中国政府は2日、トランプ米政権による鉄鋼・アルミニウムの輸入制限に対する報復措置を実施した。対象は米国から輸入する豚肉など計128品目で、最高25%の関税を上乗せした。報復の応酬を繰り返す「貿易戦争」が一段と現実味を帯び、日本を含む世界経済への影響が懸念される。
中国商務省は3月23日、米国の発動に合わせて報復内容を公表。果物など120品目に対する15%の関税上乗せが第1弾、豚肉など8品目への25%の関税上乗せが第2弾になると説明していたが、一斉実施に踏み切った。対象品目の2017年の輸入額は30億ドル(約3200億円)に上る。
中国財政省は米国の輸入制限について「世界貿易機関(WTO)のルールに違反しており、わが国の利益に甚大な損害を及ぼす」と非難。中国が被る損失とバランスを取るため、WTOルールで認められた範囲内で対抗策を講じたと強調した。
米国は輸入制限とは別に、中国による知的財産権侵害を理由にした貿易制裁も決め、発動に向け手続きを進めている。中国は大豆、航空機、自動車などに報復する構えを見せ、緊張が高まっている。
一方で、米中は水面下で交渉を行っていると伝えられる。中国が米製品の輸入拡大や市場開放といった譲歩案を示し、高い要求を突き付ける米政権との間で落としどころを探っているもようだ。
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