2017年4月28日金曜日

韓国がいつまでも「先進国」になれぬ理由

 韓国経済はかつて、「日本を追い抜く」「世界を牽引する」と喧伝された。それが今、苦境に喘いでいる。なぜ韓国は、経済の面で先進国になりきれないのか? 大前研一氏が解説する。

 一般的に1人あたりGDPが2万ドルを超えると中進国、3万ドルを超えると先進国とされる。だが、3万ドル経済に向かおうとする中進国は、しばしば為替や労働コストが高くなって競争力を失い、3万ドルに近づくと落ちるという動きを繰り返す。これが「中進国のジレンマ」だ。

 韓国経済も、調子が良くなるとウォンや労働コストが高くなり、そのたびに競争力を失って落ちるという悪循環に陥っている。

 なぜ韓国は「中進国のジレンマ」から抜け出せないのか? 最大の理由は、イノベーションがないことだ。

 日本は素材を中心とした広範な分野のイノベーションと生産性向上によって、為替や労働コストの上昇を乗り越えた。スイス、イタリア、フランス、ドイツなどはブランド、マーケティング、デザイン力による高級化・高価格化というかたちでイノベーションに成功した。韓国は、そのどちらもできていないのだ。

 詳しく説明しよう。日本型のイノベーションも、スイスやイタリアのようなイノベーションも、多額の投資が必要である。


 たとえば、日本企業はR&D(研究開発)とマーケティングにそれぞれ売上高の7%くらいを使うのが普通である。創薬型の製薬会社の場合はR&Dに売上高の10〜20%を投じるのが当たり前だ。

 また、「パテック・フィリップ」「フランク・ミュラー」「ウブロ」といったスイスの高級機械式時計メーカーのようなハイエンドの商品は、マーケティングに売上高の3割を投入することも珍しくない。トヨタ自動車の「レクサス」もアメリカ市場でブランドを確立するために巨額を投じ、デポ(拠点)を増やして修理時や車検時の代車などできめ細かいサービスを展開して成功した。

 そうした投資をしてイノベーションを生まない限り、日本や欧米先進国を超えていくことはできないわけだが、韓国企業にそのような発想はない。多くの韓国企業と仕事をしたことがある私の経験では、R&Dやマーケティングには、せいぜい売上高の2〜3%しか投資しない。R&Dやマーケティングにカネと時間をかけるより、日本や欧米の技術やデザインをパクってスピードと規模で勝負すればよい、という発想なのである。

 だから大半の韓国企業はブランドを確立できず、かといって生産性を向上して大きくコストを下げることもできないため、価格がハイエンドとローエンドに二極化した今の時代の中で、消えつつあるミドルレンジ(中間価格帯)に取り残されているのだ。

 その上、韓国は産業の"厚み"がなく、中小企業(SME*)に日本のような技術力がない。多数の韓国の中小企業の人たちと話したことがあるが、彼らは一様に「大企業の単なる外注・下請けでしかない」と嘆いていた。


 【*Small and Medium Enterpriseの略】

 日本の場合、大企業は傘下の中小企業が新製品の開発やコストダウンなどについて何か良いアイデアを出したら、それによってもたらされた利益を折半するというようなインセンティブ制度が珍しくない。だから日本の中小企業は技術レベルが非常に高く、層が厚いのである。

 一方、韓国の場合は財閥系の大企業が目先の利益だけにこだわっているため、傘下の中小企業がイノベーションや生産性向上の提案をしたとしても全部搾取されるだけで、日本のように大企業が中小企業を育てて産業の裾野を広げるという土壌がないのである。

 かてて加えて、韓国は産業構造の転換もできていない。『日経ヴェリタス』による2016年の世界の企業の時価総額ランキングでは、首位から12位まで、ずらりとアメリカ企業が並んでいるが、上位に入っているのは、1位のアップル、2位のアルファベット(グーグルの持ち株会社)、3位のマイクロソフト、6位のアマゾン・ドット・コム、7位のフェイスブックという昔はなかったICT(情報通信技術)企業である。

 ところが、韓国ではアメリカのような21世紀型の新しい産業、新しい業種がほとんど生まれていない。財閥系の大企業が「従来の延長線上でいっそう努力する」というアナログ思考のやり方なので、産業構造が20世紀のままになっているのだ。

 以上のような問題があるため、韓国は大きく飛躍することができず、いつまでたっても「中進国のジレンマ」から抜け出せないのである。

ネイティブ発音の英語と外国人風発音の英語、米国人が聞いた時に脳の反応が異なる

英語のみを理解する米国人がネイティブな米国発音の英語を聞いた場合と、外国人風発音の英語を聞いた場合では、間違いに対する脳の反応が異なることが判明したそうだ(論文概要ペンシルベニア州立大学の発表The Verge)。

ペンシルベニア州立大学などの研究者は、いずれも1か所の間違いを含むネイティブ発音の英文と中国人風発音の英文を被験者に聞かせ、事象関連電位(ERP)の測定により脳の反応を調査したという。被験者は大学に通う年代の39名で、母国語の英語のみを理解し、あまり外国人風の発音に触れていない人が選ばれている。

例文は男性の名前を「she(彼女)」で受ける文法的な間違いを含むものと、「airplane(飛行機)」とすべき部分を「cactus(サボテン)」に置き換えた意味的な間違いを含むものの2つ。被験者はERPを記録しつつ例文を聞き、間違いがあったかどうかを後で答える。また、外国人風の発音が中国人風のものであると識別できたかどうかの確認も行っている。

被験者はいずれの発音でも平均90%の正確さで誤りを指摘したが、脳の反応はネイティブ発音と中国人風発音では異なっていたそうだ。ネイティブ発音では文法的な間違いで前頭部に陰性電位が出現し、意味的な間違いではN400と呼ばれる意味的に逸脱した語に対して出現する陰性電位が強くみられたという。

一方、中国人風発音では文法的な間違いに対するERPの反応はなく、意味的な間違いにのみ遅い陰性電位が生じている。詳しく調査すると、中国人風発音を識別できた被験者では文法的な間違いにN400風の反応が出ていたとのこと。

この研究結果は、言語処理に関連した神経に対し、外国人風発音の経験や識別が及ぼす影響を理解するための新たな知見になる。今後は母国語の地方なまり・方言や外国語について、どのように脳が処理するのかを調査する計画のようだ。

2017年4月27日木曜日

尹胜:由郭文贵在美国之音的专访被强行终止说起

今天早上,我从微信群才看到郭文贵先生在美国之音的专访被强行终止的消息,然后又翻看了推特和YouTube上的一些消息。由于实在是看不惯很多数网友的嘴脸,录了小段视频发在一些微信群,之后依然觉得不够细致和深入,于是才想着写篇文章来谈谈这个事情。

如果我们把中国社会几千年愚蠢、野蛮的历史比作一部超长电视剧的话,中共统治的中华人民共和国只不过是其中短短一集。而中国目前正在发生的这一切,也只不过是这短短一集其中的一个故事情节。那么,郭文贵事件又只是这一个故事情节中的一个小小的片段。仅此而已。在这一部充满血腥斗争的历史长剧中,只有原始的强权争夺和充满动物性的利益角逐,绝无丝毫的文明意义。所谓中华文明和汉语文化,只是这残酷历史里荒唐的序言和注脚,或者是华而不实的字幕与充满欺骗的解说。所谓的智慧除了狡诈阴险的各种手段,所谓的道德不外乎谎言,人人互相戕害,彼此倾轧斗争,一个荒诞不经的族群居然因为做奴隶而骄傲了几千年!这部长剧注定与文明无关,与真理无关,与正义无关。

对于郭文贵事件,同样与正义无关,无论是中共还是郭文贵,或者是围观的网友们,统统如此。郭文贵目前和中共所展开的媒体舆论的斗争较量,只是中共权斗或者中国社会撕裂的一个插曲与缩影,没有一方是正义的,只是中国社会和人心黑暗的沉渣泛起与再度暴露。

美国之音对郭文贵采访一个小时左右就突然停止,引发许多的猜想。大陆方面很快在网络上就以一贯打击对手的宣传手段,进行道德抹黑,媒体宣判。网友一部分也开始攻击郭文贵为汉奸、走狗、卖国贼,另一些网友则倒向郭文贵,支持他和为他叫好,真的比庞勒的《乌合之众》更为乌合之众。网友骂郭文贵卖国,郭文贵也说他的那些对手中共高层官员是国贼,其实都是贼,就连那些网友如有机会当权也一样是国贼。怎么说呢,中国人人人可以说都是贼,这就是一贼窝,没几个好鸟。所以,很多人说郭文贵与中共高层的斗争是狗咬狗,在我看来的确如此,关键还不止于此,而是一大群狗在围观狗咬狗,这种描述才是贴切的,不过,如此真实的场面又显得太过奇幻了,正常人都是看不懂的。

说到网友吧,绝大部分的都是看热闹不嫌事大的,其实就是个出于猎奇心理的一个围观心态。无论是反郭挺郭的都是盲目的,因为这里面并不没有严格意义上立场,如果让他们为他们的立场付出哪怕任何一点牺牲,这些人都是绝不情愿的。这也不仅是这些网友的问题,而是中国整个族群的问题。

有些人说难得郭文贵站出来说真话,似乎把他当成英雄一般,这真是个玩笑。郭文贵原本就是和中共搞官商勾结发的家,据他自己说有十几个国度的护照,二十多年的外籍身份,因利益关系还甘愿充当中共国安鹰犬这么多年。他和中共本是利益共同体,只是现在中共内部权力斗争涉及到他,他站出来爆料仅是一种斗争手段,目的是为了保护他的家人和财产,与正义根本没有丝毫的关系。假设,他的家人和财产不受威胁,他会站出来吗?我想绝无可能,就中国人这点勇气和见识,只够哄孩子和骗傻子还行。

郭文贵口口声声说爱国,爱中国人,真是无知到家,无耻到家。第一,中国目前只是一个朝代,并非现代国的意义,这种对国的意义的无知可以说是中国普遍整体的无知。第二,郭文贵脱籍二十几年和中共狼狈为奸,捞取名利不惜沦为共匪的鹰犬,居然还敢说爱国人这便是无耻。

那些围观的人,无论站在中共一边,或者站在郭文贵一边的都是同一种货色,敌人的敌人就是朋友,这是毛泽东思想余毒,是辩证法或二分法思维,对立观念和专制人格和思想。没有任何一方是正义的,本来是狗咬狗的一场戏,由于网友的站队,所以也就成了一群疯狗打群架了。

很多人对美国之音停播抱有很多的猜测与失望,这是非常不明智的,美国之音隶属美国国务院管辖,能让它停播只有美国政府。无论是谁,都是在为中共掩盖罪恶,我想,这种事情如果没有经过特朗普批准,这就得摊上大事,我可以推断至少是特朗普顾问团队人员的决定。至于他为什么这么决定,肯定是来自于中共方面的要求,同时因此还关系到美国的巨大利益,否则谁也不愿因这么个事背上破坏新闻自由的骂名。我在前几天的文章中谈到叙利亚和朝核问题,关于这件事是否与朝核问题相关,我们是完全有理由可以进行联想的。很多人说是中国给美国之音施压,这词用得没有丝毫水平,中共有什么本领给美国施压?唯一只能是利益交换罢了。

很多中国人把美国看成救世主,这是极为荒唐的,美国政府的公平和公正仅对于美国公民,而不可能照顾到中国社会的公平。美国社会的公平是美国人争取和建立的,所以中国的公平和公正也需要中国人去争取和建立。一切把中国社会的公平寄托于美国社会的这种期待,都是一种脱离现实的幻想,同时也是自我逃避责任和义务的软弱无能的心理。美国的确扮演了世界警察的角色,替代了联合国做了很多事实,在美国利益的基础上没有突破人类文明底线和基督教所建立的道德底线,这已然很不错了,但期待美国去实现中国社会的公平正义,那纯属痴心妄想。

在美国第一修正法案保护新闻自由的前提下,美国政府为什么可以公然违背宪法,强制美国之音停播对郭文贵的专访?那是因为这仅是一个中文频道,没有多少美国公民会关注的,人家已经断定停播也不可能引起大规模游行和影响特朗普声誉及利益的社会情绪。就那几个美籍华人,得了吧,他们能享受民主全靠人家恩赐,哪敢起来捍卫新闻自由的权利?!

到此,我似乎说什么都显得无力了,我只想大喊几声,中国蠢猪们该醒醒了!


2017年4月19

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「人工子宮」で羊の胎児を育てる実験に成功

The Children's Hospital of Philadelphia Research Instituteの研究者らが、子宮に近い環境を人工的に再現したシステムを使って羊の胎児を育てることに成功したという(AFPNature Communications掲載論文)。

胎児は臍帯(いわゆるへその緒)経由で酸素や栄養を受け取るが、今回のシステムはポンプを使わずに人工子宮から臍帯経由でこれらを送り出すのがポイントだそうだ。機械式のポンプを使用すると胎児にダメージを与える可能性があるが、今回のシステムではその問題を回避できるという。

なお、実験に使われたヒツジのほとんどは「人道的に殺して脳、肺、そのほかの臓器を調べた」とのこと。また、数頭はその後「あらゆる面で普通に発育した」とのこと。うちの1頭はペンシルベニア州の農場で暮らしているという。

 

2017年4月26日水曜日

Amazon.co.jpのマーケットプレイスで詐欺的業者による出品が急増中

本日、デジタルオーディオプレーヤーを購入しようと思ってAmazonを見ていたところマケプレで異常に安い商品を見かけたので、こんな値段で入手が出来るのかとポチりそうになりました。しかし、その商品の1番安い出品者と2番目に安い出品者が値段が5000円以上違うにも関わらず同じ屋号の店だったので不審に思ってグーグル先生に聞いたところ、4月に入ってから異常に安価で出品する不審な業者が大量発生していたのですね。

購入しようとした激安商品は数時間後には削除されていましたが、今見たら、また別の名前のショップが激安で出品していました。軽く見た感じ、Amazon.co.jp限定の商品が新品で出品されてたり、安価で商品をたくさん出品してるわりには最後にショップ評価のコメントがついたのが6年近く前だったり(アカウント乗っ取り?)と、不審な出品が結構ありますね。

この時期、GW前なので休暇中のお楽しみ用にアレゲな物を購入しようと思ってる方も多いと思われますが、Amazonのマケプレでの購入時には悲しいGWにならないように注意して頂きたいと思います。また、諸兄の中にアマゾンのマケプレで被害にあいそうになった方、既に被害にあった方、あるいは被害にあっていると今知った方がいらっしゃれば、体験談等を聞かせて頂きたいと思います。

弁護士ドットコムNEWSによると、こういった業者で購入すると商品が届かなかったり、個人情報が相手に渡った後に業者側都合として注文がキャンセルされるケースが多いようだ。

2017年4月24日月曜日

従来の半分以下の時間で衣服を乾かせる超音波衣乾燥機

米オークリッジ国立研究所の科学者たちが、超音波トランスデューサを使用した衣類乾燥機を開発している。端的に言うと、眼鏡などを洗う超音波洗浄機の技術を使って衣服の水分を蒸発させるものであるらしい。
従来の乾燥機では乾燥するまでに平均で50分かかるのに対して新型では20分ですむそうだ。空気を高温にする必要も無く、その空気を衣服にまんべんなく当てるためにドラムを回転させる必要も無いことから、エネルギー効率は従来の製品よりも大幅に改善され、最大で5倍の省エネ化ができるとしている。また回転しないことから糸くずも出にくくなるようだ。

PS4にゴキブリが住み着きやすい理由

米国のSonyが内部に虫のいるPS4の修理を拒否することが以前話題となったが、PS4は他のコンソールと比べてゴキブリのすみかとなりやすいそうだ(ConsumeristKotaku修理業者による解説動画:ゴキブリの死骸を含む)。

床に近く、閉鎖された暗い場所へ平らに置かれることが多いゲームコンソールは、虫が侵入する可能性が高い。PS4は通気用のスリットが広く開けられていることでゴキブリが侵入しやすく、内蔵の電源ユニットで内部の温度が高くなるためゴキブリが住み着きやすいのだという。

Sonyが修理を受け付けないこともあって、ゴキブリの住み着いたPS4が故障すると町の修理業者へ持ち込まれることになる。ゴキブリの死骸やフンによるショートが故障の原因となることも多く、感電して黒焦げになったゴキブリの死骸が見つかることもあるとのこと。Xbox Oneの内部からゴキブリが出てくることもあるが、比率としてはPS4が圧倒的に多いようだ。

持ち込まれたPS4はファンなどに付着したフンや、そこから生じる独特のにおいなどで筐体を開けるまでもなくゴキブリが住み着いていることがわかるという。中にはゴキブリの清掃料金を設定している修理業者もあるとのことだ。

 

線虫を使ったがん検査、実用化に向けて日立製作所とベンチャーが共同研究へ

日立製作所と九大発のベンチャー企業・HIROTSUバイオサイエンスが、線虫を使ったガン検査の実用化に向けた共同研究を開始する(時事通信mugendai)。

線虫にはガン患者の尿に誘引される性質があり、尿に多くの線虫が寄ってくればガンの疑いがあると診断する、というシンプルな原理となっている。「C・エレガンス」という種の線虫を使って242個(がん患者24、健常者218)の検体を対象に実験を行ったところ、9割を超える精度でガンを見分けられたという。ガンに関連するタンパク質が発する特有の匂いに線虫が反応すると見られているという。

この方式で判断できるのはガンかどうかだけで、どの部位にガンがあるかは分からないとのことだが、早期ガンでも発見できるほか、早期発見が難しい「すい臓ガン」にも反応するという。費用が安いのもメリットとなる。今後日立が自動解析装置を開発し、2019年には自由診療での実用化を目指すとのこと。

 

垂直離着陸可能で完全電動の空飛ぶタクシー、プロトタイプが初のテスト飛行に成功

垂直離着陸(VTOL)可能な空飛ぶタクシー「Lilium Jet」を開発中のドイツ・Lilium20日、プロトタイプ「Eagle」による初のテスト飛行が成功したことを発表した(Liliumのニュース記事 The Vergeの記事 VentureBeatの記事 動画) 

Lilium Jet
電気ジェットエンジンをフラップに搭載し、浮上時は垂直、浮上後は水平に噴射して飛行する。エンジンコンポーネントは小型のものが数十個搭載され、複数のコンポーネントが失われても問題なく垂直着陸できるそうだ。機体全体を安全に降下させるためのパラシュートも装備する。最高速度は300km/h、航続距離は300km。完全電動であり、オートバイよりも静かだという。 

これまでLiliumは小型のプロトタイプでテストを行っており、Eagleは初のフルスケールプロトタイプとなる。テスト飛行は遠隔操作によって実施されたが、有人のテスト飛行も近く実施する計画のようだ。2人乗りのEagleでテスト飛行が成功したことで、今後は5人乗りタイプの開発を進めていくとのこと。 

一方、20年以上にわたり空飛ぶ自動車の開発を続けているスロバキアのAeroMobilは、モナコで23日まで開催中のTop Marques Monacoで最新モデルを発表し、初の予約受付を開始したそうだ。予約を受け付けるモデルは500台限定で、価格は120万ユーロ〜150万ユーロ。2020年までに最初の出荷を始める予定とのこと。こちらは翼を折りたたむことで通常の自動車として道路を走行することも可能で、飛行時にはガソリンエンジンを使用し、地上走行時はハイブリッドとなる(AeroMobilのニュース記事 Mashableの記事 Ars Technicaの記事)

2017年4月20日木曜日

住宅ローンを組むと、諸費用がかかるの?

住宅ローンを選ぶ時、つい金利にばかり目がいきがちですが、実際に借りるとなるとさまざまな費用がかかります。こうした「諸費用」も含めてトータルで考えることが、本当にお得で使い勝手の良いローンを選ぶ秘決です。

住宅ローンの諸費用を知ろう。

住宅ローンを借りる時には、「ローンの事務手数料」「ローン保証料」「団体信用生命保険の保険料」「住宅ローンの登記費用」「印紙税」などのお金がかかります。こうした諸費用は、契約時にまとめて払うほかに、種類によっては金利に上乗せして払う方法もあり、いくら負担するのか、どんな払い方をするのかが住宅ローン選びを左右するポイントになります。

たとえば「ローンの事務手数料」は、契約時に35万円前後を定額で支払う場合と、融資額の1.5%というように、融資額に応じて負担する金額が変わる場合があります。後者のタイプのほうが表面上の金利は低めに設定されますが、事務手数料は数十万円になるので、目先の金利だけに注目するのではなく手数料も含めて考えた時にどちらが有利か検討するとよいでしょう。

「ローン保証料」とは、ローンが返せなくなった時にローン保証会社に返済を立替えてもらうために支払う費用です。ローン保証料の金額は、融資額、返済期間などによって変わりますが、ローン契約時に一括して支払う場合、数十万単位の出費になることが通常です。この費用についても、一括払いのほかに、金利に0.2%程度上乗せして返済期間を通じて支払う方法があります。後者を選べば、最初に払うお金を抑えられますが、総支払額では高くなりがちです。中にはローン保証料を無料にしている住宅ローンもありますので、そういったものを選べばローンの諸費用負担をぐっと抑えられます。

ローン契約者が万が一死亡した場合などに、住宅ローンの残債を完済してくれる保険が「団体信用生命保険」です(「団信」と呼ばれることが多いです)。多くの金融機関では団信の保険料は無料ですが、一部の住宅ローンでは保険料を負担しなければなりません。保険料は金利に上乗せされるのが一般的で、ローンの残債によっては負担額が年間10万円を越えることもあります。また、最近はシンプルな死亡保障に加えて、三大疾病をカバーするタイプや、がんと診断されたら以後の住宅ローンの支払いがなくなるタイプ、一部例外はあるものの病気やケガなどの理由を問わず就業不能状態になった場合に住宅ローンが返済できないリスクをカバーするタイプなど、幅広い"もしも"に備える団信が登場しています。その場合の保険料は、金利に0.3%程度上乗せされるケースが一般的ですが、中にはこうした疾病保障つきの団信も無料で付加される住宅ローンがでています。

このほか、ローンの手続きを不動産会社に任せると「ローン代行手数料」が十数万程度かかる場合もありますので、注意するようにしましょう。

ローン返済中にかかる費用もお忘れなく。

住宅ローンには、借りる時だけでなく、ローン返済中にかかる費用もあります。特に「繰り上げ返済手数料」は、繰り上げ返済する度に数千円から2万円程度の手数料がかかるので、回数が増えるとそれなりに大きな負担になります。最近では、もともと無料のところや、インターネットを使って繰り上げ返済すれば無料になる金融機関が増えていますから、家計の状況を見ながらちょこちょこ繰り上げ返済したい人は、こうしたローンを選ぶとよいでしょう。

このほか、変動金利から固定金利に切り替えるなど、金利タイプを見直す際に費用が発生することもありますので、住宅ローンを借りる際には、どういった時に返済中の費用負担があるのか、細かな条件も確認しておくと安心です。また、住宅ローン借り換えの際は、新規で借りる時と同じように、事務手数料や登記の諸費用がかかります。こうした費用を払ってでも借り換えのメリットが出るか試算して判断するとよいでしょう。

融資額が大きく返済期間が長いほど、諸費用も大きい。

住宅ローン選びは、金利にばかりとらわれず、諸費用の負担額や払い方で比較することが大切です。特に融資額が大きく返済期間が長くなるほど、諸費用の負担額は膨らみがちですので、安易に借りられるだけ借りておこうとせずに、金利水準、コスト面、返済ペースなど、いくら借りてどの程度の期間で返すのがベストか検討するとよいでしょう。また、付加される団信の内容によっては、その分加入中の保険の見直しも検討できるので、目先のコストだけでなく家計トータルで考える視点も持つと、さらに納得のいく住宅ローン選びができるでしょう。

まとめ

住宅ローンは、金利だけにとらわれず、諸費用の負担額や払い方、団信の内容も検討しながら選ぶようにしましょう。

 

2017年4月12日水曜日

「液晶テレビ」のシャープは本当に復活できるのか

役員同士の「不仲」で工場設備が別々だった
シャープの戴正呉社長は3月13日、大阪府堺市のシャープ本社で初の記者会見を開いた。シャープを買収した台湾・鴻海(ホンハイ)精密工業のナンバー2だった戴氏が社長に就任したのは昨年8月。7カ月間、戴氏は沈黙を守ってきたが、その間にシャープの業績は回復基調に乗り、株価は4倍に跳ね上がった。ホンハイはシャープをどう改革したのか。記者会見での戴社長の発言を元に検証する。

──ホンハイが経営に携わるようになって7カ月。シャープの業績は確実に上向いている。シャープのどこが悪かったのか。
それは喩えて言えば「社長と副社長の問題」だ。社長は液晶パネル工場を建てる。副社長は太陽光パネル工場を建てる。両者の生産工程はよく似ており、本来は(配電設備や水処理設備などの)ユーティリティーを共有できるのだが、シャープではそれぞれが独自のユーティリティーを持っているのだ。

なぜこんな馬鹿げたことが起きているのかというと、社長と副社長の仲が悪いからである。私はシャープの社長になって、最初の1カ月、この会社をじっと観察した。するとこんなことがあちこちで起きていた。

こんなこともあった。太陽光パネルの材料を高値で買い付け大きな損が出た。150億円の投資だったが担当専務が独断で決済しており、社長や他の役員は知らなかった。去年の2月24日、ホンハイがシャープに出資する直前に約3500億円の偶発債務が見つかった(※1)。高橋(興三)前社長も一生懸命やっていたから、あれがなければこれほど大きな赤字にはならなかっただろう。いずれもガバナンス(内部統制)の問題だ。

今は300万円以上の取引をすべて社長の私が決済している。この半年で決済した件数は2000件に及ぶ。「社長がいちいち、そんな細かいことまでチェックするのか」と言われるかもしれないが、ホンハイではそれが当たり前だ。

私はテリー(郭台銘ホンハイ会長)の隣で26年間、働いてきた。半導体工場の工場長も5年やったし、テレビを売った台数はシャープより多い。カメラモジュールを扱ったこともあるから、NTTドコモやKDDIのこともよく知っている。

ガバナンス体制を強化したので、あんなことは二度と起きない。

〈解説〉日本ではよく「いちいち細かいことに口を挟む社長は小物だ」と言われる。しかし本当に優れた経営者は自分の会社のことを隅から隅まで知り尽くしているものだ。

日本航空(JAL)を再建した京セラ創業者の稲盛和夫氏は、JAL会長の在任中、毎月の業績報告会に提出される資料を赤ペン片手に舐めるようにして読んだ。エクセルで作られた資料には細かい数字が書き込まれていたが、稲盛氏はそこから「異常」な数字を見つけ出し、役員たちに厳しい質問を飛ばした。

最初の会議でJALは豪華な仕出し弁当を用意した。稲盛氏は「この弁当はいくらだ」と聞くと誰一人答えられず、稲盛氏は「自分が食べている弁当の値段もわからん人間に経営ができるか」と一喝した。

「家電メーカー」と名乗っていてはダメ
──シャープの業績悪化は、マネジメントの問題だったということか。
そう思う。例えば3500億円の偶発債務のうち、半分は中国で発生している。シャープは海外に約200社の子会社を持っているが、そこの社長は大半が日本人で、しかも社内評価がAグレードではない人がたくさんいた。Aグレード以上の人材はみんな国内にいた。

これからは部長以上の人材にしか海外子会社の社長はやらせない。現地の優秀な人材も登用していきたい。日本人の英語能力で現地のお客様とコミュニケーションするのは難しい場合が多い。国籍、性別に関係なく多様な人材が活躍できる会社にする。

幸いなことにシャープには優秀な技術者が数多く残っている。人材が流出していると言われるが、管理職が出ていくのなら心配ない。

シャープ従業員の平均年齢は50歳。ソニーは47歳だと聞いている。私の印象でも、新聞やテレビの報道に登場するシャープの幹部は白髪の人が多かった。若返りを進め平均年齢を45歳くらいに是正したい。

〈解説〉2012年にシャープがホンハイと提携交渉を進めていた時、シャープの町田勝彦会長(当時)は「テリー(郭会長)の周りにいるTシャツにGパンの汚い格好をした若者たちが、話してみるとやたらに優秀でスタンフォードやMIT(マサチューセッツ工科大学)出身だったりするので驚いた」と語っていた。

年齢、国籍に関係なく実力主義で人材を登用するのがホンハイ流であり、戴氏はそのホンハイで長年、人事の責任者を務めてきた。シャープでも人事改革に乗り出しており、「賞与は平均で年間4カ月だが、業績に貢献した社員には最大8カ月を出す」と「信賞必罰」の方針を打ち出している。

「液晶テレビ」のシャープは本当に復活できるのか
──この7カ月でシャープのどこを変え、これからはシャープをどんな会社にしていくのか。
まず手をつけたのは「不平等契約」の解消だ。シャープは長年、業績低迷が続いていたので、一部の取引先とはシャープにとって著しく不利な条件の契約をしていた。しかし今やシャープは売上高15兆円のホンハイ・グループの一員なのだから、不平等な契約は見直してもらわなくてはならない。1社ずつ私が行って、契約の改定をお願いしている。

先ほどの「社長と副社長の問題」は調達にも影響していた。液晶工場と太陽光工場が同じ部材を別々に仕入れているケースもあった。部門間のコミュニケーションが悪く横展開ができていない。これからはホンハイの購買力をフル活用して部材を調達し、原価を引き下げていく。

目指すのは「グローバルなIoT(モノのインターネット)企業」だ。これまでシャープは「日本の家電メーカー」だった。家電は家に帰ってスイッチを入れないと動かない。IoTはインターネットでクラウドにつながっているから、オフィスにいてもスマホで操作できる。「この製品はもうすぐ故障するからパーツを替えましょう」という新しいサービスもできる。ハードウエアとソフトウエアとクラウドが一体になったIoTのシステムを世界各国で提供するのが新しいシャープの姿だ。

先週、総務省の「第41回家電メーカー懇親会」という会議で、私はパナソニックの津賀(一宏社長)さんに「この会議の名前は正しいのでしょうか」と聞いた。自分たちを電機メーカーと呼んでいるようではダメだ。ITの活用度合いにおいて、すでに日本は先進国とは呼べないが、2020年には日本がIoTで最も遅れた国になっているかもしれない。
〈解説〉売上高15兆円の巨大EMS(電子機器の受託製造サービス)であるホンハイは、アップル、デル、ソニー、任天堂など世界中のエレクトロニクス企業と取引しており、各社の戦略をいち早く知りうる「黒子」のポジションにいる。そのホンハイがシャープ買収によって、自らのブランドで製品やサービスを提供する「役者」になろうとしている。

ホンハイ・シャープはアップルと組んでIoT時代の主役に躍り出るのか、それともアップルの対抗軸を目指すのか。郭会長は「東芝の半導体メモリー事業も買収したい」と語っている(※2)。ホンハイがIoT時代をにらんだ業界再編の台風の目になるのは間違いなさそうだ。

注1:2016年2月12日に提出された「第3四半期報告書」に債務の一覧が書かれていた。

http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/library/securities/pdf/122_3q.pdf

注2:3月1日、中国・広州で開いた液晶パネル工場の起工式の後、記者団に対し、「とても真剣に検討している。東芝の経営を支援し、資金を投入できる」と答えた。

人手不足の割に賃金の上がり方弱い

日銀の黒田東彦総裁は11日午前の参院財政金融委員会に出席し、「人手不足の割に賃金の上がり方がやや弱い」との見方を示した。民進党の藤末健三委員への答弁。

ほぼ完全雇用の状態にありながら、物価上昇が弱い背景について、黒田総裁は「長期のデフレで人々のデフレマインドの転換に時間がかかり、労使も賃金より雇用を重視していること」や、「労使交渉で前年度の物価実績を勘案して賃金を決める労使慣行」などを列挙した。

今後の物価について「需給ギャップ改善、エネルギー価格による物価押し上げ、実際の物価が上がることによる人々の予想物価上昇率の上昇により、物価は目標の2%に向けて上昇していく」との従来見解を繰り返した。

2017年4月10日月曜日

2053年、1億人割れ=65年に高齢者4割弱—出生率は小幅改善・厚労省推計

 厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は10日、2065年までの日本の将来推計人口を公表した。

 15年に1億2709万人だった総人口は、53年に1億人を割る見通し。65年には8808万人に減り、65歳以上の高齢者が占める割合は、15年の26.6%から38.4%に上昇する。

 1人の女性が生涯に産む子どもの数を示す「合計特殊出生率」は、30〜40代女性の結婚や出産が上向いている近年の傾向を踏まえ、小幅ながら改善。60年に1.35とした前回推計(12年)に対し、65年に1.44になると見込んだ。

 出生率の上昇で1億人割れの時期が前回推計より5年遅くなったものの、厳しい人口減と少子高齢化に歯止めがかかっていない現状が、改めて浮き彫りとなった。

 推計人口は国勢調査の結果を基にほぼ5年ごとに見直し、年金や医療など社会保障制度の設計に関する基礎資料となる。同日開かれた社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の人口部会に報告された。

 15年の実績値と65年の推計値を年齢階層別に比べると、0〜14歳の年少人口は1595万人(総人口の12.5%)から898万人(10.2%)に、15〜64歳の生産年齢人口も7728万人(60.8%)から4529万人(51.4%)に減少する。

 65年時点の高齢者人口は3381万人。15年とほぼ変わらないが、総人口に占める割合は大幅に上がった。ただ40%超だった前回推計に比べ、高齢化の進行度合いは緩やかになった。1人の高齢者を支える現役世代の数は、15年の2.3人から1.3人に減る。

 平均寿命は男性84.95歳、女性91.35歳まで伸びると見込んでいる。

2017年4月7日金曜日

40歳を過ぎても「企業が欲しがる人材」3つの共通点

 企業が中途採用をする場合、現場第一線の経験者を募集するケースが多くなるため、求人票には記載がなくても本音では20代後半や30代前半の人材を採用したい、という傾向が強くあります。しかし、中には40歳以上のミドル世代であっても、選考活動で企業にその魅力を発見され、若手の候補者に競り勝ち、企業からのオファーが集まる方がいます。そんな人たちに共通する傾向とは何か? 今回はそこに焦点を当てたいと思います。

■募集企業が、事業課題解決を目的にしているケース

 転職エージェント(企業向けには「人材紹介サービス」という言い方が一般的)は、転職を検討する人の希望条件や適性をヒアリングして、個人が活躍できる場所を見つけていく転職支援サービスである一方で、企業が求める人材要件をヒアリングして、企業にとっての理想の人材を探し出し、紹介するという、「採用支援サービス」でもあります。成功報酬を企業側から受け取ることもあり、転職検討者からの相談よりも、企業からの求人依頼がサービス開始の起点となることが多いようです。

 企業から求人依頼を受ける際には、大きく分けて、

(1) 募集の背景(経営体制の課題や事業・サービスの課題など)から詳しく説明を受けて、事業を前に進めるための人材獲得を依頼されるケース

(2) あらかじめ社内で議論して確定している人材要件(学歴・職歴・年齢・転職回数など)をもとに、その要件に合致する人材探しを依頼されるケース

という2つのパターンがあります。

 出現率としては、圧倒的に(2)のほうが多いのですが、そもそも若手人材を募集しているケースが多いため、このパターンで30代後半以上のミドル人材の採用がうまく進むケースは、あまり多くはありません。年齢上限からたった1歳ずれているだけで、どれだけ優秀な人材であってもシャットアウトされることなど日常茶飯事です。

 一方で出現率は低いのですが、(1)の企業の場合には、がぜんミドルの活躍機会が高まります。正確にいうと、(1)の企業は、事業の拡大・成長や経営上、解決したい課題が明確で、人材紹介会社に対しても、その課題を解決してくれる人探しを依頼するため、人材紹介会社としても、想像力、サーチ力、提案力が試されるぶん、その企業で活躍できる人を、年齢や経験を超えて幅広く提案できることになるわけです。

 40歳以上のミドル世代が(スペシャリストや経営幹部といった特殊な募集以外で)選考に進むことができる企業は、前提として、目的重視志向で柔軟性がある企業である確率が高いということになります。

■思考に柔軟性がある人

 では、40歳を過ぎても企業からオファーを受けやすい人の共通点にはどんなものがあるのでしょうか?

 1つめは、思考に柔軟性がある人です。転職相談の面談をしていると、希望する会社の条件(規模・知名度など)、やりたい仕事やポジション、年収などの希望条件などが非常に硬直的で、1ミリの条件違いも認めないという方針の方がたまにおられます。企業でいうと前述の(2)に近い感じです。条件が固まっている裏側には、それなりの理由があるのですが、とはいえ転職市場はナマモノで、売り手・買い手の合意あってのマッチングなので、売り手側の事情や都合だけではコトが進みません。

 逆に、思考に柔軟性がある人は、譲れない条件の明確化や、押すべき希望条件の押し具合や、あきらめるべき条件の引き際タイミング、代替条件の提案など、いろいろな要素を余裕をもって変動させながら、話をうまく前向きに進めていく交渉上手な人でもあります。転職すること自体で、自分が何を勝ち取りたいのかを明確に持っているため、絶対にはずせない目的だけを押さえて、心のハンドルに遊びがある状態を保てているのかもしれません。

 また、こういう方々の場合、「入社後すぐにこういう状態でなければいけない」という観念よりは、「入社直後から1、2年のスパンで自分がどう貢献できれば条件が変わっていくか」というように少し長めの時間軸で物事を判断されるケースも多く、それによってより柔軟性が高まるということもあります。

■採用する側のリスクを想像できる人

 年齢が上がっても企業に人気の人の共通点、2つめは想像力の豊かな人です。面談でその方のキャリアや希望条件や転職のきっかけなどをヒアリングした後、いよいよ具体的な求人の話になった瞬間、

*求人票から読み取れる、企業のホンネの募集条件・求められている人材像

*どういう応募者が集まっていそうか、その中での自分の優位性は何か

*採用する側が自分を採用する場合に考えるであろうリスク

などを考えめぐらし(ほとんどの場合、一瞬です)、その上で、どのような書類の書き方にするか、面接で何を話すべきかなどの作戦立案の相談を開始するような方が、ごくたまにいます。

 こういう方は、実際の相場観を知らなくても、いくつかのヒントから相場を把握し、どう対峙していくことがベストなのか、を一瞬で見抜く能力を持っていると思います。結果的に、転職に対する期待値も上げ過ぎず、下げ過ぎず、感情的にも安定した状態で活動を継続できる確率が高まります。

 もう一つの共通点は、素直さという武器です。

 ミドル層となると、過去2、3回転職していて、現在が3社目、4社目というケースも多々あります。転職回数を経験すればするほど、慣れが発生して、エージェントのあしらい方が上手、かつ粗くなってくる方もいます。複数の転職エージェントに希望条件だけ伝えて登録し、希望に近い案件を待つだけ、という方も中にはおられます。

 一方で、素直さのレベルが高い方は、いつも新鮮で、転職エージェントに対してもぶっちゃけた発言が多く、結果的に親近感が高まり、「この人の役に立ちたい」という欲求が強くなりがちです。転職エージェントをファンにしてしまうと、当然、頑張って結果を出すための案件開拓につながる効果もあります。