2018年6月22日金曜日

ロシア、宇宙デブリ問題に「巨大レーザー砲」を持ち出す

地球を周回しているスペースデブリ(宇宙ゴミ)は、宇宙開発における大きな障害となっています。

NASAによれば、ビー玉以上の大きさの宇宙ゴミの数は50万個以上、さらにソフトボール以上の大きさのものは2万個以上も存在するとか。地球のまわりを時速およそ2万8000kmで回っているため、比較的小さなサイズであっても宇宙船や衛星を損傷させる可能性があるのです。

現在、この宇宙ゴミの除去に世界各国が取り組んでいます。日本でも2015年に理研が高強度レーザーによる除去技術についての研究を発表、昨年には失敗したもののJAXAが回収実験を行なっています。

そんななか、ロシアの報道機関RTは、ロシアの国営宇宙開発企業Roscosmos(ロスコスモス)が宇宙ゴミをレーザー砲で撃ち落とそうと計画していると報じました。

Roscosmosが提案しているのは、宇宙ゴミをレーザーの熱で蒸発させて撃ち落とす「レーザーアブレーション技術」を用いた直径3mの半導体レーザー砲。レーザー砲には既に建設中の光学望遠鏡を流用するそうで、プロジェクトの許可が正式に下りれば、衛星と危険性のある宇宙デブリを観測するために設計された望遠鏡はレーザー砲へと変わることになります。

宇宙ゴミの除去にレーザーを使うという解決法はすでに中国が提案しており、その際には破壊的な特性のある技術が軍事利用されたら…と懸念が示されていました。中国に続いてロシアもとなれば、ますます宇宙空間に緊張を走らせることになります。

ですが、人為的なミスで50億円相当の人工衛星を失ってしまったRoscosmosとしては、何としてでも成功させたいのではないでしょうか。

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