2016年12月27日火曜日
ホワイトハウス、人工知能関連技術の発達に向けた施策を検討したレポートを公開
レポートによると、AIには多くの利点があり、AIへの投資や研究開発はを推し進めるべきであるとしたうえで、AIが浸透した社会に対応するための教育を子供だけでなく大人にも提供していく必要があるとし、さらに社会構造の転換に対応するための労働者対策も必要だとしている。
レポートではAIによって今後10〜20年で米国の仕事のうち9〜47%が脅かされるという数字も紹介されている。
2016年12月20日火曜日
特定の脳活動に対し報酬を与えることで、知覚した物事に対する「確信度」を操作できるという研究結果
人間は物事を知覚した際に、その「確信度」によって異なる脳活動を行うという。この脳活動を外部から観測し、「確信度を下げたい」場合には確信度が低い脳活動に対し報酬を、「確信度を上げたい」場合は確信度が高い脳活動に対し報酬を与えることで、確信度を誘導できることが分かったという。なお、実験は10人の被験者に対し行われ、報酬は金銭で与えられたという。また、被験者はこのような「確信度の操作」が行われていることには無自覚だったという。
この研究結果は精神疾患等の治療に有用であるいっぽう、洗脳などに使われる可能性もあるようだ。
鶏の有精卵にレーザーを当て雌雄を見分ける技術が開発される
この技術は、産卵後4日の段階でレーザー光を卵に照射して画像を撮影し、画像処理によって雌雄を判断するというもの。オスの卵はレーザー光を照射すると、特定の波長でメスの卵とは異なる反応が見られるという。この技術を380個の卵に適用して判断したところ、その正答率は93%だったそうだ。
2016年12月16日金曜日
Aging Process May Be Reversable, Scientists Claim
A new type of gene therapy is showing promise in reversing the aging process. The scientists are not claiming that aging can be eliminated, but say that in the foreseeable future treatments designed to slow the process could increase life expectancy.
The Guardian explains the scientists' experiment in its report: "The rejuvenating treatment given to the mice was based on a technique that has previously been used to 'rewind' adult cells, such as skin cells, back into powerful stem cells, very similar to those seen in embryos. These so-called induced pluripotent stem (iPS) cells have the ability to multiply and turn into any cell type in the body and are already being tested in trials designed to provide 'spare parts' for patients. The treatment involved intermittently switching on the same four genes that are used to turn skin cells into iPS cells. The mice were genetically engineered in such a way that the four genes could be artificially switched on when the mice were exposed to a chemical in their drinking water. The scientists tested the treatment in mice with a genetic disorder, called progeria, which is linked to accelerated aging, DNA damage, organ dysfunction and dramatically shortened lifespan. After six weeks of treatment, the mice looked visibly younger, skin and muscle tone improved and they lived 30% longer. When the same genes were targeted in cells, DNA damage was reduced and the function of the cellular batteries, called the mitochondria, improved. Crucially, the mice did not have an increased cancer risk, suggesting that the treatment had successfully rewound cells without turning them all the way back into stem cells, which can proliferate uncontrollably in the body." The study has been published in the journal Cell.
「アベノミクスは失敗だった」と声高に言いづらい空気の原因
「アベノミクスは失敗だった」と、はっきりと言えないのはなぜだろう?
異次元の金融緩和を行った上で財政出動(公共投資)を行い、民間投資の喚起を目指して成長戦略も推進する。そのことでデフレを脱却し、経済成長を促す。これが2013年にブームとなったアベノミクスの「三本の矢」だったのだが、足もとの状況を見る限り、とても成功したとは思えない。
目玉政策だった金融緩和については次第に「黒田バズーカ」が不発になり、経済成長の実感が持てない上に、2%のインフレ目標も達成できるどころか、デフレに逆戻りする雰囲気が出始めている。
どう考えてもアベノミクスは失敗なのだが、メディアでは色々議論がなされつつも、「失敗」と断言しているケースは稀だし、国民の世論もそこまでの空気にはなっていない。これは不思議なことではないか。
なぜかというと、アベノミクスはラッキーなのだ。今回はアベノミクスをめぐる「3つの好運」について述べてみよう。
1つめのラッキーは中国の経済回復だ。そもそもアベノミクスは、2013年に日経平均株価の大幅上昇によってブームとなった。しかし、その因果関係を考えると、三本の矢で日経平均が上昇したというよりも、中国景気のおこぼれがやってきたという方が正しい。
中国人が一斉にスマホを買うようになったので、日本の電子部品株やスマホケースを削る工作機械株が上昇したり、中国人観光客が銀座で爆買いするようになったので百貨店株が上昇したりした。都心の湾岸エリアの不動産価格が高騰したのも、中国人の富裕層がタワーマンションに投資をしたからだ。
ところが2015年夏にチャイナショックが起きて、中国の経済成長が減速しそうになったとたん、日本経済も失速した。この頃から「アベノミクスに限界が来た」と言われるようになったが、何のことはない、中国景気が失速しただけのことだ。実際、その後の1年は、黒田バズーカを何発撃っても日本経済は冴えなかったではないか。
ところが今年の夏あたりから、中国経済が持ち直し始めた。国際的なダンピングで余剰の鉄鋼を売りさばき、意味のある公共投資に力を入れた結果、どうやら目先の中国経済は最悪期を脱したようだ。
それで中国の景気が戻ってきた結果、以前のように様々なコモディティ(資源)の価格が上昇してきた。また中国の実需が世界相場を押し上げ始めたのだ。これが1つめのラッキーだ。現時点では、多くの日本企業が再び中国景気の恩恵を受けられるようになり始めた。
● 中国とトランプの追い風で 責任がうやむやになった「ラッキー」
2番めのラッキーはトランプ氏だ。大統領選挙前までは1ドル=100円台の円高傾向にあったが、直近の為替は1ドル=117円とアベノミクス全盛時の円安に逆戻りした。
このメカニズムの説明には色々あるのだが、定説で言えばトランプ氏が大統領就任後にアメリカ国内に対して大きな財政出動をすることを表明していることが、為替変動の引き金となった。「アメリカ政府がたくさんお金を使うぞ」というのでアメリカにグローバルな資金が集まり、ドルが買われて円安になった。
そして1ドル=90円台の円高に突入することを覚悟していたトヨタ自動車や日産自動車、ファナックや日本電産といった製造業は、逆に為替レートが振れたことで息を吹き返した。
つまり、三本の矢とまったく関係ないところで、中国とトランプ氏という2つの要因により、景気回復への期待が高まり、株価が上がるというラッキーが起きたわけだ。
言い換えると、アベノミクスは失敗しても、足もとのエコノミクスはいい感じになってきたということだ。しかしなぜ、このような状況で誰も声高に「アベノミクスは失敗した」と言えなくなったのか。そこに3番めのラッキーが関係してくる。それは、朝日新聞が安倍政権の経済政策に対して名付けた「アベノミクス」という呼称が、世間に定着してしまったことが理由だろう。
これがもし「異次元緩和政策」のような呼称だったとすれば、「結局経済を持ち直させたのは、異次元緩和ではなく中国とトランプだったよね」というように批判しやすいのだが、「アベ」という呼称がついてしまったがゆえに、政策を批判することと権力者を批判することが、同じになってしまったのだ。
● 経済政策の呼称に首相の名前が 入ってしまったという不幸
本質的には、安倍総理が打ち出した異次元緩和政策には限界が見えてきた。外的要因で我が国の経済は持ち直してきたからこそ、ここで新たな政策を打ち出そうというような議論が、本来ならなされるべき局面にある。
しかし、固有名詞がアベノミクスになってしまったがゆえに、安倍政権が続く限りは、アベノミクスを見直そうとは誰も言えなくなってしまったのだ。そして、もしこのまま2017年の経済が2016年よりも良くなったとしたら、アベノミクスの失敗の検証や政策の見直しなど、政治家は誰も口に出せなくなってしまう。自民党の総裁選挙が近づくので、アベノミクス批判は「イコール安倍批判」と取られかねなくなってしまうという理由も大きい。
実は、黒田日銀総裁のマイナス金利政策がうまくいかないのは、経済学的に説明ができるそうだ。経済学では「貯蓄イコール投資」という恒等式がある。古典経済学では「カネ余りでもマネーが投資に向かない」などという現象は本来起きない。ただ、この恒等式が成立するためには、利子率が自然利子率(景気を緩和するでもなく引き締めるでもない中立的な利子率)と同じになる必要がある。
そして数年前からヨーロッパで問題になってきたのが、どうやらその自然利子率がマイナスになったらしいということだった。
簡単に言うと、以前は金利を下げれば投資が活発になったところが、現在では市中金利が(公定歩合がではなく)マイナスにならないと投資が活発にならないということだ。不思議な話だが、「貯金をすると金利がとられる、借金をすると利子がもらえる」という状態になることが、世の中で投資が活発になる条件になってしまったのだが、現在のレベルのマイナス金利ではそうはならない。つまり日銀のマイナス金利は自然利子よりもまだ高すぎて、効果が出ないということらしい。
しかし、銀行にお金を預けたら金利が取られるという政策が今の日本で実現できるとは思えない。だから黒田バズーカは不発になるし、アベノミクスはうまくいかない。この手詰まりについてきちんとした議論をすべき時期に来ているのだが、国民にとってアンラッキーなことに、「アベノミクスは失敗した」と声高に言えない状況が続いているのだ。
2016年12月15日木曜日
鴻海とシャープ、Samsung向け液晶パネル供給中止
液晶パネルの価格低迷で赤字に陥るなど経営が悪化しているSDPが、販売交渉でパネル価格の値上げを目指した結果、サムスンと折り合いが付かなかったためとみられる。
SDPはシャープが2009年に大型液晶パネルの量産を目指し巨額を投じて設立し、12年に鴻海側が出資した。
SDPは09年の操業開始後、供給先が安定せず、シャープの業績が悪化する要因となった。現在は鴻海側とシャープがそれぞれ37.61%の株式を保有する持ち分法適用会社となっている。
2016年12月12日月曜日
会社に「評論家」は要らないんだ
同じ状態だったのは、私だけではなかったのだろう。変化に対して抵抗を示す人、新しいやり方に戸惑う人、新しい組織に馴染もうとする人——組織全体が混沌(こんとん)としていた。
古株社員としての自負があったのだろう。血気盛んだった30代の私は、何か問題があるたびに「これって、こういうふうになっている方が良いと思うんですよね」「こうあるべきではないのでしょうか?」と口にしていた。上司に対してもよく文句を言っていた。あるべき論を口にし、言い方も結構キツかった(だろうと思う。そのときは自覚していなかったが)。そのため、あちこちで人とぶつかった。
ある日上司に呼ばれて会議室に行くと、上司はホワイトボードに絵や文字を書きながらこんなことを話し始めた。
「会社には、こうした方がいい、ああした方がいいと評論する人、つまり『評論家』と、こうした方がいいと思ったことを主体的に行動に移す人の2種類がいます。大きな会社には、こっちがたくさんいます」
そう言って「評論家」という文字に下線を引いた。
「でもね、うちみたいな立ち上がったばかりの少人数の会社には、こっちの人は要らないんだよね」
今度は「評論家」という文字の上に大きく「×」を書き、こう続けた。
「今のままだったらあなたは要らない。他の仕事をしてよく考えろ」というメッセージだと受け取った。戦力外通告である。
仕事に就いて10年、こう淡々と「あなたはここには不要」というニュアンスのことを言われたのは初めてだったので、私は衝撃を受けた。
この日から、「私はいったい何をしたくてここにいるのか?」「そのためにどうするべきなのか?」を、脳が汗をかくくらい徹底的に考えた。
そしてある日、「あ、そうか!」と悟った。
「私は、評論したり文句を言ったりするのではなく、実現するためにどう動けばいいのかを考えなければならないのだ。これが20代と30代の違いだ。目の前のあれこれに愚痴るのではなく、解決策を考え、自ら行動することが期待されているのだ。それができないなら、自分の実力不足だと反省すべきだ。ベテランになるとは、そういうことなんだ」
つきものが落ちたような気分だった。それから少しずつ、「考え方」に加え「行動」も変化した。
それまでの私は、「したいこと」「すべきだと思うこと」「この方が良くなると思うこと」がたくさんあっても、「誰かがそれをやればいいのに」と無意識に考えていた。自分は管理職でもないし、その担当でもない。「経営者がしっかり考えればいい」「上司がちゃんとやればいい」「それは私の役割ではない」——そんなふうに思っていた。
しかし、あのときの上司の言葉が、「あれこれ評論している場合じゃない。自分が動かなければ!」と気付かせてくれた。
乳児に卵を少しずつ摂取させることで卵アレルギーを防止できるという研究結果
生後4〜5か月にアトピー性皮膚炎と診断された乳児は食物アレルギーになりやすいそうだが、そういった乳児に生後6か月から1歳までの間、毎日少量のゆで卵の粉末を与えたところ、アレルギーの発症を大幅に抑えることができたという。また、重い副作用はなかったという。
赤ちゃんによる卵アレルギーの発生は比較的多いとされており、そのため乳児に卵を与えないケースも多いようだが、少しずつ摂取させることでアレルギーを減らせる可能性があるようだ。
2016年12月9日金曜日
ES細胞から精子幹細胞を作り出すことに成功
今回の成果では、試験管内でマウスのES細胞から精子幹細胞様細胞を誘導することに成功したそうだ。同時に、精子幹細胞形成過程におけるDNAのメチル化制御異常が精子形成不全につながることも分かったという。
この成果は新たな不妊治療法の開発に繋がる可能性があるほか、生殖細胞系列の分化過程や、エピゲノム情報の再構成の解析がしやすくなり、新たな知見の獲得に繋がる可能性がある。