2013年1月28日月曜日

生産シフト先としてのマレーシアをどう評価する?

マレーシアに在留していたという「ひいき目」があるのかもしれませんが、総合的に判断して、マレーシアは製造業の生産シフト先として、優れた投資環境を有していると思います。むしろ周辺諸国に比べて、優れた点も少なくありません。

共通語の流通 マレー系、中国系、インド系と多民族国家であるマレーシアは、公用語であるマレー語以外にも、英語、中国語が広く使われています。マレー語はインドネシア語と同じです。よって、マレーシア人は、多くの国・地域の人々と、ほぼネイティブな会話が可能です。

近代的な法体系 イギリスの植民地であったことから、一般的に「Common Law」と呼ばれる法律体系が確立している。多くの発展途上国では、外国企業、外国人に不利な法律&運用であるのに対し、マレーシアの法律体系は非常に公正なものです。

整備された金融システム また、もう1つのイギリス植民地の影響ともいえるのが、しっかりした金融システムです。国内金融機関の提供している金融サービスは国際水準にあると思います。どこかの国のように、外国送金への規制などはありません。

流動性の高い労働力 労働力の問題についても、さまざまな対策が採られているようです。東マレーシア(ボルネオ島側の領土)*や周辺諸国からの労働力の「輸入」が促進されています。1つ面白い話があります。マレーシアの公共バス運転手の大多数はインドネシア人です。一方、シンガポールのバス運転手の多くはマレーシア人です。それぞれ、自国より収入の良い国に出稼ぎに行っています。公共機関の運転手が外国人の出稼ぎというのは、ちょっと日本では考えられない現象です。

マレーシアというのは、東南アジアの中でもユニークな面を有しています。通常、発展途上国は国内の南北問題(都市部 vs.地方の収入格差)を抱えています。もちろん、マレーシアでも収入格差はあるのですが、他の発展途上国と比べると、その差は小さいものです。マレーシアではかなりの田舎に行っても、各家に自家用車として、PROTON、もしくはPERODUA*を見かけることが多くあります。他の国——タイ、インドネシア、フィリピンでは絶対に見ることのできない光景です。

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