2018年6月26日火曜日

一般相対性理論、銀河レベルでも正確性に問題なしと科学者が検証。さらなる確認作業も計画中

約100年前にアインシュタインが発表した一般相対性理論は、現在物理学には欠かすことのできない基礎理論となっており、またわれわれの日常世界にも役立てられています。たとえば、いまやスマートフォンにも搭載され、地図アプリなどに利用されているGPSもまた、重力の差によって地上と衛星との間で発生する時間の進み方の違いを補正するために、一般相対性理論を利用しています。
ただ、それは本当に銀河のような巨大なものにまで適用して大丈夫な法則なのかと考えたとき、すぐに大丈夫だと答えられる人はいないかもしれません。このちょっとした、それでいて非常に重要な疑問を裏付けるための研究が、Scienceのサイトに掲載されました。

深宇宙の理解を深め、いつか進出を目指す人類にとって、一般相対性理論が正しいかどうかは非常に重要な問題です。もし、理論がわれわれが気づいていないどこかで誤っていれば、たとえば何光年か離れた(それでも非常に近い)恒星系に探査機を送り出そうとしても、うまくいかないかもしれません。

研究者らは、理論における相対性が正しいことを示すために、比較的遠くにある2つの銀河を使った実験を行いました。この実験では、遠くにある銀河の前にもう1つの銀河が見える状態をハッブル宇宙望遠鏡とヨーロッパ南天文台が所有するチリのVLT(Very Large Telescope)で観測し、手前にあるほうの銀河の質量を測りました。

計測にはそれぞれの銀河の重力レンズ効果を使う方法と、背後にある銀河の星の動きから求める方法の両方を使って行なわれ、9%の誤差という結果が得られました。9%というと大きく聞こえるかもしれませんが、それは過去の相対理論の検証の数値に比較して最も正確な部類に入るとのこと。そして、この結果によって理論が有効であると結論づけています。

この検証は、一般相対性理論が宇宙のすべてを案内しきる原理だと証明しているわけではありません。とはいえ、もしも理論が間違いだったならば、これまでの数十年間の間に理論を利用して作られてきたあらゆる物事が成立しなくなるかもしれず、そういう意味では重要な検証だったと言えそうです。

なお、科学者たちはこれですべて一安心だというつもりでもなく、類似した別の方法によって再び相対性を確認する、いわば検算作業を計画しているとのこと。もしこれでおかしな数字が出れば、理論に潜むなんらかの矛盾が明らかになる可能性もあるかもしれません。

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