中国出身のウイグル(Uighur)人で、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に参加する戦闘員らが、自国に戻り「川のように血を流してやる」と脅す動画が公開された。米テロ組織監視団体が明らかにした。専門家らはISが標的として中国に言及したのは初めてとみている。
動画を分析したテロ組織監視団体SITEインテリジェンス・グループ(SITE Intelligence Group)によると、今回の動画はイラク西部に展開するISの一部門によって先月27日に公開されたもので、中国出身のウイグル人戦闘員らが映っていた。
これまで中国政府は、同国西部の新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)で起きている一連の攻撃について、国外に逃れた「分離派」のウイグル人によるものと非難し、過激派が国際的なジハーディスト(イスラム聖戦士)の諸組織と連携する可能性について警鐘を鳴らしていた。
ウイグル人の戦闘員らは30分間の動画の中で、中国政府を脅迫するメッセージを残している。
SITEの翻訳によると戦闘員らは「人々が言っていることを理解できない中国人ども!われわれはカリフ制国家の兵士だ。お前らの元に行き、われわれの武器を使いはっきりさせてやる。川のように血を流し、虐げられた人たちの復讐(ふくしゅう)をする」と述べているという。
新疆ウイグル自治区について詳しい、オーストラリア国立大学(Australian National University)のマイケル・クラーク(Michael Clarke)氏はAFPに対し、今回はISが中国に対して「初めて直接的な脅し」に言及したとみられると指摘。「ウイグル語を話す戦闘員がISに忠誠を誓ったのは初めてだ」と述べた。
クラーク氏はまた、これまで国際的なイスラム過激派組織から言及されることがほとんどなかった状況から、「イスラム聖戦士の言及対象」へと中国が変化したことは、公開された動画から明らかだと述べた。
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