2017年7月28日金曜日

FRB、政策金利の維持を決定 資産縮小、9月も示唆

 米国の中央銀行、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)は26日、政策金利を維持することを決めた。焦点となっているFRBの保有資産の縮小は「比較的早く始める」として、早ければ次回9月の会合で決める可能性を示唆した。

 FRBは金融危機後、景気てこ入れのため、米国債を買い上げて市場に大量のお金を流す「量的緩和政策」を3度にわたりおこない、FRBが持つ米国債などの資産は約4・5兆ドル(約500兆円)に達している。景気の過熱を防ぐため、FRBは年内に資産縮小を始める方針を示していた。今回は声明の発表のみで、イエレン議長の記者会見はなかった。

 FRBは声明で、資産縮小の時期について「比較的早く」として、前回6月の「年内に」との表現から一歩前進させた。「しばらくの間は従来の政策を維持する」とも明記し、資産縮小の開始が近いことを示唆した。市場では、FRBが9月に資産縮小を始めるとの見方が広がっている。

 FRBは今年3、6月と2度利上げをしており、年内にもう1回の利上げを想定するが、市場が予想する「年内利上げ」の確率は5割以下にとどまる。

 FRBが重視する物価上昇率は「年2%の目標を下回る」として、前回の「いくぶん下回る」から後退させた。物価についての表現を弱めたことなどで利上げ観測が後退し、ドルを売って円を買う動きが進んだ。

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