2017年1月10日火曜日

米医学界、耳掃除のやり過ぎに警鐘を鳴らす

耳掃除の是非については以前から議論されていたが、アメリカ耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が「Clinical Practice Guideline: Cerumen Impaction」(臨床実践ガイドライン:耳垢栓塞)なるガイドラインを公開した。これには、「綿棒のような細いものを耳に入れないこと。耳垢を奥まで押し込んで、栓塞悪化や炎症を招いてしまう」といった内容が含まれている(ギズモード・ジャパン)。

耳垢には耳の中を適度に湿らせ、チリやホコリが中に入るのをブロックし雑菌の繁殖を防ぐ大事な役目があると言う。新しい皮膚細胞が生成されると古いほうから順繰りに出ていく自浄作用もあるそうだ。耳掃除をやりすぎて自浄のサイクルを断つと、耳垢がたまって詰まったり、耳が遠くなる症状が出るとのことで、アメリカではそうした症状に悩まされている人は子どもの約10%、成人の約5%にものぼるそうだ。

Dos and Don'ts of Earwax」(PDF)という文書も公開されており、耳垢や耳掃除に対してやるべきこと、やっては行けないことがまとめられている。これによると、耳垢の存在は異常ではなく、何らかの症状を引き起こしたり、それによって耳の穴がふさがれることはなく、逆に耳を守る働きがあるという。また、「掃除のやり過ぎ」や綿棒などの押し込み、「ear candle」(耳掃除用のロウソク)の利用などはやってはいけないとされている。

 

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