福島県産の鮮魚が28日、東京電力福島第1原発事故後初めて、海外に出荷された。輸出先はタイで、県などは輸出先の拡大を目指していく考え。県の水産物をめぐっては、国内外に原発事故による放射能汚染の風評被害が残っている。関係者は販路を海外にも広げることで、県水産物のブランド力を高めていく方針だ。
タイに輸出されたのは、28日午前に福島県相馬市の漁港に水揚げされたヒラメとマガレイ約110キロ。トラックで羽田空港まで運ばれ、空輸される。3月2日にはバンコク市内の日本食レストラン12店で提供される。
水産物の輸出は、タイ現地業者からの要望を踏まえ、県が仲介して実現した。今後、定期的にタイ向けにヒラメなどを出荷していく。
相馬双葉漁業協同組合(相馬市)の立谷寛治代表理事組合長は28日、「県の魚を世界に販売できるのはうれしい。安全安心な魚を出荷していきたい」と輸出拡大への期待を語った。
県によると、県水産試験場が実施している放射性セシウム濃度のサンプル検査で、福島県産の魚介類が国の基準値を超えたケースは2015年4月以降、ゼロで推移しているという。
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