今週の日経電子版「モバイルの達人」では、ヤフーがQRコード決済サービスを決済手数料0円で提供すると報じた。QRコード決済における決済手数料0円は、LINEが6月28日に行った事業戦略説明会で「決済革命を起こす」と宣言したばかりだ。
ヤフーがLINEに対抗して来たかと思いきや、実はヤフーはLINEよりも先に決済手数料0円で加盟店開拓を行なっていた模様だ。
今回、モバイルの達人で、ヤフーの決済手数料0円をスクープ的に報じることができた。記事中では「筆者の取材で明らかになった」と書いたが、実は偶然の賜物といえる棚からぼたもち的な記事に過ぎなかった。
今週、連日の猛暑の中、ちょっと時間ができたので、15年以上通う理髪店で散髪してもらっていた。
仰向けになり、目のところにタオルをかけられて、ヒゲを剃ってもらっていたら、理髪店のドアが開き、「ソフトバンクですけど」と訪問してくる人がいた。
その様子はタオルをかけられていて見ることはできなかったのだが、店主が髭剃り中で忙しいということで、ソフトバンクを名乗る男は資料だけを置いて引き下がった。
ヒゲ剃りが終わり、起き上がると、店主が、その資料を見せてくれた。そこには「ヤフーが10月からスマホ決済サービスを開始。決済手数料・入金手数料・初期費用はすべて0円」という見出しが躍っていたのだ。
ヤフースマホ決済のメリットとしては、QRコードの店舗掲示型であるため、店舗は、QRコードを店頭に紙で貼っておくだけでいい。スマホアプリの操作をするのは客であり、客がスマホアプリでQRコードを読み取り、金額を打ち込むことで決済が行われ、店舗側がその画面を確認して支払が完結する流れだ。
実際に、理髪店の店主は「個人経営だとクレジットカード決済を導入したくても、手数料で5%もとられるのはつらい。決済手数料0円はちょっと気になる」と興味を示していたものの「客が踏み倒して、こちらの収入がゼロになったら困る」と、ボヤいていた。
そういったリスクは決済事業者が負っているものだが、多くの個人で経営している理髪店や飲食店の店主の理解はこの程度なのだろう。
営業マンは、ヤフーよりもソフトバンクと名乗った方が、話が早いと判断しているのだろう。しかし、店主によれば、名刺にはリクルートと書いてあるという。
おそらく、ヤフーがリクルートの代理営業を使っているか、ヤフースマホ決済がリクルートのAirレジに対応する可能性が高そうだ。
ヤフーも、こうした加盟店開拓をしていたら、どこかのタイミングでメディアにバレてしまうのだから、まずはプレスリリースで決済手数料0円をアピールしてから、加盟店開拓を始めれば良かったではないだろうか。
いずれにしても、記事になるネタというのが、意外なところで見つかるということが改めてわかった気がした。
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