2015年3月19日木曜日

免震ゴム、信頼性低下を懸念=改ざん問題で

 東洋ゴム工業による建築用免震材料データの改ざん問題を受け、免震ゴムを製造する他のメーカー各社は、市場全体に対する信頼性まで低下しないか強く懸念している。東日本大震災などを受けて今後の成長が有望視されていただけに、水を差された格好だ。他のゴムメーカーなどは、性能への懸念を払拭(ふっしょく)するための取り組みを進める考え。
 免震ゴムは薄いゴムと鉄板を交互に重ねた装置で、地盤と建物の間に設置して揺れを軽減する。建設費がかさむため普及が進まなかったが、1995年の阪神大震災を契機に、高層マンションなどで採用が増加した。ただ、普及率は1%に満たず、むしろ「今後の伸びしろが大きい」(ブリヂストン)という。国内のタイヤ需要の頭打ちに直面するゴムメーカーは、新たな市場として期待を寄せてきた。
 今回の改ざん問題について、業界団体の日本ゴム工業会は「考えられない事案で、業界全体の問題ではない」と強調する。しかし、顧客からの問い合わせは東洋ゴムに限らず、免震ゴムのシェアの5割を占めるブリヂストンにも寄せられているという。

0 件のコメント:

コメントを投稿