2012年11月20日火曜日

コンドームが命綱-マレーシアゴム業界、競争激化で生産増強へ

11月19日、世界最大のコンドーム製造会社、マレーシアのカレックス・インダストリーズは、来年の新規株式公開(IPO)実施後に生産能力を増強する計画だ。タイやベトナムとの競争が激化する中、マレーシアはゴム業界の活性化を図っている。
カレックスのエグゼクティブディレクター、ゴー・ミア・キアット氏は「コンドーム需要は引き続き伸びている」と指摘。「今は非常に好機だ。IPOを通じてさらなる生産能力増強に向けた追加資金が調達できそうだ」と述べた。同社の事業の創業は、ゴー氏の曽祖父がマレーシアの天然ゴム農園で食料品店を営んでいた約100年前にさかのぼる。
ゴー一族の事業は天然ゴム取引から避妊具の輸出へと発展。同一族がバリューチェーン(価値連鎖)を生み出していく過程は、マレーシアの経済発展を投影している。同国はエコノミストらが「中所得国のわな」と呼ぶ状況から抜け出す戦略の一環として、農業を中心とした経済からラテックス製医療用手袋や石油化学製品の製造など、より高い利益を生み出す経済への移行を目指している。中所得国のわなとは、途上国が経済発展により中所得国になった後、新たな成長への原動力が不足し長期的な停滞に陥る現象。
ゴー氏は12日のインタビューで「当社が生産に参入した当初、コンドームという言葉はほとんど禁句だった。だが今では状況は変わった。アジアの人口は若年層が非常に多いので、多くの需要を生み出すだろう」と述べた。
ゴー氏によると、カレックスはIPOを通じて年間のコンドーム製造能力を60億個に倍増させるための資金の調達を目指している。同社はコンドームを国連に提供しているほか、ブラジルや米国、中国で販売している。マレーシアゴム協会によると、同国は世界最大のコンドーム生産国。

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