リコーリースは地域発電推進機構との間で、静岡県伊東市の鎌田片平大川浄水場内に設置する小水力発電設備の割賦販売契約を締結したと発表した。
同社はこれまでも太陽光発電を中心に再生可能エネルギーの発電設備に対するリース契約または割賦販売契約を数多く手掛けてきたが、小水力発電設備に対する取り組みは初めてとなる。今回の取り組みは、伊東市と地域発電推進機構が共同で実施する官民連携のプロジェクトであり、地域発電推進機構は、同浄水場における伊東市大川浄水場小水力発電所の発電事業者となる。「再生可能エネルギーの固定買取価格制度(FIT)」による売電期間終了後、発電設備は地域発電推進機構から伊東市へ寄贈される。寄贈後、伊東市は自家利用による電気料金の軽減または民間への売電による収入を得ることで、将来的な人口減少による減収対策を図ることを狙いとしている。
伊東市大川浄水場小水力発電所の取水地点は奥野ダムで、松川湖との標高差を利用して発電する。有効落差は最大85.649m(常時92.443m)、使用水量は最大0.283立方m/s(メートル毎秒)、常時0.229立方m/sで、出力最大は179kW(キロワット)、常時153kWとなっている。水車型式は横軸前口フランシス水車を採用した。既に発電所は2018年4月から稼働を開始している。
毎時1000kW以下の比較的小規模な水力発電は、小水力発電と呼ばれている。小水力発電は、水流により発電するため、天候や時間などに左右されにくい安定した発電が可能となる。日本は、豊富な水資源に恵まれており、大規模水力発電所の建設はほぼ完了しているものの、中小規模の開発最適地は多数残されており、小水力発電は今後の再生可能エネルギーの普及に向けて注目されている発電方法の一つに挙げられている。
リコーリースは、中期経営計画(2017〜2019年度)に定める事業成長戦略の一つに「創エネ・省エネを軸とした新たな環境分野への挑戦」を掲げており、中期経営計画最終年度の2019年度における環境関連分野のリース・割賦取扱高500億円を目標としている。
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