2012年6月15日金曜日

マレーシアで進むインフラの4G化


 インドネシアに比べて携帯電話の導入が早かったマレーシアは、既に普及率が100%を超えている。インフラでは第3世代携帯電話(3G)のユーザーが3割弱を占めており、第4世代携帯電話(4G)インフラの導入も始まっている。一方で固定電話は、携帯電話の普及に伴って減少傾向にある。
 マレーシアの携帯電話加入数は10年末で約3400万に達し、全人口の2840万に対する普及率は120%になっている。3G加入数は増加基調にあり、10年9月現在で790万契約。そのうち60万が高速なモバイルブロードバンドサービスに加入している。

 マレーシアでは携帯電話インフラの4G化が進んでいる。地元紙は、マレーシア通信マルチメディア委員会(MCMC)が4G移動通信規格用の2.6GHz帯周波数の割り当てをしており、参入を希望する9社にそれぞれ10メガ~30メガヘルツ(MHz)が割り当てられる方針であると12月に伝えた。
 周波数帯の割り当て作業は1010月に始まっていたが、報道された帯域幅は、一部の事業者にとってはこれまでに公表されていた値よりも狭くなる。1社に割り当てられる周波数帯が狭いため、他社と提携しなければ増大するデータ需要に対応しきれないとの声が上がっている。
 今回の割り当てでは、高速無線通信技術のWiMAXを採用する「Packet One Networks (Malaysia)」、「REDtone International」、「YTL Communications(ワイティーエル)」の3社に20MHz幅を、「ASIAspace(アジアスペース)」は10MHzを、「PuncakSemangat(プンカクセマンガット)」には30MHzをそれぞれ割り当てる。9社は1215日までにMCMCに新たな事業案を提出する見通しである。
 現在アジアでLTEの商用サービスを行っているのは、香港のCSLと日本NTTドコモ、フィリピンのSmart(スマート)の3社である。ただしSmartがLTEを導入したのはリゾート地として有名なボラカイ島だけであり、今後の普及を目指した商用実験的要素が強い。この3社に続くのはどこなのか。各国でインフラ整備が進んでいる。
 実はインドネシアもマレーシアも、アジアの中ではスマートフォンを利用するユーザーの割合が高い。両国と関係が深いシンガポールは携帯電話契約数の72%に当たる530万がスマートフォンを活用している。スマートフォンの導入比率が世界で最も高いのはサウジアラビアの86%で、アラブ首長国連邦(UAE)の75%についでシンガポールは3位となっている。それに続くのがマレーシアの55.2%、インドネシアの44.6%となっている。
 これらの国々に見られる傾向は、ここ数年で急速に3Gインフラの整備が進んだことや、データサービスに対する志向が高まったこと。従来型の携帯電話を持つよりもスマートフォンを持つユーザーの割合が高くなったとみられる。
 売れ筋端末は、韓国サムスン電子の「ギャラクシーS」や米アップルの「iPhone4」、フィンランドのノキアの「N8」、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズの「X8」などで、スマートフォンの人気は今後も続くと予想されている。
 一般にスマートフォンを持つユーザーはデータ通信を好む。最も利用が多い時間帯は朝の通勤時間で、音楽視聴やゲーム、メッセージ送信などに使われ、ユーザーが職場に着く時間帯には利用が減少する。再びスマートフォンをさわり始めるのは昼食時間。利用が急減するのは夕食の時間帯で、夕食後は再び利用が急増する。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などの利用が多くなるという。

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