2016年9月30日金曜日

中銀は万能でない、知見共有が重要=黒田日銀総裁

黒田東彦日銀総裁は30日、日銀とカナダ銀行との共催ワークショップであいさつし、中央銀行が万能でないのは事実とし、さまざまな課題に直面する各国中銀が知見を共有することが重要と語った。

総裁は21日の金融政策決定会合で、3年半にわたる大規模緩和の効果と影響を分析した「総括的な検証」を踏まえ、新たな枠組み「長短金利操作付き量的・質的金融緩和(QQE)」を導入したことに言及。

「多くの中央銀行が各々に与えられた責務を果たすために、様々な課題に直面している」と述べるとともに、「中央銀行が万能ではないということもまた事実だ」とし、「中銀が互いの知恵と見識を持ち寄り、交換する機会を持つことを重視している」と語った。

そのうえで、カナダ人作家のルーシー・モード・モンゴメリの小説「赤毛のアン」の中で、主人公の少女アンが「これから発見することがたくさんあるって、すてきだと思わない?もし何もかも知っていることばかりだったら、半分もおもしろくないわ」と話す場面を引用。

「日々、新しい知恵や解決策、政策ツールを見つけ出そうと多大な努力を続けている全ての中央銀行職員とエコノミストにとって大きな励ましとして心に響く」と課題克服に苦悩する中銀マンの心情を表現した。

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