近年、爆発的な進化を遂げているAI(人工知能)技術。2016年に囲碁AI「AlphaGO」が人類最強の棋士を破り世界に衝撃が走った。新バージョン「AlphaGo Zero」も開発され、その強さもスピードも人間の手が届かないレベルと言えるだろう。
さて、そんなAI界に衝撃のニュースが走った。今度は、AIが医師国家試験に合格したというのだ。……マジかよ! もうそんな未来なの!? ロボットのお医者さんがついに誕生するのだろうか。
・世界初! AIが医師国家試験に合格!
医師国家試験の筆記試験を通過したのは、「暁医(シャオイー)」と呼ばれるAI搭載のロボット。どことなくソフトバンクのペッパーに似ているが、中国の名門大「清華大学」と中国企業「iFlytek(アイフライテック)」が共同開発したロボットである。正式名は『智医助理』とのこと。
さて、そんな暁医は2017年8月、本物の医師国家試験に臨んだという。他の受験者への配慮もあり、さすがに別室対応。試験用紙も暁医のみ電子版が使われたが、内容はもちろん同じ。ネットが遮断された部屋で、技術者や試験監督らが見守るなかで行われた。
結果は……600満点中456点という点数で見事合格! この成績は"中の上"とのこと。ぶっちぎりトップではなかったものの、合格点を96点上回る成績。余裕で筆記をパスしたと言えるだろう。ロボットの医師国家試験合格は世界初とのことだ。
・医者に代わってロボットが診療する時代がくる?
"AI医師国家試験プロジェクト" スタートから9カ月でのスピード合格。その知識も深く、医学博士レベルに相当するのだとか。うむ、暁医がスゴイのはよーくわかった! しかし、医療の知識をもったロボットは一体何ができるのだろうか? まさかお医者さんにとって代わってしまうの?
この疑問について、iFlytekの陶暁東氏は、「実際の診療には常に突発的な状況が発生するものです。AIは医学知識を網羅しているにすぎず、知識の運用はまだ完全とは言えません」と話しているそう。
清華大学の呉及氏も「ロボットは診療補助は可能ですが、医師に代わって診療をできるものではありません」としており、あくまで診療のスピード化や医師の負担軽減が当面の目的であるようだ。
・診療助手としての活躍が期待
暁医は筆記試験にも合格したが、技能テストは受けておらず、医師の資格はまだ得ることはできない。しかし、知識が豊富で判断も早いのは事実。すでに中国全土50以上の病院に配備されており、何科にかかるべきかといった受付案内などをしているそうだ。
今後は、さらに一歩すすみ医師の診療助手、また地域のコミュニティなどの場での活躍が期待されているとのことである。
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