日本海にまた北のミサイルが着弾した。覇権国家アメリカでは"CNN"にラリアットをする男が大統領だ。いつの世もリスクはつきものだが、ニッポンもきな臭い。そんな時代に我が家の資産をどう守るか。苦難を乗り越え今に至る、隣の中国の不動産投資やインドの金投資から知恵をいざ、学ばん。
なぜ今か。その背景には、納税者が海外に金融資産を移して課税逃れをする動きを防ごうとOECD(経済協力開発機構)が策定したCRS(共通報告基準)もあります。
日本も導入するこの基準は、各国の税務当局間で金融機関の口座残高、利子・配当の年間受取総額などの情報の交換を狙うもので、中国は18年9月にCRS導入国と初めての情報交換を行います。
実はこの動きと、今の中国人の投資動向は密接に関連している。課税されかねないお金を減らそうと、富裕層が緊急避難的な措置に関心を強めているのです。中国の友人で資産承継に詳しい弁護士は、最近は各地でひっぱりだこ。月に20回も講演をし、毎日飛行機に乗って移動しているほどです。
最も投資が盛んなのは、高額で資産価値も落ちにくい不動産です。最近は家族で信託基金を作って運用する。信託基金の収益に法人税はかからず、個人所得税は徴収するが、実際の徴収はまだない。その基金で日本の不動産を買い、民泊用に貸し出し、宿泊料で収入も得る方法です。海外に設立した会社を使って不動産を購入する動きもある。海外に留学する子どもの住まいの確保に不動産を買うケースも増え、通学する間はそこに住まわせ、住まなくなれば資産として運用する。
一方で、金やプラチナなどの貴金属や美術品の購入も盛んなのは、銀行口座に反映されないためです。ただ偽物のリスクもあり、不動産や金ほど活発ではありません。
15年末ごろ、「日本で10億円の不動産物件を週内に見つけたい」という資産家がいた。その頃は中国政府がCRS導入の協議書に署名をした時期。こうした緊急避難的な投資は今がピーク。この状況は18年いっぱい続くでしょう。
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