海洋研究開発機構(JAMSTEC)高知コア研究所の鈴木志野特任主任研究員らが、「一細胞あたりのゲノムサイズが非常に小さく、生命機能の維持・存続に必須の遺伝子群が欠落している」という特異な微生物群を発見したことを発表した(プレスリリース、毎日新聞、The ISME Journal掲載論文)。
この微生物は米カリフォルニア州ソノマ郡の「The Cedars」という、マントル由来の岩石域から湧き出る強アルカリ性の水が湧き出るエリアで採取されたもの。湧水中に含まれるカンラン岩の隙間や表面に密集している様子が観察されたことから、その生命活動を蛇紋岩化反応に依存して生きる生命である可能性があるそうだ。
蛇紋岩化反応は、カンラン岩と水が反応するとカンラン岩が蛇紋岩に変質するとともに、水素を多く含む強アルカリ性の流体が生成される反応。この反応は約40億年前の地球初期の環境と類似すると考えられており、今回発見された微生物は地球初期の環境に存在していた生理機能や生存戦略を残している可能性があると考えられるという。
0 件のコメント:
コメントを投稿