2018年6月1日金曜日

創業100周年のパナ、「脱家電」を加速

 家電事業を中心に成長してきたパナソニックだが、現在は「脱家電」にかじを切り、電気自動車(EV)向けなどの車載用電池、自動運転といった自動車関連事業やBtoB(企業間取引)に力を注いでいる。

 かつて「日本のお家芸」といわれた家電は今では韓国や中国メーカーが世界市場を席巻、日本勢のシェアは大きく後退した。

 家電事業から撤退する日本メーカーも相次ぐ中、パナソニックは国内の家電市場でシェア27・5%を握るトップメーカー。中核ではなくなりつつあるとはいえ、家電事業はパナソニックの売上高の3割弱を占めており、成長をあきらめたわけではない。

 アジア新興国を中心に、海外での家電事業も好調を維持している。IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)などの先端技術を活用した家電の開発を進めており、これまでと同様に、「新しい『暮らしの憧れ』を創出する」(本間哲朗専務執行役員)との方針を打ち出している。

 創業以来の中核事業だった家電に依存する経営からの脱却を推し進める津賀一宏社長ですら、「家電が中核ではないと言った途端に喪失感が広がる。それが拭いきれていないというのも事実」と、家電とともに歩んできた100年の歴史の重さを感じざるを得ない。

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