オリンピック景気への期待に支えられ、昨今の東京における不動産取引の活況ぶりは、世界一の不動産市場としての地位を誇示しているかのように見えます。けれども果たしてそれは、客観的な事実に基づいてのことなのでしょうか。
ここでは世界の不動産投資家に対して、国際的な観点から多角的なデータを提供しているとの定評のある「GlobalPropertyGuide」から、現在バブル期を迎えている各国の不動産についてのデータを整理しておきたいと思います。
■不動産の客観的な評価とは
不動産バブル国ランキング 果たして日本は何位?
住宅不動産への投資を決意した人でも、外国の物件にまで手を伸ばすのは躊躇しがちです。その最大の原因として、多くの人は「情報が少ないから」と答えます。そのような人は、一度「GlobalPropertyGuide」に目を通してみることをおすすめします。
海外不動産への投資に関しては「外国人が財産を購入することができるのか」「不動産価格は妥当か」「どの程度の家賃収入が見込めるのか」「売買コストや税金はどのくらいか」「オーナーとテナント間の法律は整備されているか」など、疑問点が次から次へと浮かんできます。
「GlobalPropertyGuide」は、そのような疑問点をかなりのレベルまで解消してくれるでしょう。なぜなら、対象物件を客観的に評価できるだけの情報が揃っているからです。
また「GlobalPropertyGuide」のデータベースには、☆の数で表された長期投資の評価が明示されています。ここでは「総賃貸利回り」「所得税」「キャピタルゲイン税」「往復の旅費をはじめとする取引費用」「潜在的な家主とテナントの問題」「長期的なGDP成長」「潜在的な供給の過剰」「投資家に対する長期的な魅力」などの各項目について、大いに参考にすべき調査結果が提供されているのです。
■最も収益率が高かったのは?
世界の住宅不動産の中で、総賃貸収益率が高かったのはどこだったのでしょうか。
エクアドルのキトが8.04%で10位にカウントされたのをはじめ、1位となったモルドバのキシナウに至るベスト10は次の通りでした。なお、各該当地には長期投資評価を表す☆マークの数を示しておきました。
10位 エクアドル、キト (総賃貸収益率 8.04% 優秀)☆3つ
9位 ヨルダン、アンマン (総賃貸収益率 8.13% 優秀)☆5つ
8位 バハマ (総賃貸収益率 8.16% 優秀)☆4つ
7位 エルサルバドル、サンサルバドル (総賃貸収益率 8.49% 優秀)☆3つ
6位 タンザニア、ダルエスサラーム (総賃貸収益率 8.57% 優秀)☆2つ
5位 インドネシア、ジャカルタ (総賃貸収益率 8.61% 優秀)☆3つ
4位 ウクライナ、キエフ (総賃貸収益率 9.09% 優秀)☆2つ
3位 エジプト、カイロ (総賃貸収益率 9.40% 優秀)☆3つ
2位 ジャマイカ、キングストン (総賃貸収益率 9.75% 優秀)☆3つ
1位 モルドバ、キシナウ (総賃貸収益率 10.00% 素晴らしい)☆3つ
■日本のランクは……!?
総賃貸収益率のベスト10を見ても、日本の姿は見当たりません。目を凝らしてデータベースを辿ってみると、ようやく発見できました。
66位 日本、東京 (総賃貸収益率 3.43% 非常に悪い)☆2つ
世界の80ヵ所についてランキングされている中で、バブルに見舞われているはずの東京は、なんと66位に沈んでいたのです。総賃貸収益率は3.43%と、1位のキシナウに比べれば1/3強に過ぎないうえ、長期投資の評価も☆2つにとどまっています。
こうした具体的なデータを見る限り、日本の不動産投資はまだまだこれからだといえるでしょう。世界の不動産市況から日本の不動産市況を見てみると、新たな発見があるかもしれません。
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