2018年7月3日火曜日

中国、米制裁に先行報復=国際法違反か—貿易摩擦

 米中の時差によるものだが、やむを得ない報復だとの中国の説明が説得力を欠き、国際社会で波紋を呼ぶ可能性もある。

 米国は6日、中国の知的財産権侵害を理由に340億ドル(約3兆8000億円)の中国製品に対し25%の追加関税を課す。中国財政省は取材に対し、同規模の報復関税を中国時間6日午前0時(日本時間同1時)から課すと回答した。米東部時間では5日正午となり、少なくとも米国の発動より半日先行する。

 これについて専門家は「米制裁の発動前なので対抗措置と言えず、世界貿易機関(WTO)ルールだけでなく、中国が依拠していると思われる一般国際法にも違反する可能性が高い」と指摘。中国が報復開始をずらさなければ問題となりそうだ。

 一方、米政権内には、習近平国家主席の盟友である王岐山国家副主席の訪米を画策する動きもあると伝えられる。ただ、トランプ米大統領に不信感を募らせる中国が応じるかは不明。今週、米中が土壇場で歩み寄れなければ、中国は報復に踏み切る。

 トランプ氏はこれまでに計4500億ドルの中国製品に高関税を課すと言及している。今のところ、米中とも一歩も引かない構えで、世界1、2位の経済大国による報復の応酬となる「貿易戦争」が迫りつつある。

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