2016年9月26日月曜日

個人の「想い」が社会を変えていく

 今日と同じ明日がいつまでも続くとは限らない、仕事も大切だが家族のことももっと考えたい、など私たちは以前よりも「個」を大切にし、自分たちの働き方を見直すようになった。

 最近、@IT自分戦略研究所で取材した中だけでも、「島根にいながら、東京やベトナムのエンジニアとバーチャルプロジェクトチーム組んで開発」したり、「長野に移住して起業し、もともと在籍していた会社とのダブルワークを実現」したり、「岡山で暮らしながら、東京の顧客の受託開発したり」、さまざまな地域に移住し、さまざまな働き方を選択したエンジニアがいた。

 活躍の場所は国内にとどまらず、「ベトナムで起業し、現地のエンジニアを雇用してプロジェクトチームを作った元エヴァンジェリスト」や、「カンボジアでWeb開発者デビューを果たした文系出身エンジニア」もいる。

 変わったのは、働く場所だけではない。

 正社員"以外"の雇用形態を選択し、やりたいことやプライベートとの両立を果たしているエンジニアも増えてきた。同じく@IT自分戦略研究所で近年取材したり出会ったりしたエンジニアには、「半年単位でオンとオフを切り替え、スキー選手とエンジニアを両立する派遣エンジニア」や、「子育てを全て引き受け、ノー残業で働くパパエンジニア」、「副業と開発の両立を図るフリーランスエンジニア」などがいた。

 こうした「個」の動きに合わせて、さまざまな働き方を社員に提示する企業も増えてきた。

 日本ヒューレット・パッカードは、1日の就業の全部または一部を自宅で就業できる「フレックスワークプレイス制度」を導入し、日本アイ・ビー・エムは、通常の60%勤務を可能とする短時間勤務制度を設け、社員のプライベートの変化に伴って働き方を変えられるようにした。「副業推奨」「育自分休暇」など、サイボウズのさまざまな施策も興味深い。

もっと自由に、もっと柔軟に

 個人や企業の意識が変わり始めた今、ITは新しい働き方の実現を強力に支援してくれる。ネットワークやクラウドの進展はリモートワークスタイルの実現に大きく寄与した。では新しいIT技術、例えばIoTAIは、私たちの働き方をもっと自由に、もっと柔軟にしてくれるのだろうか。

 「特集:テクノロジーが支援する1億総ワークスタイル変革時代」は、ITの活用で今後ワークスタイルがどのように代わり、私たちにどのような変化がもたらされるのかを解説していく。お楽しみに。

 

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