2012年5月30日水曜日

最近のMM2Hの申請条件---銀行残高証明

● 銀行残高証明が1,800万円(~1,300万円)必要に 

従来MM2H申請の為の財務条件は ①定額の定期預金、②マレーシアでの生活を支える財務能力の証明(本国での銀行残高、収入証明)が要求されていました。この②の方は内容が具体的に公表されておらず、ずっと不透明のままでしたが、実際の申請者の経験から700~1,000万円と推定されて来ました。実際に残高がこれに満たなくとも、これを補う定期収入があればこれを総合して審査されるとの事でした。また株式、債券などの有価証券は今のところその利子や配当などが定期収入として加算されます。 

今回銀行残高証明が50万リンギ(約1,800万円)になったという情報が入りました。これも上記の不透明なブラックボックスの中での話で、公表はされません。なお50万リンギの中から、後日15万リンギの定期預金を作るので、50+15=65万リンギになったのではありません。また申請時の50万リンギを後まで維持することは必要ありませんし、トレースもされません。。 

この財務条件の公表がないので、申請者の方でも出した申請が書類不備(金額不足)として却下されるケースがかなり出ました。このたいていの場合は申請者が30日以内に追加の残高証明を出すことによって嘆願書(Petition)によりパスしています。 

前もって申請に必要な銀行残高として必要な金額を公表してくれれば2度手間にならないで済むのに、不透明なブラックボックスを変えようとしないので、申請者やビザ業者から批判を受けていましたが、政府の方にもこれには訳があります。それは一たん公表すると後の変更が難しくなるからです。マレーシア政府としてセカンドホームは大きなプロジェクトですが、このために提示したビザの支給制度を周辺国の不法労働者や手配師が悪用して偽装入国をする等というという問題が現実にしかも大々的に起こった以上、防衛策を講ずる必要がありますが、これが政府の意思で確実・迅速に行えるのはこのブラックボックス部分にありますが、このような可操作部分はいくつも設けられており、金額の公表されない銀行残高もその有効な操作ハンドルの一つなのです。従って今回の50万リンギへの変更も公表する方針はありません。外部の人から見ると不親切に見えるでしょうが、政府の自己防衛の仕組みとしては十分理解できます。 

さてこの1800万円ですが、これは基準値として伝えられている数字の一つを代表的にとらえていっているもので内容としてはさらに複雑です。まず元の数字は50万リンギですがこれは50歳未満の場合であり、50歳以上はこれが35万程度でもOKと伝達されたことがあります。いずれの場合もこれ以外の経済力を示す証拠、すなわち収入証明書(民間の発行でもOK)月1万リンギ相当(50歳以上は月7千リンギ相当)の提出を求められ、その他の資産内容があればそれも出した方が有利です。 

収入証明が出せない、引退後・年金支給前の申請者には難しい要求ですが、2千万円の残高証明一発で通ったケースもあり、また1万リンギの収入証明が出せない場合、銀行残高が余計にあればパスするとか、ケースバイケースで業者が担当官と「ネゴ」することになります。 

家などは残高証明のように手持ち資産に数えてくれませんから、これを賃貸した場合の家賃収入として収入に加算させるとか、土地付の家で銀行にリバース・モーゲージ・ローンを組ませて月収入として申請したケースも出ているそうで、要は良い業者と頭を使うことで切り抜けられる場合が多くなると思われます。 

なお別の項で述べますが、収入証明は公的年金のみ認めるという話は、上記の経済基盤の証明のプロセスには関係なく、定期預金なしに収入証明だけで申請しようとする場合に限定されます。

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