えたつもり」で行った作業に抜け漏れが生じたり、内容を改訂した手順書が現場にきちんと行き渡らず、古い手順のまま作業が行われることも珍しくない。

 点検結果を記録する点検表も、その多くが紙で運用されており、書き漏らしや作業そのものの漏れが後を絶たない。さらには、そうして現地で行った作業結果を管理者に報告するために、現場からわざわざ事務所に戻り、点検表の内容を報告書に転記するような作業が行われているのだ。

 作業を管理する側にとっても、そうやって提出された大量の紙の報告書から、"いつ誰がどんな作業を行ったか"を即座に把握するのは難しい。その内容を基にレポートを作成したり、業務改善のための施策を考えるとなると、大量の報告書の内容を読み解くために、とてつもない労力を要することになる。

 また、作業の細かなノウハウが熟練者の頭の中にしかなく、その内容が後に続く世代にうまく引き継がれないという問題についても、多くの企業が頭を悩ませている。細かな作業ノウハウの属人化が進めば進むほど、知識や経験が浅い点検担当者による点検漏れに起因するトラブルが増えていく。

 こうした点検作業に関する課題を、ITの力を使って何とか解決できないか。そしてひいては、日本の製造業全体の成長に大きく寄与できるソリューションを実現できないか——。こうした考えから生まれたのが、日立製作所(以下、日立)が提供する「JP1/Navigation Platform」(以下、JP1/NP)と日立ソリューションズ・クリエイトが提供する「快作レポート+」を組み合わせたソリューションだ。

JP1/NP」で誰でも同じ品質で効率よく作業できる仕組みを

 JP1/NPは、業務現場で行われる作業フローを、タブレット端末やPCのブラウザ上で見やすく可視化するツールだ。単にフローそのものを表示するだけでなく、個々の作業の詳細な内容やノウハウなどを記したコンテンツも同時に示すのがポイントだ。

 このコンテンツに、これまで熟練者の頭の中にしかなかった細かな作業ノウハウを盛り込むことによって、技術を広く可視化し、後に続く世代に継承していくとともに、作業の属人化を排して作業品質の均一化を図ることができる。コンテンツの内容に従って忠実に作業を行うだけで、たとえ新人の作業者であっても、熟練者に匹敵する品質で作業が行えるようになるのだ。

 このJP1/NPの作業フローやコンテンツは、管理者が個々の作業手順ごとに作成した上で、サーバで集中管理する。現場の作業者は、タブレット端末やPC上のブラウザからネットワークを通じてこれらにアクセスし、自身が行う作業のフローやコンテンツを参照すればいい。作業時に参照する点検マニュアルや、その他のドキュメント類へのリンクもコンテンツ中に含めておけば、作業者全員が常にサーバ上にある最新の作業手順書や点検マニュアルに沿って作業できるようになる。

JP1/Navigation Platformの画面例

 またコンテンツには、単に作業内容を記すだけでなく、作業結果(作業日時や点検者の名前、測定結果の値など)を入力するフォームも配置可能だ。作業者が入力した値が正しいかどうかを自動的にチェックし、項目を正しく埋めないと次の作業ステップに進めないようにも設定できるため、作業の抜け漏れや報告漏れを防ぐことができるのだ。

現場での迅速な報告書作成、提出を可能にする「快作レポート+」

 JP1/NPで点検作業の手順通り入力を終えたら、次は作業結果を報告書にまとめる必要がある。ここで大いに役立つのが、報告書作成ツール「快作レポート+」だ。JP1/NPの画面上で作業終了の操作を行うと、快作レポート+が自動的に起動し、報告書を作成するためのフォームが表示される。

 点検作業中にJP1/NP上で入力した作業結果のデータは、そのまま快作レポート+の報告書フォームに反映されているため、作業者は足りない項目だけを端末から入力し、送信ボタンを押せば、報告書がすぐに管理者宛に送付される。作業者はレポートを紙に印刷したり、事務所に戻ったりすることなく、現場で必要最小限の端末操作を行うだけで済むのだ。

 また、快作レポート+の報告書フォームは、Microsoft Excelで作られた報告書フォーマットがあれば、簡単に作成できる。快作レポート+のツールでフォーマットを読み込み、入力項目ごとにドラッグ&ドロップでコントロールを割り当てるだけで、キーボードや手書きサイン、音声入力、写真取り込みといった、さまざまな入力インタフェースを備えた報告書フォームを作成可能だ。

 さらに、快作レポート+は主要なスマートデバイス用OSiOSAndroidWindows)全てに対応しており、端末選択の自由度が極めて高い点も、他の類似製品との大きな違いの1つといえる。

「快作レポート+」の画面例。Microsoft Excelで作られた報告書フォーマットがあれば、さまざまな入力インタフェースを備えたフォームを簡単に作成できる

現場作業の見える化から「データの分析」へ

 こうして現場から管理者に提出された報告書は、自動的にサーバ上で蓄積、集中管理される。電子データであるため、紙と比較して任意の報告内容を素早く検索し、参照できるのは大きなメリットだ。

 作業管理者は誰がいつ、どの点検作業を行ったかを素早く確認できるようになり、設備の故障や、障害が発生した際の迅速な対応が可能になる。システムを通じて、全体の作業状況を素早く把握できるようになるため、月次報告や監査対応のためのレポート作成作業も紙の報告書と比べればはるかに効率化されるだろう。

 加えて、JP1/NPのログ管理機能も管理者にとっては極めて有用だ。JP1/NPは、単に作業フローを制御するだけでなく、個々の作業が実行された履歴をログデータに残し、後にその内容を参照できるようにしている。

 このログを定期的にチェックすることで、単に「作業が行われたかどうか」の確認だけでなく、「どの作業にどれだけの時間がかかっているのか」「どの担当者、どの部門で作業に時間がかかっているのか」といったような、細かな業務分析が可能になる。業務全体のどの部分にボトルネックが潜んでいるかを突き止め、改善への施策を打つ体制が確立できるのだ。

 このように、JP1/NPと快作レポート+を効果的に連携させることで、点検業務の現場はもちろんのこと、作業管理者の実務も大幅に効率化できるため、空いた時間をさらなる生産性向上の取り組みに振り分けられるようになる。

 そして、現場側と管理側の双方で既存業務の効率化を進め、さらなる生産性向上に取り組むことにより、冒頭で紹介した設備保全の次のステップ「予知保全」へと歩を進めていけるようになるわけだ。JP1/NPと快作レポート+によって蓄積されたナレッジを基に作業手順を整備しておけば、障害発生の検知と同時に適切な作業手順を自動的に提示できるようなことが可能になる。

 将来的には、長期間にわたって蓄積した設備稼働ログを人工知能に学習させ、あらかじめ故障や障害の発生を予測した上で、事前メンテナンスを先回りして行う予知保全の実現も現実味を帯びてくる。先進的な生産設備メンテナンスを他社に先駆けて実現するためにも、JP1/NPと快作レポート+で第一歩を踏み出してみてはいかがだろうか。