世界のイスラム教国に比べると比較的規則のゆるいマレーシアだが、食文化はイスラムの教義に忠実であり、マレー人は豚肉と酒を口にすることは許されていない。豚以外の肉もイスラム式に正しく屠殺した肉以外は食べてはいけないことになっている。
ただ、マレーシアにはマレー系、中華系、インド系とその他の部族が暮らしていることから、マレー人以外のマレーシア人には豚肉を食べる人もいるし、酒を飲む人もいる。マレーシア編�では、マレー料理について紹介しよう。
まず知っておきたいのが、マレー人は右手を使って料理を食べる人が多いということ。これはイスラムの教義によるものだ。文化の違いを感じつつ、現地の人々に混じって食事を楽しんでみよう。
マレー料理は赤や青の唐辛子、レモングラス、ターメリックやタマリンドなどの香辛料を多様した、スパイシーな味付けが特徴だ。年間を通してココナッツが収穫できることから、お菓子だけでなく料理にもココナッツミルクを使用したものが多い。
ココナッツミルクは料理の辛さを和らげ、マイルドな味わいをプラスしている。ココナッツミルクと香り付けに欠かせないパンダンリーフを入れて炊いた白米に、発酵させたエビと唐辛子などを煮込んで作るサンバル・トゥメス、揚げた小魚とピーナッツ、卵を添えて食べる朝食として人気の高い「ナシレマ」、マレー風焼きそば「ミーゴレン」、牛肉をココナッツミルクと複数のスパイスで煮込んだ「ビーフ・レンダン」。
特に辛いものでは、魚とオクラやナス、トマトなどの野菜を唐辛子たっぷりの真っ赤なスープで煮込んだ「アサム・ぺダス」などの料理もあるし、牛肉やマトン、チキンやいわしを入れたカレーペーストをパイのような生地で包み、油で揚げたマレー版カレーパン「カレーパフ」、バナナに衣をつけて揚げた「ゴレン・ピサン」などのスナック類も充実。
マレー人が約7割を占めるマレーシアでは、ほぼどこの屋台でもマレー料理を食べることができるが、不定期で開かれる「ナイト・マーケット(夜市)」もお勧めだ。夜市は特に断食期間中がベスト。
断食期間中の1カ月間は、日の入りから日没までは食べ物を一切口にすることができない。日没後の夜市はお腹を空かせたマレー人が集まり、いつも以上に豊富なマレー料理が味わえるのだ。ただし、日中の食事をマレー系の屋台やレストランでする場合は注意が必要である。シェフが料理の味見をすることも許されないため、料理の味つけが微妙なことがあるからだ。
クアラルンプールで有名なマレーの夜市:Danau Kota郊外, Cheras中心街, Damansara中心街 & Lorong Tuanku Abdul Rahman中心街
※クアラルンプールに到着後、上記のどこの場所で開催されているか地元の人に尋ねてみてください
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