2013年1月28日月曜日

マレー半島西側の海「マラッカ海峡」。長さ900キロメートルのこの狭い海峡を通過する船は年間9万隻と通行量がとても多いです。そして近年ではスエズ運河から来るヨーロッパの船、ペルシア湾岸からの石油輸送船の東アジアへのルートとしても重要されています。
しかし、昔から問題だったのが「海賊」です。数年前、ヨーロッパの保険組合は「保険対象としては戦争地域に準ずる危険度がある」と宣言しています。
中世の時代からこの海を支配しようとしたイギリスやオランダ、ポルトガルなどの船が海賊被害に遭ってきました。現代でも97年のアジア通貨危機以降、多い年で年間80件、一時は世界の海賊行為の4割以上がマラッカ海峡で発生していると言われていました。マラッカ海峡は狭く、小さな島々が何千とあり、多くの河川が注ぎ込んでおり、海賊が隠れたり逃走したりするのに適しているそうです。
しかし、長年続いた「マラッカ海峡の海賊」も近年は国際海事局(IMB)の主導により、 インドネシア、マレーシア、シンガポールが協力して監視体制が強化されたため、劇的に減少しています。そして昨年、ついに海賊行為ほぼゼロを達成し、マラッカ海峡の海賊は抑え込まれ、国際海事局の報告でも、マラッカ海峡の海賊の脅威はほぼゼロになっていると評価しています。現在、西アジアから輸入される原油と天然ガスの8割、そして国際貿易貨物の3割がマラッカ海峡を通過しています。
この世界的に重要な海の平和を守ることがマレーシアの指名なのかもしれません。

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